*テント泊* <前編>五竜仰ぐ西遠見(遠見尾根)12/28-29

2020.12.28(月) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 35
休憩時間
14
距離
4.8 km
のぼり / くだり
749 / 118 m
1 10
18
41
46

活動詳細

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2020年まさかの年だったが、1年が終えた。 今年の正月休暇、どうやら年越しは寒波で諦めるしかなく、それでも山に行きたいと考えていた。 この天気模様は毎年で、いつも一日一晩だけ、晴れがあるかどうか。 年末12/30からは、冬型荒れ模様の予報に、その前に一時の晴れ間を楽しもうと計画。 思い上がったのは、ここ数年年末訪れている、遠見尾根だ。 いつもは相棒と忘年登山としているが、今年は一人登り納め。 五竜白岳まで行きたいところだが、西遠見を目的地として、今季最初の雪山幕営を楽しめればいい。 天気が良ければ、神々しい五竜・鹿島槍の展望に期待して訪れることにした。 エイブル白馬五竜(エスカルプラザ)から、ゴンドラ・リフトを乗り継いで、スノーハイクスタート。 リフト乗り場の女性から、今日はまだ誰も入ってませんよと笑顔で見送ってもらう。 白馬村上空は青空が見えるが、後立山は雪雲の中。まずは小遠見山を目指す。 登り始めは前日のトレースがしっかり残っており、ラッセルをせずに済んだ。 尾根に出ると、風が強く、トレースが無くなっており、所々ラッセルとなるが、スノーシューで登り詰める。 雪煙舞う強風に煽られながら、小遠見へ。そこから雪が舞う中、中遠見、大遠見、そして西遠見と、登り下りを繰り返して予定の幕営地に到着。途中、雪山らしい天気のため、写真は無しで登りに集中。 毎年、大学山岳部や、何方かの山岳会の人たちと遭遇するが、今年は3パーティーのベースキャンプがあった。途中、この辺でいいかなと思ったらテントがあって、結局、真っ白な中を尾根の端まで歩くことになった。視界も無く、雪が次第にちらつき始めてきたため、急いで整地し、テントを広げて、テント内でのんびり過ごすことに。 水作りしながら、担ぎ上げたウヰスキーをホットで。身体を温め、シュラフで暖を取る。日没前に、早めに夕飯を楽しみながら、雪山テント生活を満喫していたが、陽が落ち始めたころから天候が急悪化し。 テントを雪と風が打ち付ける暴風雪に、不安な時間を過ごした。 ちょっとヤバイかな、、、テントが倒壊しそうな中、完全防備に着替えて排雪と雪壁工事。シェルのスカートやフード隙間から叩きつける雪が入り込みキツイ作業、20分程度で諦めてテントに逃げ込んだ。 爆風雪に薄皮1枚で安全確保してくれる長年相棒のテントを手で支えながら回復を待つ。夜9時辺りで風向きが徐々に変わり、強風程度に落ち着いてきたことにホッとしてシュラフに潜り、翌朝の好天を願って、いつの間にか眠りに落ちていた。 そして夜も更け、長い一日が終えようとしていたころ、静かな月夜の明りでふと目が覚めて、、、 1日目で長くなった、、、翌朝からの記録後編は後日に。。。 ※厳冬期は、厳しい山行になると思われます。適期は残雪期、ご利用は計画的に。 ◆装備メモ◆ テント:アライ2P+冬用フライ 寝具:冬シュラフ(イスカ)+エアマット(NIMO) 道具:スノーショベル(LIFELINK) 靴:冬靴(スポルティバ)+ロングゲーター(OR)+スノーシュー(MSR) ※アイゼン、ピッケルは使わず 衣類(上):ハードシェル(ミレー)+ソフトシェル(ファイン)+フリース(BD)+厚手ウールロング(モンベル)+アンダー(ファイン) 衣類(下):ソフトシェルパンツ(ASTRI)+厚手ウールタイツ(モンベル) 防寒:ダウン+ダウンパンツ+ダウンシューズ+ニット帽、テムレス、ソフトシェルグローブ ※バラクラバ、厳冬用グローブは使わず ◆食事メモ◆ 昼:水作りながら、お摘みとウヰスキー 夕:ステーキ、ホットウヰスキー、ふなぐち 朝:カップヌードル、甘味と紅茶 ◆下山後メモ◆ 風呂:天神の湯、露天から五竜~白馬一望でゆったり 寄り道:天神清水、長野のツルヤ、櫻井(酒屋) ◆そのほか◆ スキー場は十分な積雪、北アルプスは例年より雪は少な目、気温は去年より高め

鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 今回も文明の利器。ゴンドラリフトで、一気に標高を稼ぐと、北信の山々。雨飾、天狗原・金山、焼山、火打の山並み。
今回も文明の利器。ゴンドラリフトで、一気に標高を稼ぐと、北信の山々。雨飾、天狗原・金山、焼山、火打の山並み。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 お隣、八方尾根も雲が掛かる天気。横から見るとなだらか。
小屋下にすでに表層雪崩跡が見えている、、、気を付けよう。
お隣、八方尾根も雲が掛かる天気。横から見るとなだらか。 小屋下にすでに表層雪崩跡が見えている、、、気を付けよう。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 大町方面か、山と雲が重なり合う。
長野側は比較的天気が良さそうだ。
大町方面か、山と雲が重なり合う。 長野側は比較的天気が良さそうだ。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 雲が流れゆくと、時折青空が顔を出す。この天気に後押しされながらスタートだ。
雲が流れゆくと、時折青空が顔を出す。この天気に後押しされながらスタートだ。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 今日の相棒。
夏も冬も、一番使うザック。85L也。

重さなんて測りません。納まればOK。
今日の相棒。 夏も冬も、一番使うザック。85L也。 重さなんて測りません。納まればOK。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 ありがたい、本日の先行者トレース。

テンかな。ホントは登り始めはしっかり道が残っていた。ラッキー!
ありがたい、本日の先行者トレース。 テンかな。ホントは登り始めはしっかり道が残っていた。ラッキー!
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 地蔵頭近くの藪はきれいに埋っており、比較的圧雪で歩きやすい。
地蔵頭近くの藪はきれいに埋っており、比較的圧雪で歩きやすい。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 お日様が射してくると、やる気も上がる。
お日様が射してくると、やる気も上がる。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 尾根に出た。
まずは目指す小遠見山。
こちら側は日差しでキレイだ。
(向こう側はドンヨリだーーー)
尾根に出た。 まずは目指す小遠見山。 こちら側は日差しでキレイだ。 (向こう側はドンヨリだーーー)
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 振り返れば、戸隠、高妻も見えている。そして、八方尾根の向こうに栂池、乗鞍か。
今はとにかく頑張ろう。
振り返れば、戸隠、高妻も見えている。そして、八方尾根の向こうに栂池、乗鞍か。 今はとにかく頑張ろう。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 歩いて来た雪稜を振り返って。
なんだかんだ、楽しい雪稜歩きが続く。
歩いて来た雪稜を振り返って。 なんだかんだ、楽しい雪稜歩きが続く。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 荷は重いがモフモフな雪稜をゆく。
あの上は風が強そうだ、、、
荷は重いがモフモフな雪稜をゆく。 あの上は風が強そうだ、、、
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 楽しいノートレース歩きに。
あのピークに人が沢山いるように見えるが、みんなシラビソです。
楽しいノートレース歩きに。 あのピークに人が沢山いるように見えるが、みんなシラビソです。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 いつものダケカンバ。生きてるね。
雪煙が巻き上がる、やっぱり風強い。
いつものダケカンバ。生きてるね。 雪煙が巻き上がる、やっぱり風強い。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 ちょっとだけでも青空があると、やる気が上がる。小遠見まであと少し。
ちょっとだけでも青空があると、やる気が上がる。小遠見まであと少し。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 雪稜から覗きこむと、雪に踊るダケカンバ。自らの姿形を変えて、自然に耐え抜く生命力。
雪稜から覗きこむと、雪に踊るダケカンバ。自らの姿形を変えて、自然に耐え抜く生命力。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 いつもは凍り付いているが、今日はそれほど寒くないようだ。
いつもは凍り付いているが、今日はそれほど寒くないようだ。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 舞い上がる粉雪が綺麗だ。
こうやって雪山シーズンに身体が慣れていくのか。
舞い上がる粉雪が綺麗だ。 こうやって雪山シーズンに身体が慣れていくのか。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 谷側(白馬村)は好天。煌めく雪。
陽射しがあるのは今のうちだ。
楽しもう。
谷側(白馬村)は好天。煌めく雪。 陽射しがあるのは今のうちだ。 楽しもう。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 山側(後立山)は、小遠見の先、中遠見より向こうは見えない。雪雲、暗雲の中だ。
山側(後立山)は、小遠見の先、中遠見より向こうは見えない。雪雲、暗雲の中だ。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 心地よい青空。
シュカブラに風の強さが伺える。
一人”ワンダフォー”の声。
心地よい青空。 シュカブラに風の強さが伺える。 一人”ワンダフォー”の声。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 小遠見山到着。小休止。
スノーハイキングなら、ここで十分楽しい。
小遠見山到着。小休止。 スノーハイキングなら、ここで十分楽しい。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 小遠見から大町方面、いつも気になる天狗岳。次回はあそこでもいいかもしれない。

ここから、雪雲突入でカメラをザックに納めて、一気に西遠見へ向かう。
小遠見から大町方面、いつも気になる天狗岳。次回はあそこでもいいかもしれない。 ここから、雪雲突入でカメラをザックに納めて、一気に西遠見へ向かう。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 本日の目的地。西遠見山。到着。

遠見尾根の端、この先下って、唐松・五竜の主稜線へ登攀するポイントだ。

まずは、スノーシューで幕営地を踏み固めて、それから、ブーツでもう一度踏み慣らす。
本日の目的地。西遠見山。到着。 遠見尾根の端、この先下って、唐松・五竜の主稜線へ登攀するポイントだ。 まずは、スノーシューで幕営地を踏み固めて、それから、ブーツでもう一度踏み慣らす。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 踏み固めながら、スノーショベルで水平・平坦に造成。27cm幅で作業効率良いショベル。今回このショベルが活躍する。

雪がちらついてきたため、急いで幕営して、荷物・人ともに投げ込むように入り込む。
踏み固めながら、スノーショベルで水平・平坦に造成。27cm幅で作業効率良いショベル。今回このショベルが活躍する。 雪がちらついてきたため、急いで幕営して、荷物・人ともに投げ込むように入り込む。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 テント内で落ち着いたら、水作りしながら一休み。水は2Lほど作成。
ウヰスキーをチビチビはじめながら。
テント内で落ち着いたら、水作りしながら一休み。水は2Lほど作成。 ウヰスキーをチビチビはじめながら。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 溶かした雪は、ごみを濾過。
濡れても破れないペーパー。クックアップ。漏斗はパウチを再利用、これが軽くてちょうど水ボトルに嵌るので、一人でも溢さず便利です('ω')ノ
溶かした雪は、ごみを濾過。 濡れても破れないペーパー。クックアップ。漏斗はパウチを再利用、これが軽くてちょうど水ボトルに嵌るので、一人でも溢さず便利です('ω')ノ
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 本日のディナー。
肉on肉(*´з`)
本日のディナー。 肉on肉(*´з`)
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 雪が止んだようで、一度外へ。
辺りは真っ白け。
テントでぬくぬく過ごそう。
雪が止んだようで、一度外へ。 辺りは真っ白け。 テントでぬくぬく過ごそう。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 今日はステーキ。赤岳鉱泉に負けないボリューム。食べたこと無いけど。

肉2枚ペロリとやってる間に、風が強まり、そして暴風から爆風雪へ。

夕方5時過ぎから強まり始め、少し納まったのが9時ころ。携帯電波があったため、途中自宅へメッセージ送るなど安否連絡しながらやり過ごす。途中、一度外へ出て排雪と雪壁、ショベル握って雪と闘う。

すっかりほろ酔いも醒めた、、、

なんとかテントも無事。寝れるうちに寝ておこうZzz...
今日はステーキ。赤岳鉱泉に負けないボリューム。食べたこと無いけど。 肉2枚ペロリとやってる間に、風が強まり、そして暴風から爆風雪へ。 夕方5時過ぎから強まり始め、少し納まったのが9時ころ。携帯電波があったため、途中自宅へメッセージ送るなど安否連絡しながらやり過ごす。途中、一度外へ出て排雪と雪壁、ショベル握って雪と闘う。 すっかりほろ酔いも醒めた、、、 なんとかテントも無事。寝れるうちに寝ておこうZzz...
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 雪山独特な音の無い世界に、眼を覚ました。

テントから顔を出すと、眼前に、神々しい嶺が聳えており、思わず震い上がった。
雪山独特な音の無い世界に、眼を覚ました。 テントから顔を出すと、眼前に、神々しい嶺が聳えており、思わず震い上がった。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 月夜に浮かぶ、神の峰々。
無心にカメラを構える。
月夜に浮かぶ、神の峰々。 無心にカメラを構える。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 美しすぎる雪稜に心奪われる。
美しすぎる雪稜に心奪われる。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 夜中0時。
シャッター音だけが鳴り響く。
夜中0時。 シャッター音だけが鳴り響く。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 雪と闘った痕跡。
自然には勝てない。勝てるわけがない。
雪と闘った痕跡。 自然には勝てない。勝てるわけがない。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 大自然に、ちっぽけな自分の存在。
大自然に、ちっぽけな自分の存在。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 ここは雲上の世界。
八方尾根の麓に、白馬村夜景。
今日は遠く感じる。
ここは雲上の世界。 八方尾根の麓に、白馬村夜景。 今日は遠く感じる。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 別世界に立っているようだ。
別世界に立っているようだ。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 大自然の時の流れに、次第に心がシンクロしてゆく。
大自然の時の流れに、次第に心がシンクロしてゆく。
鹿島槍ヶ岳・五竜岳(五龍岳)・唐松岳 2020年を締めくくる、想い出に残る山旅になった。神様ありがとう。

凍てつく寒さに夜明けが待ち遠しくなり、テントに引き返した。
2020年を締めくくる、想い出に残る山旅になった。神様ありがとう。 凍てつく寒さに夜明けが待ち遠しくなり、テントに引き返した。

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