以前より行ってみたかった南アルプス深南部の大無間山は、一人で行くにはリスクが高すぎる場所・・。今回、ヤマッパーのヘンケルス・YAMAさんと、ミッチー30さんにご一緒いただけることになり、心強いメンバーと念願の大無間山を目指して来ました。 今回の大きなテーマは無理をせず安全登山(崩落地自体は大いに危険ですが(笑))。メンバーは皆さん健脚ですが、ペースの遅い私に基準を合わせてもらったため、土曜日は田代登山口からスタートして小無間小屋に宿泊し、日曜日に大無間山まで行って日没前に駐車場に戻る計画となりました。 ■駐車場事情 田代登山口近くの県道沿いにある「てしゃまんくの里」公共駐車場は登山者駐車禁止となっています。このため登山口近くの「諏訪神社」の駐車場を利用することになります。トイレは「てしゃまんくの里」に有ります。 ■登山口~小無間小屋 途中の落ち葉の深いトラバース道では、道と斜面の境界がわからなくて危険ですが、それ以外はさほど危険な箇所は有りません。それなりの急登は何か所かありますが、割と普通の登山道です。ただ、山小屋までは標高差1100mほど有るので、舐めてはかかれません。 ■小無間小屋 静岡市が管理する「ほったて小屋」ですが、思っていたよりもちゃんとした小屋でした。今回はラッキーなことに貸切りでした😁 詳細な様子は写真にコメントしておきます。 ■小無間小屋~崩落地 いわゆる鋸歯と呼ばれる尾根歩きでピークが4つあります。一つずつのピークがしっかり100mくらいあり、それが何度も繰り返されることから無限地獄と呼ばれるようです(笑) ■崩落地 常に小さな落石が発生しており、日々崩落が進んでいるようなので、ここを通過出来なくなる日は遠くないのかも知れません。現場には古いトラロープが2本ほど張ってありましたが、全体重を掛けたら切れそうな劣化ぶりでした。今回は新品のトラックロープ(20m×2本)を持参して、それを新たに張って手掛かりとしました。新品ロープはそのまま寄贈して来ましたが、名前を書いて来るの忘れました(笑) ■崩落地~小無間山 私は今まで80座ほどの山しか登っていませんが、これまでの1、2を争うほどの急登でした。甲武信岳や毛無山(静岡県)が可愛く見えます(笑) 岩登り以外の場所で、手足を使って登り続けるのは久しぶりな気がしました。今回の山行で一番ハードだったのはここです。 ■小無間山~中無間山 小無間山からは稜線を歩くことになるので、そんなに激しい坂はなく基本的に快適に歩けます。が、今回は積雪があったため、慎重に歩かねばならずペースを上げられませんでした。 中無間山から大無間山まで行くのは時間さえあれば難しくありませんが、今回はペースを考慮して下山時間を逆算した結果、ここでUターンする決断をしました。 ■接阻峡温泉 車で帰る道中に有る温泉です。アルカリ性でお肌ツルツル系、ぬるめのお湯でゆっくりと疲れを取ることが出来て良い♨です。入浴料は550円也でした。 ■その他 今回の行程では水場が有りませんので、3.5Lの水を持って登ることになりましたが、結構なウエイトでした(笑) 朝方の小屋内の温度は0℃でした。10月に2℃の大天井岳テント泊で凍えた経験を活かし(笑)、今回の防寒対策は大丈夫でしたが、それなりの装備を持って行かないと寒くて寝られないと思います。 今回、1人では行くことのない深南部に登ることができたのも、ヘンケルス・YAMAさんとミッチー30さんの同行あってのことでした。安全最優先で大無間山のピークには到達できませんでしたが、その判断もまた登山の一つ。2日間を通して、特殊で楽しく貴重な体験をたくさん積むことが出来たと思います。同行のお二方ありがとうございました。 そして必ずリベンジ登山をしたいと思います! 【備忘録】 ・ポカリ・・1000cc ・水(消費量)・・・2000cc ・小屋内の最低気温・・・0℃ ・最低外気温・・・-3℃(小無間小屋) ・ザック重量・・・19kg
「てしゃまんくの里」駐車場は登山者駐車禁止 トイレはここで済ませた
親切にも「てしゃまんくの里」に登山者駐車場の案内があった
「諏訪神社」の駐車場に停める
この階段の少し先に登山口がある
登山届を出すミッチー30さん
登山口よりスタート!
こいつは食べられそう!?
しばらくはこんな感じの植林の中を歩く
リサイクルのテープ 視認性に難有り(笑)
噂の「田中様寄贈」の標識
第一チェックポイントの「雷段」で90度右に曲がる! 真っすぐ行くと谷に降りてしまう・・
中腹より周囲は広葉樹に変わり、落葉で埋まったトラバース道を慎重に進む 左側に滑り落ちるとかなり危ない
南アルプスの3000峰は真っ白! 大無間山は2330mだが雪は大丈夫なんだろうか・・(;^_^
なかなかの急登箇所もある
大無間山には、いたる所にイワカガミの群落地があった 夏に来ると美しそう
小無間小屋直前のピーク(P4)には積雪が・・!
P4から南側を見たところ 右側奥のまっすぐに見えるところは太平洋の水平線で大きな船も見えている
小無間小屋に着いた! 小屋といっても商用施設ではなく、5m四方くらいのほったて小屋
小屋内にはマット類が残置してあり意外と助かる また窓が3方にあるので昼間は結構明るい
午後1時半現在の気温は4℃ 果たして夜はどこまで下がるのか・・
小屋付近を散策していたら、木の隙間から富士山が見るポイントがあった!
小屋にはいろりがあった 焚火マイスターのヘンケルス・YAMA隊長が、拾って来た枯れ木を燃やしてくれて暖を取ることが出来た が、人間が燻製になりそうだったため泣く泣く消火(笑)
昨日慌ててモンベルで買って来た、ダウン フット ウォーマー 今回のベスト オブ グッズ
ビールで乾杯🍻
ミッチー30さん作の山ツマミ レベル高し!
モンベルと日本盛がコラボした大吟醸酒 この熱燗は人生最高に美味くて温かくて、身体というより心に沁みた~
まくら投げはしないでおとなしく寝る
夜8時に富士山の見えるポイントに行ってみたら月明かりに照らされた富士山が見えた! この時間にこの場所にいれて、こんな景色が見られるのは本当にミラクルなこと (シャッタースピート1秒、石の上にカメラを置いて撮影)
おはようございます 朝5時の室温は0℃でございます
2日目の朝食
朝もまた富士山ポイントに行ってみたら、幻想的な富士山が見えた (どんだけ富士山好きやねん(笑))
朝6時25分に小屋に荷物をデポして出発
文字通り鋸歯の様に100mほどのアップダウンを3回繰り返すと崩落地に辿り着くが、地味に体力を消耗する
崩落地手前でミッチー30さんに簡易ハーネスを取り付けるヘンケルス・YAMAさん
メインの崩落地手前も左側が大きく崩れている
いよいよメインの崩落地に到着
崩落地を登るミッチー30さん 登っている途中にも、ひっきり無しに自然の落石が発生していた
崩落地より振り返って見た富士山と奥静岡や安倍奥の山々オールスターズ
崩落地を通過した後の小無間山への急登は、手を使わないと登れないほどきつい坂がかなり続く 今回の山行で一番キツかった場所はここ
小無間山に到着した頃にはしっかりとした積雪が・・・ 今回は3人ともチェーンスパイクは持参せず 新雪なのでチェンスパイク無しでも歩けるが、ペースを上げて歩くことは難しい状況
噂のカッコいい標識!
唐松谷の頭からの素晴らしい眺望 奥の高い山が大無間山だ
中無間山に到着 この地点で1時間の遅れがあり、雪でペースが上がらずこの先も遅れが出ることが予想された 大無間山まで行くと下山時刻が19時近くになりそうであったため、安全を優先してここでUターンする決断を下す
雪を被った左側が聖岳、右が赤石岳 いつかは行くぞ!
小無間山からの急登の下り 雪があるので慎重に歩かねばならない
崩落地を通過した二人
崩落地を慎重に下る私 実は2回ほどズルっときてヒヤっとした・・(^_^;)
サヨナラ小無間山 しかしあらためて見るとすごい規模の崩落地と急登だこと・・
鋸場一峰と書いてある いわゆるピーク1(P1)
小屋への戻りも決して楽ではない
ようやく小無間小屋に着いた!
小屋の裏の水は凍ったまま この時の気温は0℃
小屋の中でデポしていた荷物を詰め込む これは小屋の名物「ネガディブノート」 「つらい・・」「きつい・・」といった台詞がツラツラと書いてある(笑)
落ち葉の積もった急登の下りはスリッピーなので慎重に歩かねばならない
何気に危ない落ち葉のトラバース道を慎重に通過する
熊の爪痕 かなり深いキズ
井川湖が見えてきた もうちょいだ
明るいうちに無事下山!
諏訪神社で無事下山のお礼参りをする
アーベンロートのオクシズの山(山伏、笹山方面)
登山口から車で15分くらいの接阻峡温泉駅 駅前の温泉で汗を流して解散となった 充実の2日間、お疲れ山!