最後の親子登山(大菩薩嶺)

2020.11.14(土) 日帰り
shu-5
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活動データ

タイム

06:19

距離

7.6km

上り

628m

下り

629m

活動詳細

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「兄貴と最後に登った山なんだよな…」 大菩薩の話になった時、親父がボソッと呟いた。 叔父(親父の兄貴)は10年以上前に他界している。 働きながら親父を大学に通わせていたとは思えないような、酒と競馬と温泉をこよなく愛する豪放磊落な人だった。 間もなく83歳になる親父とは、アレ以来、40年以上一緒に山に登っていない。 だが、さすがにもう、一緒に登るのは無理だろう。 80歳を過ぎた老人を連れて山に登るより、5歳の幼児を連れて登る方が遥かに容易だ。 幼児なら何かあっても抱きかかえて降りれば良いが、老人ではそうもいかない。 そのくらいのことは分かる。だから、親父の呟きは黙って聞き流した。 だが、何かが脳裏に引っかかって離れない。 親父はそう遠くない未来にいなくなる。その時に俺は後悔しないと言えるだろうか。 気分転換に部屋を片付けていると、どこからともなく一冊の本が出てきた。 初心者向けのトレッキング入門だ。こんな本買ったか?と記憶を手繰る。 かすかな記憶が蘇る。15年位前だ。親父がまだ元気なうちに、もう一度白馬に登ることを夢見て買ったんだっけ… でも、山に登る勇気も、親父を誘う勇気も出ず、そのまましまい込んでいたんだっけな。 結局、いつの間にか親父は白馬を登るには絶望的なまでに老いてしまった。 あの時、勇気を出して登っていれば、また何かが違っていたのかもしれない。 同じことを繰り返すのはやめよう。今の自分なら、きっと連れて行ける。 チビに問いかけてみる。「じぃじがお山に登りたいって。お前、じぃじを助けてあげられるか?」 「まかせろーっ!!」 俺には頼もしい山の相棒もいるじゃないか。 夜が明けて、少し空気が暖かくなるのを待って出発する。 慌てる必要も急ぐ必要もない。今日は富士山が良く見えそうだ。 俺はいつから父親のことを「オヤジ」と呼ぶようになったんだっけ? 親父はあの頃、俺に何を見せたかったんだろう? 大して意味の無いことが頭の中を駆け巡る。 登山には物語がついて回るものだと思っている。 一回一回の登山に何らかの物語があり、過去の登山と未来の登山を繋ぐ物語がある。 さらには、人と人とを繋ぐ物語がある。 それが登山と、ハイキングとを隔てる境界線ではないだろうか。 今回で、親父と俺とで紡ぐ山の物語は最終章だ。続編は無い。前回の物語から少し時間は空いてしまったが、やっと無事に完結することができたようだ。そして、叔父(親父の兄貴)と俺の物語もようやく繋がった。 少し寂しいような気もするが、大したことではない。 これで親父から孫(チビ)へと紡がれる新しい物語も始まったのだから。 大菩薩というキーワードのもとに、親父、叔父、俺、チビが繋がり、ほんの少し大菩薩が特別な山になったのだから。 いつかチビが大きくなって父親になり、さらにその子供へと物語が紡がれる、なんてことがもしあったなら… こんな想像をツマミに、普段は飲めない酒をチビリと舐めてみる。 少しほろ苦い気もするが、こんな酒なら意外と悪くないもんだな。

大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 最初で最後の親子三代登山に出発です。
最初で最後の親子三代登山に出発です。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 チビは「なんか調子でない。脚が重い」と
チビは「なんか調子でない。脚が重い」と
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 平地だけ超加速で進みます。
平地だけ超加速で進みます。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 じぃじを先導しているように見えなくもないですが・・・
じぃじを先導しているように見えなくもないですが・・・
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 マイペースで勝手に進みます。頼むよ、ほんと・・・
マイペースで勝手に進みます。頼むよ、ほんと・・・
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 この日は、一かけらの雲も無く、空気も澄みきっていました。
この日は、一かけらの雲も無く、空気も澄みきっていました。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 雷岩に到着。えらい時間かかったけど、今日は無事に着けば良し。
雷岩に到着。えらい時間かかったけど、今日は無事に着けば良し。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 この写真、遺影に使うことに決定。
この写真、遺影に使うことに決定。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 北岳方面まで良く見えます。
北岳方面まで良く見えます。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「親子三代ですか?」と、3回くらいお声かけいただきました。大変なのは「2代目」なんですよ!w
「親子三代ですか?」と、3回くらいお声かけいただきました。大変なのは「2代目」なんですよ!w
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 まあ、二人とも良く頑張りました。
まあ、二人とも良く頑張りました。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 記念の3ショット。
記念の3ショット。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 チビの頭の中は、カップヌードル一色。
チビの頭の中は、カップヌードル一色。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 いつもの正座で食います。
いつもの正座で食います。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 いつ見ても気持ち良い稜線ですが・・・ものすごい人数。
いつ見ても気持ち良い稜線ですが・・・ものすごい人数。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 人人人・・・
「前来た時は誰にも会わなかったのに」と親父。「いつの話?」と確認したところ、「60年前」「・・・」
人人人・・・ 「前来た時は誰にも会わなかったのに」と親父。「いつの話?」と確認したところ、「60年前」「・・・」
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 前回スルーした「妙見の頭」。
登らなくてもピークゲットできるのですが、せっかくだから踏んでおくことに。チビとじぃじは登山道を歩かせておいて、一人で超ダッシュ。
登山道は無いですが、踏み跡あるので余裕です。
前回スルーした「妙見の頭」。 登らなくてもピークゲットできるのですが、せっかくだから踏んでおくことに。チビとじぃじは登山道を歩かせておいて、一人で超ダッシュ。 登山道は無いですが、踏み跡あるので余裕です。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 雲取方面が見えてるのかな?
雲取方面が見えてるのかな?
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 妙見の頭ピーク
妙見の頭ピーク
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 もちろん、富士山見えます。
猛ダッシュでチビとじぃじの元へ
もちろん、富士山見えます。 猛ダッシュでチビとじぃじの元へ
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 大菩薩峠から振り返り
大菩薩峠から振り返り
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 チビが今日1楽しみにしていたイベント。
「菩薩峠」の前で、「た~かぁのぉつぅ~めぇ~」
(このネタわかる人が何人いるのだろうか・・・)
チビが今日1楽しみにしていたイベント。 「菩薩峠」の前で、「た~かぁのぉつぅ~めぇ~」 (このネタわかる人が何人いるのだろうか・・・)
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 鷹の爪団に「菩薩峠」というキャラがいるのですよ。
え?知らない・・・・?
鷹の爪団に「菩薩峠」というキャラがいるのですよ。 え?知らない・・・・?
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 じぃじも満足したようです。
チビの頭の中は「福ちゃん荘のアイス食べたい」一色です。
じぃじも満足したようです。 チビの頭の中は「福ちゃん荘のアイス食べたい」一色です。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 チビの下りは異様に速い。重力に任せて降りるんだそうです。
☆ひいらぎ理論を自然と実践してるらしい。
チビの下りは異様に速い。重力に任せて降りるんだそうです。 ☆ひいらぎ理論を自然と実践してるらしい。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 じぃじは腰が曲がってるので、ナチュラルに加速していきます。異様に速い・・・
じぃじは腰が曲がってるので、ナチュラルに加速していきます。異様に速い・・・
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 二人で競争しながら消えていきます。意味わかんねーし。
二人で競争しながら消えていきます。意味わかんねーし。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 無事降りてきて、福ちゃん荘で飯。
無事降りてきて、福ちゃん荘で飯。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 チビとじぃじはアイス。
この後、チビが「なんか急に寒くなってきた!」と騒ぎ出します。おめー、気温何度だと思ってんだよ・・・
おしまい
チビとじぃじはアイス。 この後、チビが「なんか急に寒くなってきた!」と騒ぎ出します。おめー、気温何度だと思ってんだよ・・・ おしまい
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 翌日は、パパと二人で遊びに。
この高さで怖いそうです。まじで意味わかんね~
翌日は、パパと二人で遊びに。 この高さで怖いそうです。まじで意味わかんね~

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