活動データ
タイム
44:17
距離
61.8km
上り
6052m
下り
6363m
活動詳細
もっと見る2021年明けましておめでとうございます。年末年始、縦走してきました。文章、写真多めですが、時間があるときに読んでくれると嬉しいです。今年もよろしくお願いします。 大寒波到来、えっ、テント泊で奥秩父主要稜線の雁坂峠から奥多摩駅まで年越し4泊5日を計画してるけど大丈夫かしら。今回の心配事は寒さよりも、食料とバッテリー。水は2日目の将監小屋でしか補給できず、4.5㍑と5日分の食料を持参。カメラやスマホに必須のモバイルバッテリーなど、厳冬期の装備を削るだけ減らしても総重量は22kg。それでもなんとか50Lのザックに詰め込めたぁ。 1日目 三峰口駅からバスで川又下車。バスに乗っているのも一人ならもちろん降りるのも一人。年末年始の大寒波が押し寄せて小屋も営業していない時期に登る人なんてめったにいませんよ。登山道は本当に静かで、たまに鹿の警戒音しか聞こえず、途中からは雪道。急なところはなかったので、チェーンスパイクは出番なし。夕方の程よい時間に雁坂小屋到着。三富方面から誰か登ってくるかと思っていたけど、誰もいない。雁坂小屋は高校の同級生のお父さんが増築を手伝ったりした縁のある小屋。誰もいないし、せっかくだから初めての小屋泊にしよう。無人だけど。テントを設営することもないので、夕暮れの雁坂峠でピンクに染まる富士山を堪能。さすがに寒いので小屋に戻り、4畳の場所にマットとシュラフで快適。目を開けるとポスターの若い女性が見下ろしてるけど、気にせず爆睡。 2日目 雁坂小屋のトイレは使えるので、小屋を出たらガスガスで天気が悪い。天気図だと午後からは回復する見込みなので、スタートは遅めにしてゆっくり朝食。支度を済ませ小屋の扉を開けたら、いきなり白銀の世界。わずか1時間くらいで結構積もってる。大寒波到来か。パッキングをほどき、レインウェア、スパッツ、チェーンスパイクを取り出し、装着。風も強いので完全防備で出発。程よい積雪で歩きやすい。水晶山、古礼山、笠取山と展望の良い稜線だけど、今回は白い世界。唐松尾山あたりからようやく青空が出て、今日も何とか富士山とご対面。今夜の宿泊地、将監小屋は水はじゃんじゃん出てるけど、トイレは使えず、事前情報通り。もちろん貸切テント場となり、風が抜けるところなので今晩は冷えそう。 3日目(大晦日) 朝、まつ毛が凍って目が開かず。温度計はマイナス10度までしか計れないので、マイナス15度近くまでいったと思われる。さらにテントを開けると周りは雪景色。大寒波到来が頭をよぎるが、厳冬期の準備をしていたので、特に寒さも感じず、よく寝れた。今日から天気は安定するはず。次の目的地は三条の湯。奥秩父主要稜線の縦走だけならそのまま雲取山荘テント泊で良かったけど、三条の湯は行ったことがなかったのと、どうしても温かいお風呂に入りたかったから。入山してから誰とも会わず、声を発していないので、三条の湯で受付をする時に声が裏返ったら嫌だと思い、途中で発声練習。3日ぶりに人と会話できるなんて、新鮮。将監小屋は雪だったけど、すぐに登山道の雪はなくなり、風は少し強いけど晴天、最高の年末登山日和。今年最後の富士山ともご対面。三条の湯の受付で声も裏返らず久しぶりに人と会話。雁坂峠から来たと行ったら、この時期歩く人いるんだ、と雁坂や将監の小屋の様子を聞かれた。15時からお風呂入れるよ、と準備をして向かったら、湯を引いてる管が凍って沸かし直してるのでもう少し待ってとのこと。お風呂に入りにきたので、いくらでも待ちますよ。男子の風呂は4人までだけど、小屋もテントも空いていたので、一緒にいた人と山の話で盛り上がり、気づけば40分くらい入っていた。十分に温まり、川のせせらぎの音をBGMに爆睡。 4日目(元旦) 沢の音は大好きで目覚めも気持ちよかった。テント内の結露もなく撤収もあっという間。新年だというのに特に変わったこともなく、いつも通りのルーティーン。正月らしさと言えば、小屋の受付が飾ってあったのと、猪鍋と餅の準備をしていたくらい。餅食べていきなよ、って、いつ食べられるんですか、お昼くらいかなぁ。えっ、あと4時間もあるんですけど。雲取山荘は水がないから2㍑を担いでまた高低差約1000mを登る従来通りの計画と、このまま餅を食べて下山しちゃう悪魔の心、との葛藤。お風呂にも入ってリフレッシュし、余裕を持っての4泊5日なので、また重くなったザックを背負い雲取山に向かった。雲取山を経由して雲取山荘にはお昼過ぎに着いた。受付は14時からとまだ1時間以上ある。やっぱり餅食べとくんだった、と後悔の念にかられ、この寒い中どうしよう、と途方にくれる。次のテント場の七ツ石小屋に電話するも繋がらず、じっとしていてもしょうがないので、七ツ石小屋に行ってみみることにした。だめならそのまま奥多摩駅に向かうか、また雲取山荘に戻ってくればよい。祈るような気持ちで七ツ石小屋の扉を開ける。完全予約制だけど、今日の予約は少ないから一張りなら大丈夫ですとのこと。お〜、これは天使の声。ゴミが落ちてたら拾ったり、祠があれば願掛けをしたりしてるから、お年玉だと思い、有り難く張らせていただきました。それもテントの入口を開けると富士山が見える。年初から最高じゃないですか。その後小屋で会った73歳の男性と長話になった。太平洋から日本海まで歩いたとか、自分がまた歩いていない所の話がたくさん聞けて、人と話をするのがこんなに楽しかったかと、改めて思った。 5日目(最終日) 少しづつ明るくなり、小屋から人が出て集まり出したと思ったら、テン場から日の出が見えるではないか。雲取山荘にいないと拝めなかったと思っていたので、もう本当にラッキー。全く移動しないで、今年初の御来光が富士山と一緒に拝めるとは、良き一年になりそうな予感。七ツ石小屋からだと奥多摩駅もだいぶ近いので、途中、鷹ノ巣山や六ツ石山に寄り、5日間、毎日富士山を拝むことができ、七ツ石小屋からの行程も富士山と一緒。途中の鷹ノ巣避難小屋を覗いてみたら、一人泊まっていた。ついつい話し込んでしまい、76歳の男性は、北、中、南アルプスを全部歩き、刺激的な話が聞けた。70歳を過ぎても山登りができるなんて、本当に素晴らしい。元気をもらったので、奥多摩駅まではあっという間だった。 縦走は本当にいい。時間にとらわれず、暗くなったら寝て、日が出たら行動し、お腹が空いたらご飯を食べ、暑くなったら服を脱ぐ。絶景が目の前に現れたら感動し、極寒で風が吹いたら早く帰りたい。年末年始も山は関係なく、いつも通りの時間が過ぎていく。自分をニュートラルな状態に戻してくれる山旅。70代の方々の元気な話を聞き、まだまだたくさん訪れたい場所があり、今年はどんな山旅が待っているのかな。モットーは『手術をしない』、健康第一で今年も楽しみましょう。
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