障子岩(前障子岩)

2020.11.21(土) 日帰り

活動データ

タイム

07:01

距離

9.3km

のぼり

1249m

くだり

1249m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 1
休憩時間
2 時間 28
距離
9.3 km
のぼり / くだり
1249 / 1249 m
27
2 41
15

活動詳細

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今回は祖母傾全縦走をしようとしてました。 行ければ1DAY、ちょっと遅かったら一泊二日、最悪でも二泊三日という考えで、登りました。 だが、その思い叶わず…何故なら、自分の山行の中での最も恐怖した日になったからです。 ここにはそれを記していこうと思います。 登山口は健男社から。ここからの登りはキツく、寝不足のせいか、いつもよりもふくらはぎの疲れが酷く感じた。 こういう時は過剰に休憩を入れ、身体を慣らして行くのが自分のセオリー(休憩したいが故の口実)、30分に1回ぐらいのペースで休憩し、少しづつ進む。 暗闇と落葉により道は不明瞭だが、目標のリボンと、YAMAPと微かな踏み跡(らしき跡)で道迷いは無い。夜は得意だ。 前障子岩に近づくにつれ、多少胸焼けを感じてきた。仕事終わりで寝ずに登っているせいか…いつもはこんな事無いのだが… まあ、無理せず行こう、どの道3日間の猶予はあるのだから。そう自分を励ましながら、一つ目の目的地、前障子岩についた。 障子岩というだけあり、落ちたら死ぬだろうという事が暗闇の中でもよくわかる。 ここまで3時間…1DAYは難しいかな…だがまだまだ圏内、先に進もう。と意気込み、登ってきた岩場を戻り、次の大障子岩を目指す。 進むにつれ、胸焼けから吐き気に変わっていくのを察し、少し座り休憩を取る。 「このままじゃ祖母小屋で一回寝た方が良いな…その場合、小屋に到着する時刻と起きる時刻、日没には次の小屋に…」などを色々考えながら、身体を落ち着かせ、前に進もうとしたその瞬間、何か違和感…いや、嫌な感じがした。 「これはなんだ?なんだこの感じ…恐怖…?」 今まで色んな意味で危ない山行をしてきたが、その時でもこの感覚は味わった事が無い。 様々山行で死の恐怖を感じが、その比じゃない。 ネコとトラぐらいの違いがある。 逃げなきゃいけない、早く戻らなければという思いで脳みそが破裂しそうだった。 今までのように立ち向かえない程の恐怖。大障子岩まで行って道路を歩いて戻る事も考えだが、この先に進むのは無理…身体は勝手に来た道を戻っていた。 焦ってる自分がわかる。こんな自分は初めてだ。 「早く下山しないとなんかヤバい、何がヤバいかわからないけど、とりあえずなんかヤバい!!逃げなきゃ!何から?わからないけど逃げなきゃ!!」 焦りながらも、それを自覚してるが故に、自分が精神病なのではないかも疑った。最低限の冷静さは保っており、確実に一歩一歩、早歩きで、安全に、を意識していた。 思い返せば、様々な虫の知らせがあった事に気付いた。 ・轢かれた動物(多分タヌキ) ・突然の耳鳴り ・登山口にいたムカデ ・やたらと静かに目が合う野生動物 今まではこんなの「力こそパワーだ!」で押し切ったが、今回は精神干渉までしてきている。 只事ではない。俺史上初なのだ。 だからこそ足早に下山していたのだが、下っている中で、また更に違和感、既視感を覚える。 「ここ、さっきの木の生え方と似てる様な…」 慌ててYAMAPで現在地を確認した。精密ハイスピード下山していた…確実に時間分の距離を下っていた筈だった…なのに… 「登っている…『下っていた』筈なのに『登っている』…いつ入れ替わった!?どこで反転した!?え?怖い?何が起こった?幻術?え?なにこれ(笑)怖すぎて泣きそうだし吐きそう…ヤバい…閉じ込められた…」 漫画やゲームでよくある抜け出せない迷いの森みたいな状態、進んでも戻される、こんな事は初めてだったので気が動転していた。立ち入ってはならない領域に入ってしまった感が否めない。 ここに居てはまずいと本能が叫び散らしていた。 だがこういう時こそ冷静に、立ち止まり、Twitterを開く(現代っ子)。その場に座り、恐怖心を吐き出し落ち着いた。生身の他人と関われてるという事が、これほど落ち着けるものだという事を実感した。そしてそのままTwitter見ながら日の出を待った。(怪異系は日光に弱いだろうという安直な発想) 陽が昇り、また下山を開始した。 ここからはスムーズに下山でき、駐車場に辿り着いた時には安堵感でおしっこ漏れそうだった。(漏らしてない) 登山口にある健男社が守ってくれたのであろうと決めつけ、最後に健男社にお礼(お参り)をしにいく。 健男社の神様から、「祖母傾山系なめんなよ?」と言われた気がした。ありがとうございます。ぶっちゃけ祖母傾の山域は色んな意味で苦手です(笑) 今回の教訓は ・ヤバいと思ったら行くな ・自分を信じろ です。 身の丈以下の山でも、不慮の事故というのは起こり得ます。油断や慢心せずに楽しく山を登りましょう!今回は無事生還出来たので良かったです! あの戻された事に気づいた瞬間は生きた心地がしなかった…

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