ジャ・ジャンダ・ジャンダルム

2020.10.11(日) 日帰り

活動データ

タイム

10:17

距離

5.7km

のぼり

1178m

くだり

1127m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
10 時間 17
休憩時間
5 時間 15
距離
5.7 km
のぼり / くだり
1178 / 1127 m

活動詳細

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まだ暗い4:30ごろに涸沢ヒュッテの脇からザイテングラートを目指す。 涸沢カールはお椀のような形になっていて、登れば登るほど角度がきつくなる。地形的特徴からも険しさが想像できるが、とにかくいかつい名前のザイテングラート。 奥穂高山荘からモルゲンロードを見たかったが、ザイテングラートに差し掛かる前に夜が明け始めた。  空は青黒い色から強い赤みを帯びていき、彩度が一気に上がる。映画「君の名は」のかたわれ時のようだった。 登山行程は一旦脇に置き、モルゲンロードの写真を存分に撮った。モルゲンロードを見れただけでも来てよかったと思った。快晴って素晴らしい。 警戒していたザイテングラードだが、思いのほか礫礫ガラガラしておらず、すいすい登れる。 標高上昇標高上昇!テンション上昇テンション上昇!と心の中で歌いながらザイテングードを登り切った。 奥穂高岳は傾斜はきつかったが足場がしっかりしており難なく登頂。ジャンダルムを視界にとらえる。 ジャ 休憩と記念撮影を終え、いよいよジャンダルム。 の前に馬の背ナイフリッジ降り。とても刺激的だ。 YouTubeで見て絶対にここだけは行きたくないと思っていたところが不意に目の前に現れた… 馬の背という名前だったのか…地味ネームすぎる なんでもっといかつい名前付けなかったの?… 怖すぎて心拍数が一気に上がる。 目の前に見えているはずのジャンダルムまでの心理的距離が突然遠くなる。 馬の背核心部に入る前にルートを見つけられなかった仲間にはリタイアしてもらった。本当に申し訳なかったが命が最優先。 馬の背核心部 ジャン 経験豊富な仲間の辿ったルートをトレースする作戦。万が一踏み外したときのために両手で岩をホールド。雨で岩が濡れていなくてよかったが、晴れは晴れで約900m先の谷底がよく見えて震えた。 かつてない生命の危機に大量の手汗をかき、ゴム製手袋の中がニュルニュルと滑る。岩を掴む握力の消耗も激しい。一番手汗をかきたくない時に手汗がドバドバと噴出した。 ロバの耳の付け根へ ジャンダ 馬の背を過ぎても険しい降り道は続き、メンタル体力ともにどん底に。標高を下げた分ジャンダルムはより高く見える。ロバの耳は日の当たらない影側から登ることになるので突然道が暗くなり、かなり不気味なオーラが漂っていた。 前を行く仲間とも距離を離され、軽い捻挫をしていた右手で鎖場の鎖を握ったままこのまま進もうかリタイアしようか迷った。 ルートを考えながら登る思考力も鈍っているし、この先も危険が続くのならと、先をいく仲間に危なそうか聞いた。 危なそうと返答が返ってきたのでリタイヤした。(危なくないとは言えないだろう) 馬の背核心部手前でジャンダルム登頂する2人を見届けることにした。 するとジャンダルムを直登しようとしてるおねえさんがいて、半分くらい登ったところで懸垂をしだして肝を冷やした。胆力はすごいが見てるこっちが怖い。 以降、仲間も落ちるんじゃないかと不安であまり見れなかった。 やることもないので昼寝をして待つことにした。 途中ヘリが下から上がってきた音で起こされたが、あれは今思えば西穂高の事故の捜索か… その後登頂した2人と合流して馬の背登りを超えた。一度足を踏み外したが両手で岩をホールドしていたので落ち着いて対処した。(後ろで見ていた仲間はかなりビビっていた。) 奥穂高山荘で昼食をとり、涸沢岳も登頂したが馬の背のトラウマで終始へっぴり腰だった。 最終日の涸沢ー上高地の工程は、ただ降ったただけなので割愛するが、橋の近くで川に入って記念撮影をしていたら足が冷やされてかなり回復した。 ジャンダルムは物理的に近づくことはできてもロバの耳からは心理的距離は近付けなかった。 馬の背を思い出すとまだまだ手汗が出るので(レジ袋をあけたい時は思い出すようにしている)メンタルを鍛えてまた挑みたい。 ジャンダルムの近くまで来たので、ひょっとしたらジャンダルムも登頂済みになっているかとマップの記録を確認したが、やはり「ジャンダ」くらいまでしか行ったことになっていたかった。

メンバー

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