茨川から茶屋川遡行。三筋の滝を越えて御池岳と土倉岳周回

2020.11.29(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 5
休憩時間
49
距離
12.0 km
のぼり / くだり
1046 / 1053 m
5 38
1 21

活動詳細

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君ヶ畑登山者用駐車場8:38―ノタノ坂9:09―茨川廃村9:42―蛇谷出合10:29―11:23三筋の滝11:33―12:06御池岳尾根に取り付き―東のボタンブチ13:52―土倉岳・下降点14:06―土倉岳14:19―ノタノ坂15:12―君ヶ畑登山者用駐車場15:42   2年ぶりに廃村茨川から茶屋川を遡行して三筋の滝、真の谷に向かった。        2年前のレポはhttps://yamap.com/activities/2773457   君ヶ畑手前の蛭谷では地元の方が道路わきの枯葉を集めておられた。ゆっくり通行すると、皆さんがペコリと頭を下げられたが、こちらこそ、お邪魔してすみません。私もペコリ。帰るころには落ち葉がないきれいな道路を通行できました。ありがとうございます。   君ヶ畑の天狗堂への登山者用駐車場はまさかの満杯。君ヶ畑からさらに奥の小又谷登山者用駐車場にも10台くらいの車両が停まっていた。ここからノタノ坂を経由して廃村茨川へ。茨川への登山道には沢山の枯葉が積もっており、今後に通る人のために枯葉をラッセルして歩いたが、上部に積もっていた枯葉が落ちてきて、あまり効果がなさそうだった。   茨川への降りるところはわかりにくかったが、急斜面を適当に降りて河原に着いた。茨川の集落跡には、以前はなかったのだが、林業用に開いたと思われる車道が集落跡の先まで延びていた。ここまでの荒れた林道を懸念して君ヶ畑から1時間かけて越えて来たが、これなら、直接、茨川まで自動車で乗り付けても良さそうだ。旧集落の先には自家用車で入ってキャンプされている方も居られた。今、流行ですよね。   車道は、渡渉することなしで行けるので便利。林業される方には必要なんだろうけど、秘境感がなくなってなんかつまらないなと思った。でも、林道が終わると何度となく渡渉の連続で十分に堪能した。蛇谷出合は、藤原岳からの下山道。ここから大きく左に折れると、もう、マークは全くないし、踏み跡もない。きれいな渓谷をジャンプしながら、渡渉して進む。ドローンを飛ばしたりしていたので、時間がかかったが、行き止まりのところに三筋の滝。水量はほどほどで、結構な音を立てていた。ここまで、砂地に時折、足跡があったので、どなたか先行者があったみたい。ここでもドローンを飛ばして遊んでから滝の左にそそり立つ壁を登ろうと準備していると、突然に若いカメラマンがやって来た。後続の方がいるとは全く知らずに、後ろ向きの姿勢でいたときに、急に気配を感じたのでビクッとした。ああ、おどろいた。ヒトでよかった。やっぱり、ここまで来る物好き(失礼しました!)がいらっしゃるのね。三脚をたてて撮影に入られた。   私はヘルメットを被って、ゴルジュハンマーを取り出して、ストックを仕舞った。今回のコースの第1関門はこの滝の登り。高巻きというよりは、土の壁のように立ちはだかる斜面を、恐らく下降用に設置されたロープを頼りに登る。その先の遡行も高巻きもあるが、今回の第2関門は御池岳のテーブルランドへ登山道のない尾根の登りになる。予想できない事態も予想されるので、ロープやエイト環、アッセンダーも持参している。本当は真の谷を最後まで詰めて、御池岳のピークまで行ければよいのだけど、時間的に厳しいので、今回は12時を過ぎた時点で、登れる尾根を探して御池岳もしくは土倉(はぜくら)岳に登って戻る予定にした。   まず、三筋の滝の左斜面。下から見ると屏風のようにそそり立つ。ここを登るのか。2年前に登った印象はもう少し緩やかだったが、いい加減な記憶だったみたい。これはシビアだ。まず、苔の着いた古いが太いロープを使って中腹まで登る。地面は土と小石のミックスで崩れやすい。ここまでは大丈夫。次に右にトラバースして、細めのロープをつかむ。ゴルジュハンマーのピックを刺して支点にしたいが、土が緩くて効かない。ロープは2年前にもあったロープ以外に、新しいロープも併せて設置されていた。このロープはどんな方が残していただいたのだろう。私のように今後来るであろう物好きのために残されたのか、回収自体が困難なため、そのままにされたのだろうか。   土の急斜面には大量の枯葉が溜まっているのでゴルジュハンマーで払い落とす。下のカメラマンには、不本意ながら石が落ちるかもしれないと言っておいたが、ここは枯葉と土しかない。前回に登った土の急斜面は、緩くて足元から崩れてとても登れそうにないので、その横の岩場でロープのお世話になる。土の斜面を避けてハング気味の岩場をこえるのだが、ロープにループがつけられていたので、ここに足を入れ、一気に登って乗り越える。このループがなければ、登れなかっただろう。登りきって、右に枯葉の踏み跡を慎重に下りると滝の上部に出た。ロープは大きな木にくくられており、しっかりしているので、まだ、当分使えそうだが、できれば、この壁は登りたくない。早めに左斜面から高巻きする方が良さそうだ。   この先は、動物の足跡は少しあるものの、人の踏み跡は見つからなかった。ルートファインディングを楽しみながら、遡行すると、前回のレポでカバー写真にした滝が現れた。ソロで登るには危険性があり、前回は戻って右から大きく高巻きしたのだが、今回は時間も押しているので、ここから左の斜面を登り、御池岳のテーブルランドを目指すことにした。ヤマレコでは、もう少し北からテーブルランドに登られたドットが尾根についているが、今回はもう少し南の尾根。ヤマレコでは登られたドットはついてない。でも、明瞭な尾根で、葉の落ちた今の季節であれば木々はまばらでブッシュで困ることはなさそうである。とりつきは急斜面であるが、安全なところを見つけてゴルジュハンマーのピックを差し込んで登る。三筋の滝とは違って、ピックはしっかり刺さり、支点となって登ることができる。それでも、土と枯葉の急斜面は崩れるところも多く、折れた灌木も支えにはならない。岩場も、浮石が多数あり、誰も下から来ないとはいえ、落石させて万一のことがあればいけないので、細心の注意を払う。立ち木だけが安心して持てる場所であり、木を掴んで荒れた呼吸を整える。急斜面が続き、つい、斜度の少ないトラバースがしたくなる。少し、トラバースしてみるが、緩い土の斜面は足場が悪く、結局、直登する方が安全だった。   一息ついたところで、首から下げたカメラがないことに気が付いた。綿向山の登山道から沢に落として、懸垂下降して回収したオリンパスのTG-5。必死で登っている際に切れ落ちたようで、少し下降して探したが見つからない。これ以上、下降するのは危険だし、ここから登山道に着くまでどのくらい時間を要するか読めない状態、もうあきらめるしかなかった。   再び登りだして、左上部から合流した尾根まで達すると、そのさらに左に土倉岳の稜線が見えてくる。手が届くようだが、そこまでは急斜面をひたすらトラバースして谷を一つ越えなければいけない。そちらから登山者の声も聞こえてくるし、正面のテーブルランドは圧倒的に高く、急斜面であるので、また懲りずにトラバースする誘惑にかられる。しかし、土の斜面をずり落ちるようなことは避けねばならない。尾根芯を外さないように、突き刺したピックを頼りに、時折、四つん這いになりながら登っていると、キーンとシカが鳴いている。私は招かざる不審者なのだろう。傾斜の緩いところにはシカのマーブルチョコレートが多数、転がっている。右の急斜面でシカが落としたと思われる落石が続き、岩がゴツンっと音を立てて、木々に当たりながら落ちていく。自分がトラバースして、こんな落石に遭えば・・・と考えると恐ろしい。やはり、尾根芯を登るしかない。改めてそう思う。   左に見える土倉岳への登山道で標高を確認しながら、急登を慎重に行くと岩が大きくなり、比較的安定してきた。その上にテーブルランドのスカイラインが見えてきた。ここまでくればトラバースしたい誘惑はなくなり、ひたすら少しでも登りやすそうなルートを探しながら一直線で尾根を登った。相変わらず、木を掴んで呼吸を整え、傾斜が緩むとテーブルランドに到達した。14時の少し前。これで暗くならないうちに駐車場まで帰れそうだ。草原の踏み跡を歩きながら、安堵感に浸る。ゴルジュハンマーのおかげで、安全に登ることができた。これがなければ、かなり、きわどかったと思う。   テーブルランドから土倉岳への稜線は、予想通り風が強かったが、快適な尾根であった。ここは何度も通った登山道。整備された登山道のありがたみを噛みしめ、左に見える藤原岳を眺めつつ、ノタノ坂まで下りた。樹林帯で、すでに日が当たらないところは、かなり暗かった。さすがに暗くなるのが早いなあ。この時間帯に帰ってこられてよかった。駐車場には15時40分過ぎに到着。子供らに約束した時間までに帰宅できました。   カメラは残念だが、行きにくい場所だけに回収できないだろう。しかも、ドローン撮影したはずが、SDカードの接続不良で録画できてなかった。なんと大失敗😩。でも、茨川には行きやすくなったみたいなので、また、三筋の滝までは行ってみたい。 小又谷登山者用駐車場ーノタノ坂:   おなじみの川を渡る箇所、靴が濡れる水量があったので走りました。 ノタノ坂ー茨川:   集落跡に降りる直前のみ、わかりにくい。無理やり、急斜面を降りました。 茨川ー三筋の滝:   茨川集落跡から暫く、林業用道路が延びています。その先は目印、踏み跡なしですが、川を遡行すれば、藤原岳への登山道(蛇谷出合)に着きます。そのあとは、川を遡行します。 三筋の滝以降:    滝の左の斜面には残置ロープがあり、かなりしっかりしていますが、地面が緩く、かなりの急斜面なので危険度大。滝の上は遡行できますが、左右の急斜面からの落石に注意。急斜面の高巻きが必要な個所もあります。御池岳への登りは、斜度が強く、地盤も緩く、浮岩もありますので、要注意です。

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