光岳と迷いの森

2020.10.24(土) 3 DAYS

活動データ

タイム

22:50

距離

33.9km

のぼり

3274m

くだり

3572m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 43
休憩時間
1 時間
距離
9.1 km
のぼり / くだり
1478 / 393 m
3
1 38
28
9
3
DAY 2
合計時間
11 時間 42
休憩時間
2 時間 59
距離
16.7 km
のぼり / くだり
1483 / 1583 m
1 49
5
7
10
10
9
3 58
21
DAY 3
合計時間
5 時間 23
休憩時間
32
距離
8.1 km
のぼり / くだり
312 / 1595 m
2 32
1 51

活動詳細

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南アルプス南部に位置する光岳は、同時に南アルプス深南部といわれる静かで山深い地域の北端、その入り口であるとされています。 今回は、そんな光岳をはじめとした南アルプスのディープサウスの魅力に浸る3日間を過ごしてきました。 この山域では登山道が不明瞭なのは当たり前で、まったく踏み跡がない区間もあります。 そのような環境であることから、いかに地形と方角を把握しながら歩けるか、またそれを楽しむことができるかということが、南アルプス深南部に足を踏み入れる者に与えられるさだめといえるでしょう。 実際にこの南アルプス深南部の登山を通して、地図を見ながら頭を使ってルート取りをする面白さと、他の主要な山域にはなかなかない圧倒的な静けさに心を掴まれました。 登山道の9割かそれ以上は展望のない地味な樹林帯ですが、それゆえにディープな雰囲気に満ちた山歩きを楽しむことができます。 最近の自分は展望の良さよりも静寂性を求めて山を選ぶようになりつつある中で、その欲しいところのど真ん中をつくような見事な場所を見つけることができました。 南アルプス深南部は、必ずまた訪れたいと思います。

池口岳・加加森山・光岳 池口岳登山口を起点に、この山旅は始まります。
池口岳登山口を起点に、この山旅は始まります。
池口岳・加加森山・光岳 しばらくは明瞭な気持ちの良い登山道を登っていきます。
しばらくは明瞭な気持ちの良い登山道を登っていきます。
池口岳・加加森山・光岳 標高1600メートル付近が紅葉のピークでしょうか。
標高1600メートル付近が紅葉のピークでしょうか。
池口岳・加加森山・光岳 今回の目的地のひとつである池口岳が見えます。山肌が秋色に染まります。
今回の目的地のひとつである池口岳が見えます。山肌が秋色に染まります。
池口岳・加加森山・光岳 黒薙付近の尾根道。
黒薙付近の尾根道。
池口岳・加加森山・光岳 今回は、2泊3日のテント泊。
寒い時期ということもあり、防寒具や寝袋が嵩張って40リットルのバックパックが満タンです。
今回は、2泊3日のテント泊。 寒い時期ということもあり、防寒具や寝袋が嵩張って40リットルのバックパックが満タンです。
池口岳・加加森山・光岳 苔が豊富な樹林帯です。
苔が豊富な樹林帯です。
池口岳・加加森山・光岳 立ち枯れた木。
立ち枯れた木。
池口岳・加加森山・光岳 風雪の中で、1日目の宿を建てます。
風雪の中で、1日目の宿を建てます。
池口岳・加加森山・光岳 冷えた体に、味噌汁とカレーが沁みわたります。
冷えた体に、味噌汁とカレーが沁みわたります。
池口岳・加加森山・光岳 強風は2日目も続きます。中央アルプスはうっすら雪化粧をしています。
強風は2日目も続きます。中央アルプスはうっすら雪化粧をしています。
池口岳・加加森山・光岳 前夜は氷点下の霧に包まれ、あたりの木々は霧氷をまとっていました。
前夜は氷点下の霧に包まれ、あたりの木々は霧氷をまとっていました。
池口岳・加加森山・光岳 手元の温度計は氷点下5度を指していました。結局この日は最高気温も5度以下で、一日中インサレーションを着ていました。
手元の温度計は氷点下5度を指していました。結局この日は最高気温も5度以下で、一日中インサレーションを着ていました。
池口岳・加加森山・光岳 うっすらと霧氷。
うっすらと霧氷。
池口岳・加加森山・光岳 近くに見える一際目立つこの山は、南アルプス南部の名峰、聖岳。日本最南端の3000m峰でもあります。
近くに見える一際目立つこの山は、南アルプス南部の名峰、聖岳。日本最南端の3000m峰でもあります。
池口岳・加加森山・光岳 光岳の名前の由来となった光石。吹きさらしの岩の上はとんでもない強風でした。
光岳の名前の由来となった光石。吹きさらしの岩の上はとんでもない強風でした。
池口岳・加加森山・光岳 池口岳の登山口から長かった光岳の頂上。最初から最後まで、深い森を歩く道のりでした。
池口岳の登山口から長かった光岳の頂上。最初から最後まで、深い森を歩く道のりでした。
池口岳・加加森山・光岳 とても綺麗な光小屋は、今期の営業を中止しています。それもあってか、周りに人はいません。
とても綺麗な光小屋は、今期の営業を中止しています。それもあってか、周りに人はいません。
池口岳・加加森山・光岳 イザルヶ岳への道のりを往く。
イザルヶ岳への道のりを往く。
池口岳・加加森山・光岳 これまでの延々と続いた樹林帯と比較するとあまりにも特異的な、好展望の広大で平坦なイザルヶ岳頂上。
これまでの延々と続いた樹林帯と比較するとあまりにも特異的な、好展望の広大で平坦なイザルヶ岳頂上。
池口岳・加加森山・光岳 奥には恵那山。
奥には恵那山。
池口岳・加加森山・光岳 イザルヶ岳を折り返し点として、昨日通過した池口岳のジャンクションまで戻ります。
イザルヶ岳を折り返し点として、昨日通過した池口岳のジャンクションまで戻ります。
池口岳・加加森山・光岳 池口岳が近づくにつれ、見上げるような大きさになっていきます。
池口岳が近づくにつれ、見上げるような大きさになっていきます。
池口岳・加加森山・光岳 途中を端折りましたが、池口岳の本峰を経て南峰に至る道は緊張を強いられるシビアな尾根道でした。
途中を端折りましたが、池口岳の本峰を経て南峰に至る道は緊張を強いられるシビアな尾根道でした。
池口岳・加加森山・光岳 ここからは犬切尾根を辿って下山路につきます。ここから先は、基本的に道はありません。
ここからは犬切尾根を辿って下山路につきます。ここから先は、基本的に道はありません。
池口岳・加加森山・光岳 道無き道につけられた薄い足跡を辿って、笹平で2日目の夜を過ごします。
道無き道につけられた薄い足跡を辿って、笹平で2日目の夜を過ごします。
池口岳・加加森山・光岳 3日目の朝。今日は3日間でもっとも穏やかな天気。風がようやく静かになりました。
3日目の朝。今日は3日間でもっとも穏やかな天気。風がようやく静かになりました。
池口岳・加加森山・光岳 この日歩き始めてすぐに、鶏冠山への登りが待っていました。あまりにも道がないので、上を見ながら最も標高が高い地点を目指して自由に登ります。
この日歩き始めてすぐに、鶏冠山への登りが待っていました。あまりにも道がないので、上を見ながら最も標高が高い地点を目指して自由に登ります。
池口岳・加加森山・光岳 タフな登りを強いられ、ようやくたどり着いた鶏冠山。登山道は一切ないといっていいほどなのに、山頂標識は立派に掲げられています。
タフな登りを強いられ、ようやくたどり着いた鶏冠山。登山道は一切ないといっていいほどなのに、山頂標識は立派に掲げられています。
池口岳・加加森山・光岳 鶏冠山から西方向への犬切尾根沿いには比較的新しいテープがつけられていたので、とても助かりました。
鶏冠山から西方向への犬切尾根沿いには比較的新しいテープがつけられていたので、とても助かりました。
池口岳・加加森山・光岳 秋のよく冷えた朝、南アルプス深南部の麓に広がる町は雲海の下に沈みます。
秋のよく冷えた朝、南アルプス深南部の麓に広がる町は雲海の下に沈みます。
池口岳・加加森山・光岳 物凄い角度で切れ落ちた崖を見て、「ここに入れば一気に帰れますよ」そう話しかけると、相方は「でも目的地と逆側でしょ」と、突っ込みどころをすっ飛ばしてマジレスをしてきました。
物凄い角度で切れ落ちた崖を見て、「ここに入れば一気に帰れますよ」そう話しかけると、相方は「でも目的地と逆側でしょ」と、突っ込みどころをすっ飛ばしてマジレスをしてきました。
池口岳・加加森山・光岳 本来、犬切尾根はこの下降点からシャクナゲ沢登山口に降りていきますが...
本来、犬切尾根はこの下降点からシャクナゲ沢登山口に降りていきますが...
池口岳・加加森山・光岳 実は1日目にすれ違った方から、犬切尾根を1441mの三角点までいくと作業用モノレールが池口橋付近の尾根の裾までのびているという情報を入手。

当初のシャクナゲ沢に降りて池口川を渡渉するルートを変更し、この地図を参考に、モノレール沿いに降りていくことにしました。
実は1日目にすれ違った方から、犬切尾根を1441mの三角点までいくと作業用モノレールが池口橋付近の尾根の裾までのびているという情報を入手。 当初のシャクナゲ沢に降りて池口川を渡渉するルートを変更し、この地図を参考に、モノレール沿いに降りていくことにしました。
池口岳・加加森山・光岳 下降点である1441mの三角点を目指します。鹿除けのネットに沿って尾根を進みます。登山道はありません。
下降点である1441mの三角点を目指します。鹿除けのネットに沿って尾根を進みます。登山道はありません。
池口岳・加加森山・光岳 三角点がありました。ここから降ります。
建設省という文字から、少なくとも約20年以上前に置かれた標柱だと思います。
三角点がありました。ここから降ります。 建設省という文字から、少なくとも約20年以上前に置かれた標柱だと思います。
池口岳・加加森山・光岳 地形図を見て予感していたとおり、とんでもない斜度の尾根でした。足元も不安定で、鹿除けネットのポールにしがみつきながら、体を重力に任せて滑り落ちるように下っていきます。
地形図だけでは分からなかったのですが、このあたりは尾根が複数並行した地形になっていて、安易に降りると道を外れてしまいます。もっとも、道なんてものはありませんが。

ところで、期待していたモノレールが全然みつかりません。本当にあるのかとすら思い始めていたところでした。
地形図を見て予感していたとおり、とんでもない斜度の尾根でした。足元も不安定で、鹿除けネットのポールにしがみつきながら、体を重力に任せて滑り落ちるように下っていきます。 地形図だけでは分からなかったのですが、このあたりは尾根が複数並行した地形になっていて、安易に降りると道を外れてしまいます。もっとも、道なんてものはありませんが。 ところで、期待していたモノレールが全然みつかりません。本当にあるのかとすら思い始めていたところでした。
池口岳・加加森山・光岳 結局、下降点から半分以上降りたところでようやくモノレールを見つけました。かなり上からモノレールは続いているようで、けっこうな区間を見逃していたことになります。

もらった地図には尾根上に線が引かれていたので尾根沿い主体に下っていたのですが、実際にモノレールがのびていたのは沢沿いでした。
結局、下降点から半分以上降りたところでようやくモノレールを見つけました。かなり上からモノレールは続いているようで、けっこうな区間を見逃していたことになります。 もらった地図には尾根上に線が引かれていたので尾根沿い主体に下っていたのですが、実際にモノレールがのびていたのは沢沿いでした。
池口岳・加加森山・光岳 モノレールを見つけてからは話は早い。とにかくこれに沿って降りていくだけ。
それでも容赦ない急斜面が続くことには変わりないので、緊張を緩めず慎重に下っていきます。
モノレールを見つけてからは話は早い。とにかくこれに沿って降りていくだけ。 それでも容赦ない急斜面が続くことには変わりないので、緊張を緩めず慎重に下っていきます。
池口岳・加加森山・光岳 モノレールを見つけたという安心感からか、あっという間にモノレールの基地に到着します。
モノレールを見つけたという安心感からか、あっという間にモノレールの基地に到着します。
池口岳・加加森山・光岳 池口橋を渡り、車がある池口岳登山口を目指して300m以上も登り返そうというところで...
池口橋を渡り、車がある池口岳登山口を目指して300m以上も登り返そうというところで...
池口岳・加加森山・光岳 林道を歩く僕たちを見つけて、地元の方が停まってくれました。

なんとその荷台には、仕留めた鹿が同乗しています。まったくもって予想外の出来事でしたが、旅の最後にとても印象的な思い出ができました。
林道を歩く僕たちを見つけて、地元の方が停まってくれました。 なんとその荷台には、仕留めた鹿が同乗しています。まったくもって予想外の出来事でしたが、旅の最後にとても印象的な思い出ができました。

メンバー

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