頂上直下の笹やぶも低めで助かった 戻る 次へ

晩秋の温泉岳(1578m)の写真

2020.10.19(月) 09:28

頂上直下の笹やぶも低めで助かった

この写真を含む活動日記

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11.3 km

863 m

晩秋の温泉岳(1578m)

石狩岳・音更山 (北海道)

2020.10.19(月) 日帰り

エバ夫婦の未踏1000mシリーズ・・・ YAMAP山友の「みなみんみんさん」の記録に触発されて、早々計画を組みました。 途中にある秘湯・岩間温泉も興味津々で下山時には夫婦で入ろうと準備もし、楽しみにしていたのですが・・・ 前日、石狩岳の登山口となるシュナイダーコース登山口駐車場で車中泊する。簡易トイレがあったので助かった。 夜中の風が気になったが満点の星空に期待は止まない。朝は寒く一桁の気温。風が冷たく最初からカッパで防寒スタイル、天気は良いが上空の風を気にしながらも出発した。 先ずは、駐車場からすぐの御殿大橋を渡る。渡り切ると林道が半分以上崩壊していて車の走行は出来ない通行止めの林道を歩き始める。林道は約2㎞ほど続き非常に歩き易いだけに最初の崩壊地が痛ましい・・。 地形図上で林道の実線から点線に変わる頃、沢の渡渉場面となるが、その先の林道はすっかり消滅していた・・。 しかし、ピンテとイエローテープがwで頻繁に付けられいてこれが温泉まで導いてくれた。 スタートから約45分で岩間温泉に着くが、♨臭はすれど、どこに温泉があるのか?捜索開始。でも5分で見付けた。 沢の右岸上部からホースを利用した源泉が沢に流れていた。その下に石で囲まれた小さな温泉があり趣ある正に秘湯だった。温度は50度前後もありそのままではチト熱いが、近くにバケツもあり沢水で調整は可能のようだ。しかし、沢靴のまま浴槽に足を入れて見ると、深さはひざ下くらいで底はドロドロの沈殿物と枯葉が埋まっていた。 入浴するには浅過ぎる秘湯で下山後にどうするか悩むところだ・・・。 取り敢えず確認を終えて先を急ぐ。 温泉から先にはピンテも無く、倒木と流木が入り混じる歩き難い沢を登って行く。 30分ほどで沢の二股に着き左股へ・・。この沢も流木の墓場と化す渓相で痛ましかった。歩く場所を選びながらも左岸に注視する。次の取付きが「温泉岳」東面直登沢だが、見逃すと計画の失敗に繋がるからだ。 地形図とGPSを駆使して取付き点に近づくとイエローテープを発見。恐らくみなみんみんさんご一行のテープだろうとすぐに察する。再度場所を確認した上で取付く事にした。少し登って見ると左側に顕著な小沢が現れる。地形図では水線は無いが、この沢が直登沢と確信。あとは詰めるだけだが、標高差は600mだ。 登行途中で小雨となり、見えていた青空が嵐を思わせる不気味な空模様と変貌した。 まだ登行半ばで中止・撤退の文字が脳裏をかすめるが、我慢して歩いていると突然強い日差しと青空が広がった。 気を良くしながら直登沢を攻めた・・・。 直登沢の前半は傾斜も緩く淡々と登るが、1200mを超えるころから急登となり所々で伏流してガレ場的渓相に変わる。再び水流が戻りC1430付近の小さな二股は本流の右へ進むと源頭を思わせる狭さだ。 相変わらず急登も笹やウツギの木に掴まって登れるのでそれほど苦ではなかった。沢形は1500mを越えても続くが頂上直下は低い笹原になって沢形の横を笹漕ぎして登った。頂上稜線はハイマツに変わりテープを付けながらほんの5分で頂上の三角点を発見。みなみんみんさんの付けたと思われるイエローテープも見付けて安堵の頂上を踏む。 登り4時間だった。 三等三角点も眺望は360度、最高だった。 特に稜線で繋がる北の石狩岳と音更山が目の前に聳え立ち、南の先には二ペソツ山の鋭鋒が別世界に見えた。 東の遠望には雪をまとった十勝と大雪連峰を一望し、西にはオッパイ山と呼称される西クマネシリ岳とピリベツ岳 もくっきり見ることが出来た。一時は諦めかけていた登行も最後まで登り切りご褒美の展望まで望めて満足の一座だった。情報をくれたみなみんみんさんに感謝しながら山頂コーラで乾杯した。 てんくらCの石狩岳周辺の予報だったが、強風こそあれハイマツの下に屈むと寒さも無く震えることは無かった。 20分ほどの滞在だったが、別れを告げて往路を下り、温泉を目指した。 再びの岩間温泉・・・ こんな秘湯に絶対人は居ないと100%思っていたのに、人が居た・・❕ おじいさんが一人作業中で声を掛けると私たちを見てビックリしていた。温泉岳に登って来たと言っても「そんな山あるんだ?」と言う顔をして感心していた。何をしているのかは聞かずとも理解していたが、話を聞くと私たちが往路で見付けた温泉場は、やはり水位が浅く下にヘドロが溜まっていてとても入れないからと新たな温泉場を作ってブルーシートを敷き源泉からのホースを繋げてお湯を引き溜めていた。 「俺は飯を食うから先に入って良いぞ!」と親切に言われたが、チーヤンと一緒と言う訳にも行かず丁重にお断りしヘドロの温泉で足湯に留めて楽しんだ。 残念ながら夫婦水入らずの入浴シーンは撮れず残念だったが、おじいさんの協力を得て新岩間温泉の入浴シーンは撮れたので一部公開しよう(笑) おじいさんは、士幌町からで年に2~3度は来るらしい。ブルーシート、スコップなどを用意する常連のようで他にもテントを張って楽しむ愛好家グループもいるようである。 入浴中のおじいさんに手を振って別れ、帰路に着いた。 北海道に「温泉」の名の付く山は、三座あり今回の「温泉岳(1578m)」の他に「温泉山(1280m)」は、ぬかびら温泉郷からほど近くにあり、もう一座の「温泉富士(660m)」は、養老牛温泉のある中標津町にある。 1000m超峰の温泉山はすでに登頂済みだが、機会があれば温泉富士にも登って見たいと思う。 下りは、岩間温泉でのひと時を除くと約3時間だった・・。 晩秋も厳しい山行を覚悟していたが、最終的に天気にも恵まれ厳しさも無く順調に登れたのが意外だったし山頂からの展望に大満足の山行だった。完全の沢登り山行だったが、素晴らしいルートに感謝の一言である。 余談ではあるが、前日幌加温泉に入る予定で立ち寄ったが、駐車場が満車状態で入らずに引き返した。 もしかするとそこにみなみんみんさんが入浴中ではなかったのか?とニヤミスだったかも知れない。 ぬかびら温泉郷も日曜日とあってどこも満員状態だったので諦める。下山後の温泉は結局、日高町の沙流川温泉高原荘になった・・・。