天狗棚山から長峰・夜の国道139号線

2020.11.28(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 27
休憩時間
1 時間 11
距離
18.9 km
のぼり / くだり
1034 / 2133 m
1 25
3 1
8
43
2 11
12
22

活動詳細

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大菩薩嶺に至る最短ルート、唐松尾根への起点である上日川峠は、中央本線甲斐大和駅からバスに乗れば運んで呉れる処なので、ものすごく楽である。ものすごく楽であるので、ハイカーたちでごったがえすバスでもある。 その、栄和交通バス大菩薩上日川峠線の運行も12月13日まで。バスが動いている間に、大菩薩周辺のピークを歩きたいと云うKZ氏。今回の行程は、石丸峠から牛ノ寝通りに入り、間も無く南東方向に分岐して延びる、長峰と呼ばれる尾根を歩くことになった。 日照時間が短い今日この頃であるので、栄和交通のお世話にならざるを得ない。混み合うバスは、できれば敬遠したいところだが、止むを得ない。

大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 大菩薩峠への近道、栄和交通バス大菩薩上日川峠線。大混雑必至なので、発車の一時間前に甲斐大和駅に到着した。

閑散とした駅を出て、公衆トイレに向かうと、山梨県警山岳遭難救助隊の面々がずらり。登山届けの提出を呼び掛けるための出動らしい。

NHK山梨の撮影クルーも居て、KZ氏が取材を受ける。

7時39分発の松本行きが到着すると、続々とハイカーが降りてきた。山梨県警の、特設登山届け提出所に皆が面食らい、バス乗り場はやや騒然となる。

満席となり、バスは定刻より20分ほど早く出発した。おそらく、二台目のバスが定時に発車するものと思われる。
大菩薩峠への近道、栄和交通バス大菩薩上日川峠線。大混雑必至なので、発車の一時間前に甲斐大和駅に到着した。 閑散とした駅を出て、公衆トイレに向かうと、山梨県警山岳遭難救助隊の面々がずらり。登山届けの提出を呼び掛けるための出動らしい。 NHK山梨の撮影クルーも居て、KZ氏が取材を受ける。 7時39分発の松本行きが到着すると、続々とハイカーが降りてきた。山梨県警の、特設登山届け提出所に皆が面食らい、バス乗り場はやや騒然となる。 満席となり、バスは定刻より20分ほど早く出発した。おそらく、二台目のバスが定時に発車するものと思われる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 終点のひとつ前。小屋平バス停で下車。降りたのは我々と、それぞれ単独行の男女。山の陰で日が射さず、ものすごく寒いので、早々に出発する。
終点のひとつ前。小屋平バス停で下車。降りたのは我々と、それぞれ単独行の男女。山の陰で日が射さず、ものすごく寒いので、早々に出発する。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 木段の急登だが、黙々と登る。やがて樹間越しに大菩薩湖。好天の青空は嬉しいが、我々の踏路は未だ暗くて寒い。
木段の急登だが、黙々と登る。やがて樹間越しに大菩薩湖。好天の青空は嬉しいが、我々の踏路は未だ暗くて寒い。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 明るい林道に出る。熊沢山から延びる南西尾根から、石丸峠に続く登山道が始まるのだが…。
明るい林道に出る。熊沢山から延びる南西尾根から、石丸峠に続く登山道が始まるのだが…。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 林道の先に、天狗棚山への手製道標を発見。登山地図には無いルートがあるものと思われ、急遽進路変更を決断。富士山を眺めながら、快適な林道歩きとなった。
林道の先に、天狗棚山への手製道標を発見。登山地図には無いルートがあるものと思われ、急遽進路変更を決断。富士山を眺めながら、快適な林道歩きとなった。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 正面に、熊沢山の南面と、石丸峠の笹原が現われる。
正面に、熊沢山の南面と、石丸峠の笹原が現われる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 林道終点に到着するも、天狗棚山への指標は無し。笹原の斜面を、獣道と思しき踏み跡を辿って登ることになった。

結局バリエーションルートか、とKZ氏とふたりで笑う。
林道終点に到着するも、天狗棚山への指標は無し。笹原の斜面を、獣道と思しき踏み跡を辿って登ることになった。 結局バリエーションルートか、とKZ氏とふたりで笑う。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 石丸沢を窺いつつ、尾根の盛り上がりを頼りに登り続ける。
石丸沢を窺いつつ、尾根の盛り上がりを頼りに登り続ける。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 石丸峠が直ぐ其処にありそうな位置まで登ってきた。笹原は浅いので、それほど難渋ということも無い。景色が広がり、気分は良い。
石丸峠が直ぐ其処にありそうな位置まで登ってきた。笹原は浅いので、それほど難渋ということも無い。景色が広がり、気分は良い。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 大菩薩湖と甲州の山々を望む良景となる。
大菩薩湖と甲州の山々を望む良景となる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 南方向に小金沢山。裾は狼平の笹原。
南方向に小金沢山。裾は狼平の笹原。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 笹尾根の途上で立ち止まり、何度も広がる景色を振り返りつつ登っていく。
笹尾根の途上で立ち止まり、何度も広がる景色を振り返りつつ登っていく。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 小金沢連嶺の縦走路に到達。甲州アルプスという新名称は違和感を禁じえないので使わない。

甲斐郡内東部の山々を望みつつ北上すると…。
小金沢連嶺の縦走路に到達。甲州アルプスという新名称は違和感を禁じえないので使わない。 甲斐郡内東部の山々を望みつつ北上すると…。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 縦走路の途上にあるような、特徴の無いピーク、天狗棚山に登頂。
縦走路の途上にあるような、特徴の無いピーク、天狗棚山に登頂。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 天狗棚山の北面を下ると、間も無く牛ノ寝通り分岐点。ここに昔、小屋があったんだよとKZ氏。残骸が東側斜面に残っている。
天狗棚山の北面を下ると、間も無く牛ノ寝通り分岐点。ここに昔、小屋があったんだよとKZ氏。残骸が東側斜面に残っている。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 上空には気になる黒雲。しかし、彼方には奥多摩の山々が遠望できるようになった。よく見ると、奥多摩三山がずらりと並んでいる。
上空には気になる黒雲。しかし、彼方には奥多摩の山々が遠望できるようになった。よく見ると、奥多摩三山がずらりと並んでいる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 市町村界の尾根を探索する寄り道を経て、長峰(ながね)分岐点に到着。立派な道標には通行注意の記載。

十年前の昭文社、山と高原地図には、赤破線も無かった尾根道である。
市町村界の尾根を探索する寄り道を経て、長峰(ながね)分岐点に到着。立派な道標には通行注意の記載。 十年前の昭文社、山と高原地図には、赤破線も無かった尾根道である。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 長峰は、牛ノ寝通りに収斂する箇所が急勾配で、苦心して下る。その後は穏やかな傾斜が続き、途上で昼食休憩とする。

カップ麺を食し、のんびりする。あとは下るだけ、というような安穏な考えであったが…。
長峰は、牛ノ寝通りに収斂する箇所が急勾配で、苦心して下る。その後は穏やかな傾斜が続き、途上で昼食休憩とする。 カップ麺を食し、のんびりする。あとは下るだけ、というような安穏な考えであったが…。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 その名の通り、長い尾根は、歩けども歩けども終わらない。白草ノ頭まで、幾つもの小ピークを越えていく。標高差は余り無いので、所々に気持ちのよい平坦な尾根が現われる。

右側には、ついこの前歩いた大峠と雁ヶ腹摺山が、いつまでも視界から消えない。左方には、樹林から奥多摩方面が垣間見える。

気持ちのよい尾根歩きだが、午後の陽差しの弱々しさに、この先の行程を勘案して、少し心細くなってくる。
その名の通り、長い尾根は、歩けども歩けども終わらない。白草ノ頭まで、幾つもの小ピークを越えていく。標高差は余り無いので、所々に気持ちのよい平坦な尾根が現われる。 右側には、ついこの前歩いた大峠と雁ヶ腹摺山が、いつまでも視界から消えない。左方には、樹林から奥多摩方面が垣間見える。 気持ちのよい尾根歩きだが、午後の陽差しの弱々しさに、この先の行程を勘案して、少し心細くなってくる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 休憩時間を加えて、白草ノ頭に到着まで、分岐から二時間余り掛かった。

白草ノ頭は、樹林で眺望も無く、名前のイメージとは程遠い山頂だった。

在るはずの三角点も見つからない。少しの休憩で下山に掛かることにした。
休憩時間を加えて、白草ノ頭に到着まで、分岐から二時間余り掛かった。 白草ノ頭は、樹林で眺望も無く、名前のイメージとは程遠い山頂だった。 在るはずの三角点も見つからない。少しの休憩で下山に掛かることにした。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 青空は明るいが、樹林を照らす斜光は、徐々に色温度の低下を示唆している。
青空は明るいが、樹林を照らす斜光は、徐々に色温度の低下を示唆している。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 同じような風景を眺めて、同じような瘤を越えたり捲いたりして、標高点1268mの、カケツネノ頭に到着。

長峰は未だまだ終わらない。
同じような風景を眺めて、同じような瘤を越えたり捲いたりして、標高点1268mの、カケツネノ頭に到着。 長峰は未だまだ終わらない。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 踏路は北面トラバースとなり、左側に松姫湖を垣間見ながら陽影の斜面を辿る。

牛ノ寝通りの対岸の尾根を、延々と歩いているというのが実感できる。
踏路は北面トラバースとなり、左側に松姫湖を垣間見ながら陽影の斜面を辿る。 牛ノ寝通りの対岸の尾根を、延々と歩いているというのが実感できる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 尾根に復帰すると、ようやく最後のピーク、標高939.6mのトチ平に達した。
尾根に復帰すると、ようやく最後のピーク、標高939.6mのトチ平に達した。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 三角点の柱石に、午後三時の斜光が差し込む。長峰とはここでお別れ。等高線が示す険しい北面の斜面を、下ることになる。
三角点の柱石に、午後三時の斜光が差し込む。長峰とはここでお別れ。等高線が示す険しい北面の斜面を、下ることになる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 奈良倉山から松姫峠に至る山稜を見ながら、最後の陽差しに照らされて、いよいよ急勾配を下っていくことになる。
奈良倉山から松姫峠に至る山稜を見ながら、最後の陽差しに照らされて、いよいよ急勾配を下っていくことになる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 想定以上の激しい勾配。落葉の敷きつめる斜面は滑りやすく、木々に摑まりながら下っていく。

KZ氏は軽アイゼンを装着。私はラッセル後の枯葉の斜面を辿って下る。
想定以上の激しい勾配。落葉の敷きつめる斜面は滑りやすく、木々に摑まりながら下っていく。 KZ氏は軽アイゼンを装着。私はラッセル後の枯葉の斜面を辿って下る。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 標高710mまで下ると、作業道が横切っていた。尾根の先は断崖。左右どちらかに進路を変えなければならない。

左手に様子を窺いに行くと、直ぐに斜面が崩落していて、通行不能であった。斜面の底に、葛野(かずの)川に合流していく土室川と林道が見える。眩暈がしそうなくらいの高度感だった。

そう云う訳で、右手に進路を取り、最後の下りに掛かることになった。
標高710mまで下ると、作業道が横切っていた。尾根の先は断崖。左右どちらかに進路を変えなければならない。 左手に様子を窺いに行くと、直ぐに斜面が崩落していて、通行不能であった。斜面の底に、葛野(かずの)川に合流していく土室川と林道が見える。眩暈がしそうなくらいの高度感だった。 そう云う訳で、右手に進路を取り、最後の下りに掛かることになった。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 トラバース道は徐々にか細くなり、とうとうKZ氏のお助けロープまで登場。斜面も急だが、枯葉が厄介な踏路であった。
トラバース道は徐々にか細くなり、とうとうKZ氏のお助けロープまで登場。斜面も急だが、枯葉が厄介な踏路であった。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 最後の難所を通過して、無事下山。林道が土室川を渡ると、其処は国道139号線。静岡の富士市から、奥多摩湖まで続いている重要道路である。

山峡の底から見上げると、夕陽に照らされた松姫峠の白いガードレールが光っていた。
最後の難所を通過して、無事下山。林道が土室川を渡ると、其処は国道139号線。静岡の富士市から、奥多摩湖まで続いている重要道路である。 山峡の底から見上げると、夕陽に照らされた松姫峠の白いガードレールが光っていた。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 長峰のロングランが終わり、帰途に向かいたいが、富士急バスの停留所まで、国道を歩かなければならない。深城隧道の歩道を、恐る恐る通過する。
長峰のロングランが終わり、帰途に向かいたいが、富士急バスの停留所まで、国道を歩かなければならない。深城隧道の歩道を、恐る恐る通過する。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 隧道を抜けると、其処はシオジの森&ふかしろ湖。深城ダムによる人造湖である。

ダム管理棟附近に「深城ダム」バス停。しかし、小菅の湯からのバスは既に終了していることは確認済みである。

隣の「竹の向」バス停始発の17時20分発に乗車するのは想定内であった。そして、ひと区間の歩きだなと思って時刻表を見て、愕然となる。

あてにしていたバスは、土日運休であった。次のバスは最終便の猿橋駅行き。一時間後である。

観念して歩き出し、深城ダムの全景を見る箇所で小休止。山陰に陽は落ちて、午後四時半なのに、周囲はもう暗くなってきた。
隧道を抜けると、其処はシオジの森&ふかしろ湖。深城ダムによる人造湖である。 ダム管理棟附近に「深城ダム」バス停。しかし、小菅の湯からのバスは既に終了していることは確認済みである。 隣の「竹の向」バス停始発の17時20分発に乗車するのは想定内であった。そして、ひと区間の歩きだなと思って時刻表を見て、愕然となる。 あてにしていたバスは、土日運休であった。次のバスは最終便の猿橋駅行き。一時間後である。 観念して歩き出し、深城ダムの全景を見る箇所で小休止。山陰に陽は落ちて、午後四時半なのに、周囲はもう暗くなってきた。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 山間の国道139号を、とぼとぼと歩く。佐野峠辺りの山陰から、満月に近い月が、煌々と光って昇ってきた。

竹の向に着いた時刻は、ちょうどあてにしていたバスの時刻だった。ふたりで嘆息する。

新竹の向橋、下平、上和田、中風呂、小寺と、バス停を累計七つぶん、困憊しながら歩き続けた。

外灯で明るい箇所に、片仮名表記で謎の集落名「オモレ」バス停が在った。精根尽き果て、此処でバスを待つことになった。

KZ氏と四方山話に興じながら、そして寒さに耐えながら、三十分の待ち時間であった。

待望の終バスは、もちろん乗客ゼロで発車。換気の所為もあり、車内は暖かくないが、暗闇の国道歩きから開放された身にとって、地獄に仏のバスである。

猿橋駅から電車に乗り、立川で途中下車。KZ氏と渾身の乾杯をして、打ち上げとなった。
山間の国道139号を、とぼとぼと歩く。佐野峠辺りの山陰から、満月に近い月が、煌々と光って昇ってきた。 竹の向に着いた時刻は、ちょうどあてにしていたバスの時刻だった。ふたりで嘆息する。 新竹の向橋、下平、上和田、中風呂、小寺と、バス停を累計七つぶん、困憊しながら歩き続けた。 外灯で明るい箇所に、片仮名表記で謎の集落名「オモレ」バス停が在った。精根尽き果て、此処でバスを待つことになった。 KZ氏と四方山話に興じながら、そして寒さに耐えながら、三十分の待ち時間であった。 待望の終バスは、もちろん乗客ゼロで発車。換気の所為もあり、車内は暖かくないが、暗闇の国道歩きから開放された身にとって、地獄に仏のバスである。 猿橋駅から電車に乗り、立川で途中下車。KZ氏と渾身の乾杯をして、打ち上げとなった。

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