活動データ
タイム
06:53
距離
10.3km
のぼり
1409m
くだり
1410m
活動詳細
すべて見る冬になる前に山に恩返しがしたくて、馬返しから薪を少しでも運んでみようと思っていました。台風もどうやら進路を変えたようで、ではやれるうちにやっておこうと。 しかし25リッターのザックしかもっていないし、あのお二人のように手でもったり、頭の上にのせて運ぶのもハードルが高いので、サイドポケットに収まりそうな2本を古新聞にくるんでコンプレッションコードをひっかけて登りました。 今年5月に初めて岩手山登って以来の馬返しコース。初めてのコースだったからか、私の中ではいちばんきついコースとして記憶に残っています。そのあと焼走り、御神坂、上坊と経験して、馬返しをどう感じるか、自分は成長できているのか、力試しも兼ねて。結論、馬返しがやっぱりいちばんきついと感じました💧0.5合とか標識があるからよけい長く感じるんじゃないでしょうか💦 5合目までいったら2個もってきたおにぎりの1個を食べようと思っていたのですが、4合目で既に強風。これ以上あがったら強風でおにぎりどころではないので、4合目でエネルギー補給します。レインを着ても寒い風の中、写真を撮る余裕もなく上を目指し、ひたすら登り、8合目到着✨ 薪をおろしたら、自分の体に羽が生えたんじゃないかと思うほど体が軽くなり、快調に登り、お鉢にたどりつきました。山頂目指して歩くとほどなく、めちゃくちゃ風が強くなってきて、ドリフのコントみたいになってきました。さらに歩みをすすめると、もう、息ができない、立ってもいられない、強風でもない、暴風でもない、突風を超えた爆風という感じで、シャレにならないヤバさを感じました💦前を歩いている女性が岩の影に腰掛け、風をよけています。その前の数人も同じようにしています。私も動かなさそうな石に足をひっかけ、風が止むのを待ちます。時折、体勢を低くして数歩づつ進みますが、やむ気配がありません。身体はじわじわと冷えてきます。停まって数分耐えていると、この寒さの中、脚に熱を感じました。風でバタついたズボンが脚とこすれて摩擦熱を発しているようです。ありがたいんだかありがたくないんだか。山頂まであと30メートルくらい。ここまで来て…悔しいけど、撤退しようか。ここで耐えているみんな、誰かが撤退すれば諦めつくだろう。これが「勇気ある撤退」ってやつか。でも行きたい…でも仕方ない… 体の向きを変えると飛ばされそう。やっとの思いで後ろを向いたら、初老のご夫婦が淡々と上がってきます。えっ!この状況でいくの!? その方の装備を見て、この人は山をわかってる人っぽいな。この人がいくなら行けるかな。前で耐えていた人たちもあるき出しました。ならば行きましょう。幸い、身体が浮き上がるほどではなかったから、とりあえず飛ばされずに山頂につき、神様に手を合わせて、証拠写真を撮ったら早々に下山に入ります。ガスと自分の涙で前がよく見えない状況でしたが、下り口をみつけました。何度も岩手山に登っている方には、よくあることかもしれませんが、私には初めての体験だったので、生きていることのありがたみを深く感じました。またこの状況で山頂に挑戦したことは、みんなやってたけどそれは正しかったのか?自問自答しました。 命からがらの思いで避難小屋におりて、ようやくのお昼です。身体はひえきって震えます。持ってきたカップ麺に真空ボトルのお湯を入れたら、なかなか戻らない…いつもより温度さがってしまっています。風にさらされたせいだろうか。たべても身体があたたまらない。小屋で売ってるカップヌードルを買えば良かったです。もう少し暖かいものがほしくてコーヒーをのもうとしたのですが、スティック1本にたいして、残りのお湯を入れたら足りない💧超デミタスになってしまいました😖がまんして飲みましたが、小屋で売っているコーヒーを素直に買えばよかったです。 寒くてフリース+ライトダウン+シェル のフル装備になってましたけどまだ寒いので身体を動かすしかなく、そのままの格好で下山しました。4合目くらいまで脱がずにおりました。膝がいたくなってペースあげられなかったこともありますが、そのくらい岩手山は寒くなってしまいました。 長くなりましたが、この経験をしなかったら、もしかしたら私は来月に山で死ぬ運命だったかもしれません。とても大きな学びをさせていただいた登山になりました。無理のない機会をみつけて、また山と、山を支えてくださる方にささやかであっても恩返しをしたいし、感謝の心をもって登り続けたいと思います。
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