上高地からの霞沢岳

　徳本峠小屋に予約の電話をしたのは7月の始めだった。ルートを聞かれたので、島々からと言うと、小屋番さん(実はオーナーの息子さん)の返事は、「クラシックルートは崩壊していて通行できませんよ。」だった。少し時間をおいて、「まだ時間があるから(復旧して)通れるかもしれない・・・。予約を入れときます。」でした。小屋のブログにも崩壊個所などが印され、通行止めとなっていた。 　2ヶ月過ぎた9月になっても状況は変わらず、クラシックルートは諦め、上高地からのルートに変更した。明神先の徳本峠口からしばらくは沢に沿って緩やかな道が続き、何となくクラシックルートの峠越えの雰囲気を感じさせてくれる。霞沢岳との分岐を左折し徳本峠に着く。目の前には、丸太のつっかい棒と屋根の上の石・・・。今にも倒れそうな、写真で見たままの徳本峠小屋に感動すら覚える。 　ところが、その外観からは想像もできない綺麗な部屋に案内された。山小屋、ログハウス風・・。峠からは見えない後ろ側に10年程前に建てたと言う新館があった。今年の定員は7名だそうで、当日は我々5名とソロの女性1名の計6名。超快適な徳本峠小屋の一日でした。 　ルートは山頂をピストン。ジャンクションピークまでの登りとK1への急登が結構しんどい。期待した穂高連峰の展望はあいにくのガスで残念な結果となったが、それを除いても素晴らしい山行に満足感をかみ締めた。