琵琶湖に祈りをささげる弔い登山

2020.12.05(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 44
休憩時間
23
距離
11.3 km
のぼり / くだり
1163 / 1164 m
41
1 16
18
12
33
55

活動詳細

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今日は一人で山を歩きたかった。 ゆっくりと、静かに、彼を想いたかった。 金曜日の午後の、突然の訃報。 治療は順調にいってると言っていたのに。 年末にはまた会いに行こうと思っていたのに。 なんで、なんで、と後悔と悲しみが波のように襲ってくる。 弔電や供花の手配とか、事務的なやりとりもたまらなくイヤだった。 静かに、彼の死を悼みたいと思った。 10年近く、仕事を一緒にした。 彼のオファーが転機になって、仕事のフィールドがどんどん広がった。 いろんな国で、いろんな仕事をして、本当に楽しかった。 出張中は毎日一緒に過ごして、いろんな話をした。 いかつい顔で怖そうに見えるけど、実は優しくて面倒見がよく気遣いのある人。 愛妻家で、子煩悩。子供の朝練のお弁当も作ってあげていた。 超がつくほど、いい家庭人。 そんな人をどうして家族から奪うんだ? 山は、琵琶湖が見える場所がいい。 仕事のベースフィールドは滋賀県だったから。 しっかり歩いて、身体を痛めつけたい。 だけど安全な山にしなきゃね。 事故って、日曜日の最後のお別れに行けなくなったら大変。 本来だったら数百人もの参列者がある人だっただろうに。 こんな時期だから、ごく内輪だけの家族葬だって。 楽しく賑やかなことが好きだった人なのに、それも悔しい。 蓬莱山は初めてだったけど、ぴったりの山だった。 コツコツと単調な、長い登り。 すれ違う人はほんの数人。 静かに、心の中でいろんな想い出をかみしめながら、登った。 そのあとに突然開ける、琵琶湖の素晴らしい景観。 命を、人生を、人との出会いの不思議を、何度も何度も想い、 輝く湖水に祈りをささげた。

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