一足先に厳冬を体験(沓掛山・天狗ヶ城・中岳)

2020.11.28(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
2 時間 8
休憩時間
33
距離
4.8 km
のぼり / くだり
543 / 91 m
1 11
6

活動詳細

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最初にお断りしておく。スマホのバッテリー残量がある理由で厳しくなったので、中岳手前からは電源落とした。なので、記録としてはおかしいものになってしまった。  先週の親父―障子岳で連続10週の山行だった。歌謡選手権、クイズ王の勝ち抜き戦ではないが、11週連続で登るか正直迷った。ここまで来るともう「山中毒」状態だ。一回くらい休もうか…と思ったが、気がついたら準備していた。これはもう本当の中毒だ。 前夜、9ヶ月ぶりに知人と呑んで二日酔いで頭が痛い。「何でここまでして登るんだろう」と我ながら呆れてハンドルを握る。今日は3年ぶりに長者原(ちょうじゃばる)から坊がツル、30年近くぶりに平治(ひじ)岳に登る予定だった。いつもの相棒は奥さんとデートなので、今日はソロ。 瀬の本高原でトイレを済ませて、牧の峠を駆け上がる。すると…途中で白いものが見えた。ん?!霧氷か…霧氷は全く期待していなかった。長者原からだと樹林帯を抜けてそれから坊がツル~大戸越(うとんごし)までは結構時間がかかる。気がつけば、牧の戸駐車場に車を入れていた。ここからは白いものは見えないが、恐らく沓掛(くつかけ)まで行けば見えるだろう。雪が心配だったのでアイゼンをザックにつっ込んだ。 予想通り沓掛に着いたら白い世界。素晴らしい。九重で霧氷を見たのはもう20年以上前。いつか見たいと思っていた。思わぬプレゼントに寒いが頬が弛む。あの時は、雪が積もっていて樹氷が美しく、今でもその光景を思い出すことができる。雪が積もっていればと期待したが、道には分厚い霜柱だけ。まあ、贅沢は言いまい。  高度が上がるにつれて、白の世界が鮮やかになってきた。あいにくのガスだが、それでも美しい。星生(ほっしょう)別れの平坦地で風が強くなってきた。予報では12、3メートルの強風。風速1メートルで体感気温が1度下がるから寒さとの闘いになりそうだ。防寒準備はそこそこやってきたので、大丈夫だとは思うが…  急遽、牧の戸から登ることにしたので、コースは決めていない、行き当たりばったりの山行だから、どこか気が抜けていたのだろう、やってしまった。スマホのバッテリーを繋ぐコードの調子が悪い方を持ってきてしまった。寒いので消耗早い。すでに60%になっている。色々試すがチャージしない。ピークハントを済ませるまでもたせないといけない。今のうちに写真を撮っておくか。  コースは天狗ヶ城経由の中岳に決めた。黙々と歩く。寒いので止まると身体が冷える。久住分かれをそのまま通過して一気に天狗を目指した。風とガスがますます酷くなってきた。硫黄山からの風なので臭いが強い。誰もいないと思っていたら、下山する人と2、3人出会った。互いに「好きですね」という表情を浮かべて挨拶する。  天狗ヶ城の急登でさらに風が強くなってきた。上っ張りがパタパタとはためく。頂上に着くとさらに強くなった。15メートル以上あるのではないだろうか。標識の写真を撮ってそそくさと下りた。  ガスのすき間に時折中岳が姿を見せてくれる。モチベーションが高まる。帰りの電源を確保したいので何度も電源を落す。強風と寒さに耐えながら何とかよじ登り、到着。九州本土の最高峰だけあって、霧氷が分厚い。  下山開始。登ってくる二人の登山者と立ち話。気温を訊くと、マイナス2度少し。体感温度はマイナス10℃超え。下界より一足先に厳冬の中に身を置いていることを実感する。  帰りは御池経由。次第にガスが晴れてきた…もう少し早く晴れてくれればと思うが、それも山の自然。ガスが晴れて山肌に霧氷を纏った峰々がさらに美しいが、電源は10%近いので写真は撮れない。目に焼き付けておこう。  久住分かれで早いが山飯。すると…バーナーとガスを結ぶ部品がない!えっ?前回登って帰ってきてからはいじっていないから、前週の障子岳に忘れてきたのか…寒い身体を温めるカップヌードルが食べられない。少々、ショック。冷たいおにぎりを頬張るが、冷たくて全く味がしない。山でのお楽しみが…しかし、この見事な光景はその失敗をカバーするに余りある。  沓掛から最後の下りで三俣(みまた)山が薄化粧しているのが見えた。これからいよいよ久住は冬支度に入るんだろう。今度は、新雪をキュッキュッと鳴らしながら樹氷が見られるかもしれない。楽しみだ。  期待していなかった分、感動が大きかった山行になった。

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