唐松岳〜五竜岳🌥(テント泊)

2020.10.06(火) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 44
休憩時間
1 時間 17
距離
8.7 km
のぼり / くだり
1169 / 514 m
26
1 8
13
52
1 20
44
DAY 2
合計時間
6 時間 27
休憩時間
1 時間 29
距離
9.8 km
のぼり / くだり
587 / 1541 m
43
51
30
20
10
38
11

活動詳細

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北からの冷たい風が頬を撫でて行く。冬の誘いを告げる風が、北アルプスの山肌を思い出させる。 風に呼ばれ向かうのは『唐松岳・五竜岳』へ荷物を纏めてGo!! 今回は出発地と下山先が違う周遊ルート。 出発地の白馬温泉施設前にテン泊装備の荷物一式と降ろしてもらうが、気温も低く肌寒い。 車は如何するモノか。と思っていたが、御好意でトレラン女傑のほづしさんが下山地の白馬五竜駐車場に車をデポしに行ってくれた。 距離も6km程はある筈だが…。 合流地点にある温泉の湧き出る足湯♨️を眺めて過ごしている内に、あっと言う間に走ってきてしまった!! 「道に迷って8km走って来ちゃった。(*ノ>ᴗ<)テヘッ」 と近所を散歩でもしてきた様に軽い。 ぬぅ。トレラン女傑恐るべし…。 『俺なら確実に一休みですよ…。』 と独り言を言ってみた。 朝一番からありがとう御座いました。 疲れも見せぬ姿に感心しながらザックを背負い、八方ゴンドラ駅で登山届と交換でチケットを買いゴンドラに乗る。 八方尾根山荘駅に降り立つと、既に多くの登山者が、思い思いに早い秋を探しに歩いていた。 先頭を行くトレラン大好きマコねぇさん。何度か同道させて頂いてるが、登りで加速していく不思議な脚を装備している。 『マコねぇさん、早いっスよ…。』 先を行くマコねぇさんとほづしさん。コンビニに行くような感じで、お二人おしゃべりしながらグイグイ高度を上げていく。 山で見たり、お話を聞かせて貰ったりしたトレラン・アスリート業界のお話。 『実は皆、サイボーグなんじゃないか…?』 と密かに思っているが内緒だ。 霞掛かる視界に現れる色彩豊かな草木を眺めながら順調に進むと、あっと言う間に唐松岳山荘に到着。 山荘手前でほづしさんが少し脚が重そうに見えたが、トレランで鍛えられているのか素早いリカバリーで補給し直ぐに回復。 登山前に8km走って来てるんですよね…ほづしさん。佇まいは静かな方ですが、やはり恐るべしスペックですよ…。 唐松岳山荘はお昼を摂る登山者で賑わいを見せていた。 荷物置きの隙間を見つけ荷物番を申し出る。唐松岳は未踏のピークのお二人には身軽にしてアタックして貰う。 『実は疲れたんです。』 とは言っていない。(笑) 晴れ間に登るタバコの煙を眺めながら山裾を駆け上がる雲を眺めて温かいお茶を飲む。喉を過ぎる温かさと対象的な冷たい風が季節の変わりゆく事を感じさせてくれた。 タバコを数本吸い終えた頃、 「ただいま〜。ご飯食べよう!!」x2 の声。振り向く先には笑顔のお二人。 『ねぇさん達…早いっスよ。』 機械化人の身体を望まずに銀河鉄道に乗り込み同行した鉄郎少年が居たのなら、こんな感じだったのだろうか…。と頭に浮かんだが内緒だ。 唐松岳の景色を眺めながらお昼。 軽量かつ効果的な食事はトレランで養われたものだろう。 今更ながら山飯のレパートリーを考えるのが苦手と気付いたので、今回食事全般をお願いしてしまったのだが、予想を裏切らず美味しく温かく頂くことが出来ました。 山荘前も気付くと人影が少なくなってきていた。登山者達がそれぞれの目的地に旅立っている。 まだ中身の詰まっているザックを背負い直し、五竜岳を目指し歩き出した。 両側が切り落ちた剥き出しの岩場を踏み進む。 ガスも掛かり遠くまで良く見えないが、岩場が累々と続く尾根道と見える。 快調に先行するマコねぇさん。 切り立った道を一つ、二つと越えていくと、チラリと何かが見えたのか、ハタと脚が止まり振り向く。 「ゴメン、ちょっと先見てきて〜。(。>ㅅ<。)՞՞」 今迄一緒に登ってきてもルートファインドを頼まれたことは一度も無かったのだが…。 『?』を頭に浮かべながら、1人先行し切り立つ岩場をクルリと回り覗き込むと、切り立つ崖に鈍い光を放つ鎖場を見つけ思わず。 『あ。。』(๑¯ㅁ¯๑)亜…。 と言葉を漏らしてしまう。 山と高原地図で記載がある鎖場に出会った様だ。お二人を残した場所に舞い戻り 『ポールを仕舞って脱落防止の確認をしましょう。』 と伝え装具点検。 あちらこちらの山々を巡り走られているお二人だったが、鎖場は苦手な事を初めて聞かされる。 『またまたご冗談を。』 と社交辞令と思いながら先行していったのだが、振り返るとほぼ動いていない。 『あれ…!?』アレ?( ̄ー ̄?).....?? どうやら本当に苦手だと言うことが、足場に迷う足捌きと、普段と明らかに違う壁に張り付く姿が如実に証明していた。 いくつもの鎖場がまだ続く登山道。崖下は切り立っているので、足場と身体の躱し方を相談しながら一つ一つこなして行くと、流石鍛えられているお二人。次第にコツを掴んできたのか動きも良くなっていった。 そんな中で一つ気づいた事が有る。 縦方向の補助的に付いてる鎖場は動きが素早いのだが、横方向の鎖場になると途端に動きに迷いが出ている。 「横方向は下が無いから怖いのよぉ。(>д<*)コワイ」 との本人談だが、さっきの切り立った馬の背状の登山道の方が余程怖いと思うんですが…。 『ゴキブリは殺せるが、カブトムシは持てない。』的な理屈だろうか…。 無事鎖場を通過し土踏む登山道に再び戻る。 陽も出ておらず曇り空と逆目が分からぬ白く霞んだ登山道。 先が見えない霞の中から、幾度となく現れる小さなピーク。視界が無い分先が読めぬので実際の距離以上に長く感じながら踏み越えて行った。 「グゲェ」と鳴き声が聞こえる。 視線をやると鳥の影。 いつも思うが見掛けと声にギャップが有り過ぎるよ、君達。 雷鳥の姿が1…2…3匹と山側に見える。冬に備える真新しい白い羽が混ざり始めた姿を眺めていると谷側にも動く影。 4…5…6匹と雷鳥の集団だ。 思わぬ出会いに喜色の色を浮かべた熱が消え切る頃、霧の中から現れた赤い屋根が五竜岳山荘に無事到着した事を教えてくれたのだった。 山の日暮れは早い。天気が悪ければ尚更の事。薄暗くなり、冷たく吹く風から逃げる様に山荘に受付を願い出る。 冷たいコーラに目が移るが今の身体は欲していなかった。 到着した時間も決して早くない為、足早にテント場へ移動。 悴む指先に苛つきながらテントを手早く設営し、暖を取るためシュラフに潜り込む。 『お〜。温かい!!(* ˊωˋ *)』 紅葉🍁刈りと決め込んで臨んだ今回だったが、山の気分は既に冬へ移り気の様だ。 「お〜い。起きてるぅ〜?」 と薄い布の向こうからの声。 今回は女性陣に食事をお任せさせて貰ったので、御夕飯にお呼ばれの時間になった様だ。 食材の湯気に当たりながら鍋が仕上がっていくのを目で楽しむ。 干したホタルイカ、生ハム巻きにキムチ鍋。シメにラーメンまで付いてくる。食事に不自由な自分では出来そうもない豪勢な食事だ。なかなかの量で食べ切れなくて翌朝の楽しみに持ち越した。 すっかりご馳走になり身体が暖かくなると、現金なもので先程のコーラを思い出し山荘に買いに行く。 ランタンに照らされた黒色の液体コカコーラ¥500−がヤケに煌めいて見えた。 テントの中でウツラウツラとしていたが気が付くと山荘の発電機の音も聞こえなくなっていた。 星空に期待をしつつフライを開けると、霧は晴れ瞬き光を放つ星粒が見える。 喜びカメラを持ってテントを出ると満天の星を湛えた五竜岳が姿を現し鎮座していた。 月明かりの下、1人テラスで星空撮影をしていると、一人の青年が夜景を楽しみに上がってきた。 行かねば見れぬ景色がある。 長野出身と云う彼は景色に感動したのか歓喜の声を上げていた。 テントに戻り寝袋に身を沈めどれ位寝ていたのだろう。ふと微睡みの中から呼び戻される。 ズリ落ちる身体を戻すのも何度目だろう。脚が冷たい事に気が付きマットの上に身体を直す。 ちょうど時計は0500時を過ぎてたので、テントから顔を出すが辺りはまだ暗い。 昨夜にセットした目覚ましが鳴り出す瞬間に瞬殺する。 『ふっ…鳴る前に起きて止めてやったぜ。』 と勝ち誇る俺は何と戦っているのだろう…。不毛な勝利を喜び、モゾモゾと蓑虫を楽しみながらゴロついていると外から声が掛かる。 「おはよ〜。起きてる〜?」 ねぇさん、朝イチから元気ッスね…。 日の出に合わせ起こしに来てくれた様だ。 展望台のテーブルに着いた霜と霧散する吐く息が白い。気温も0℃に近いのだろう。 展望台には空の白さが増すに連れ多くの人だかり。 御来光を山頂で見る為に既に出発した登山者のヘッデンの明かりが山の斜面にチラつき散見される。 昇る陽の光に拡がる雲海が紅く灼けていく。 天体ショーも陽が出たところでお開きにして、今日の活力・朝食を頂く。 昨日の鍋を温め直し、アルファ米のピラフにお湯を注いだついでに淹れたコーヒーで身体も温まる。 アルファ米には良い思い出がないのだが、20年も経てば進化はする物。何と旨味調味料なる物まで付いて美味しい食材になっていることに驚きを隠せない。 旅行に行くと朝飯がいつも以上に美味しく食べれる現象。アレは一体何なんだろうか。 ペロリと美味しく頂き、五竜岳へのアタックを始めた。 テント場からの標高差は然程無い筈だが、隆起し陰影をつける岩肌と横に拡がる山裾がより大きく見させている。 暑くなるかもと承知の上でインサレーションを着てアプローチ開始。 露出した首元から風が冷たく吹き込み、体温を奪うのでフードを被り直した。 昨日に引き続き鎖場に出会うが、要領も得たのか昨日の鎖場に比べたら楽な様子で、お二人共スルスルと登って行った。 人間、経験とは大事だと納得させられる。 眼下に拡がる尾根道に連なり見える唐松岳や白馬三山。 流れる雲の演出に山頂を目指す足取りも軽い。 最後の鎖をやり過ごしたら山頂に出た。 山頂から見渡す景色は素晴らしい。手が届きそうな鹿島槍。黒くそびえる剣岳。雲を湛える白馬三山。手に載りそうなサイズの八ヶ岳。遠く雲から突き出る富士山。360度のパノラマビューを楽しんでいると、勢い良く飛び立つドローン。 他の登山者さんが楽しみに飛ばすドローンの飛行を眺めながら暫し休憩した。 楽しい時間が過ぎるのは早いもの。何時までも眺めて居れそうだったが、雲も出始め、身体も冷えて来たのでテント場に戻る事に。 鎖場、岩場にザレた場所と気を付けながら降ると五竜岳山荘の赤い屋根が見る見る近くなってくる。 『登りは時間が掛かるが降りるのは一瞬だ…。』 テント場で、フライに着いた白い薄氷を叩き落としながら撤収していくが、冷たい風が微妙に吹き、畳みづらいし、何より寒い。 気が付くと視界の先に花提灯まで垂れている…。 『如何なる美男美女だろうが百年の恋も冷めますよ。』 と、テレビで見るイケメンも鼻水垂らすのだろうか?と思い聞き手も無く呟いた。 お世話になったテント場と五竜岳山荘から帰路を取る。 昨日と同じく雲海が立ち込め下界の姿が見えない中に進んでいく。 最後のピークから振り返り、雲を湛え大きく連なる山々の姿に別れを告げた。 遠見尾根のボコボコと岩が転がる登山道。見上げると五竜岳山頂付近と赤い屋根の山荘がまだ見えている。 綺麗に色付いた山の斜面を写真に収めたかったので、暫し時間を貰って写真撮影。満足しカメラを仕舞い始めたら、同じく山頂も雲の中に白く沈んでいったのだった。 遠見尾根の坂は高度が上がるに連れ傾斜度も増す、なかなかにエゲツない登山道だ。ココを登るのを想像するだけで萎えてしまう。此処を好んで登る人はきっと変態…いや、健脚なのだろう。 下山するにも登り返しが何度も有るルートになっている。 細い尾根道の道筋にはネオンを点けた様に、赤、黄、緑と色鮮やかな草木が並び茶色い登山道を分かりやすくしてくれている。 切り立つガレ場の横を続いているが白い雲で詰め込まれ全く高度感を感じなかった。 意外と長い登山道。良くしたものでお昼頃には腹も減る。 『何処かで休憩しましょうよ。』 と、下りで何故か小走りになり始めたお二人のペースを落とさせる為にも声を掛ける。中遠見山で食材の消費と云う名目で早めのランチを持ち掛ける。 「イイねぇ〜。」x2 と喜色を表す声色を発しながら二人のお喋りの声が次第に遠くなって行った…。 『何故…加速するんだ!?(๑°ᄆ°๑)‼』 ねぇさん達、早いッスよ…。 己の目論見が裏目に出た事を知ったのだった…。 もうすぐ。と掻き分け上がった中遠見山。山頂には1mくらいの大きさのケルンが立っていた。荷物を降ろしランチに掛かる。 食べてなかった行動食のパンにボイルしたソーセージを挟んでホットドックにする。 温かい料理に身体が喜ぶのは、やはり冬を迎える季節を感じているからなのだろう。 我々が賑やかだったのか、近くに居た初老の御夫婦が笑顔で見守ってくれていた。 お話を伺うに山岳会にも入っていたのだろう。数々の名峰も登って来たご様子。 「いやぁ、僕は…。」 と優しく云うご主人を見るに、奥さんの方が活動的でご主人の方が連れ回されている構図の様だ。 夫婦とは良く出来ているものだ。故にお年を召されても一緒に山行出来ているのであろうと微笑ましく思った。 雲を抜け視線の先に拡がる人家の街並。久し振りと言うには短い時間だが、人の暮らしぶり、文明の明かりは、ホッとさせる景色だ。 色鮮やかに秋も盛りと思える草木の賑やかな登山道から遊歩道へと繋がり、いよいよ最後は庭園と出て、コンクリートで出来た遊歩道の感触を足の裏に感じて無事終了です。 ほづしさんが車をコチラ側にデポしてくれたので楽々温泉♨️に向かえたのでした。 食事や予約やら事前の準備もして頂いたお二人にも感謝致します。 ありがとう御座いました。 移り変わる季節を肌に感じ、色々学ばせて頂けた山行となりました。 季節はもうすぐ冬。 冬山装備で臨まれる事をオススメします。 《備忘録》 ファイントラック ベースレイヤー、モンテイン プレミノ、ファイントラック コアノパンツ、パタゴニア ナノエア、パタゴニア フーディ二ジャケット、ホグロフス60ᒪザック、水筒500ml+1ᒪ(やはり保温は出来た方が良い)、ダウン(上下)、C3fit ザック重量17kg 《使わなかった物》 バラクラバ(薄手)、ハードシェル(上下)コレは天気が良かっただけだろう。 『お風呂情報♨️』 下山し向かうは『十郎の湯』 ¥600− サウナは有りますが水風呂は有りませんでした。 2日間の汚れを流してさっぱりして帰路に就いたのでした。

活動の装備

  • その他(Other)
    サレワ(SALEWA) MS CROW GTX

メンバー

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