まゆみの木々の塔ノ岳

大倉登山口でバスを降りると朝の光が登山届ポストの前に置かれた紅葉した箒草に注がれ、私はシャツ一枚になり大倉尾根を登り始めた。 塔ノ岳山頂へ着く頃になると太陽は何処かへいなくなり、真冬の空気が登山者の回りを覆っていた。 下山を始めると赤色の種子をぶら下げたマユミの木があそこにも、あっ、ここにもマユミ、またマユミ 今の今まで大倉尾根にこんなにもマユミの木があることを知りませんでした。 そして、いつしか私はマユミの木を探しまわっていた。