活動データ
タイム
16:21
距離
46.5km
のぼり
3495m
くだり
3493m
活動詳細
すべて見る※長文です。スルーしてください。 富山県ならもちろん立山(大汝山)だが、自分の住む富山市の最高点は水晶岳(2986m) いつか行ってみたいと思いつつ、僅か数か月前までは、挑戦を宣言することすら憚られる、そんな遠い存在だった。 だが、フォロワーさんから体力的には大丈夫とのお墨付きをいただき、調べて見ると、確かに累積標高差はそんなにない。長いアプローチと高瀬川沿いの林道対策は、先週のアルペンルートでバッチリ。初めての裏銀座の眺めに期待を膨らませて出発した。 まずは暗闇の中を7kmほど歩いてからブナ立尾根へと向かう。最後のトンネルで車道を歩いていると出口の歩道横にある吊り橋に気づかず、河川敷を彷徨った後、軌道修正し登山口へ。 ブナ立尾根は、ヤマレコの分析によると平均勾配は約37度で、日本・北アルプス三大急登の中でも最もきついらしい。相当登り上げたと思ったときに、「10」の看板を目にしたときは、絶望的な気分になった。それでもめげずに歩みを進めるが、「6」を過ぎたところで、寝不足続きがたたったのか、脹脛を攣り、思わず叫び声をあげる。序盤から早くも不安に襲われるが、最近感銘を受けた言葉「行けるかどうかじゃなくて、行くしかない。」を思い出す。こんな快晴の中、撤退なんてあり得ない。 看板1つごとに小休止をとり、烏帽子小屋に到着。遥か遠くで赤牛岳や薬師岳が歓迎してくれる。脹脛の痛みは完全に消えていた。朝食を食べ、次の三ツ岳へ。紅葉の始まった斜面が美しい。高度を上げるにつれ、立山・後立山連峰の山々が姿を現し、何度も何度も振り返って撮影タイム。特に立山の存在感がすごい。前方には槍の姿も見えてきた。もはやワクワクが止まらない。 3つのピークの1つ目が三ツ岳山頂。それまで隠れていた野口五郎岳や目的地水晶岳が姿を現すが、まだまだ先は長い。次の野口五郎岳まではアップダウンもほとんどなく快適な道が続く。尾根道では終始絶景が広がり、写真撮影でなかなか前に進めないが、労せずして山頂に到着。山頂からは、遮るもののない槍ヶ岳の眺め。笠ヶ岳も頭を出し、遠くには乗鞍や御嶽山まで見える。初めての景色にさらにテンションが上がるが、水晶岳へと続く長い稜線もはっきりと見える。水晶小屋への登りが本日最後の正念場か。 野口五郎岳からほどなく真砂岳のピークを踏み、水晶小屋へと向かう。東沢乗越から見る東沢谷の眺めを堪能した後は、いよいよ水晶小屋への登り。岩稜帯で好きな道だが、細かなアップダウンが多く、なかなかきつい。最後は少しバテながら小屋に到着し、小屋裏の赤岳で大休憩。ここもやはり絶景で、シャッターが止まらない。そして、荷物をデポして近くに見える水晶岳へ。山頂へは歩きやすい道が続いており、ビクトリーロードを満喫しながら進む。 そして、ついに水晶岳山頂へ到着。言葉にならない素晴らしい景色が360度広がる。いつもなら、山頂到着後早めに下山するところだが、この景色はゆっくりと味わわないと勿体ない。他の登山者とまったり喋りながら、感動を共有した。皆下山したくないというが、本当にそんな気持ちになる眺めだった。こんな最高の天気の日に、ここまでの絶景を拝めるなんて、人生で数えるくらいしかないだろう。 名残惜しいが、時間がやばくなってきたので、下山開始。復路は竹村新道から湯俣温泉経由。竹村新道は手入れはされているものの、笹薮が少々五月蠅い。南真砂岳と湯俣岳を経て晴嵐荘に着いたのは5時半だった。心配していた高瀬川の水量は少なく、難なく渡渉。そしてここから15kmの平坦な登山道と林道歩きを経て無事ゴール。心に残る長い長い1日が幕を閉じた。 とまあ、大変充実した山行だったわけですが、いくつか失敗もあったので自戒の念も込めて記載。 【失敗①】 今まで山小屋を利用したことはなかったけれど、今回は軽量化のため飲料・食料はある程度山小屋での調達を想定し、少な目の用意。水晶小屋についた時点で飲料はペットボトル1本とウイダー、食料はおにぎり1個とカロリーメイト半分のみ。水晶岳を往復して小屋に戻り、閉鎖を知った時には血の気が引きました。その後は極力汗をかかないように体への負担を減らして歩き、どうにかなりましたが、気温の高い時期なら危なかったです。 【失敗②】 竹村新道に入り、真砂岳のトラバース道をすぎてしばらくすると、尾根を外れ、巻き道をたどりますが、ぼーっとしていたのか巻き道への入口を完全に見落とし、僅かな踏み跡のある尾根の岩場を進んでしまいました。正規ルートではないと気付いた時にはリカバリー不能で、そのまま岩に掴まりながら尾根を降りましたが、とにかく岩が脆くてホールドを保てない。大きな落石が膝を直撃したりと、山歩きを始めてから、初めて身の危険を感じました。 【失敗③】 眺望を楽しみすぎて、到着予定時間を大幅に遅れましたが、遅れる旨を連絡しようにも竹村新道に入ってからは、全く携帯が通じない。結局、山の神隧道まで戻った時にようやく電波が繋がりましたが、家族からは何度も着信が入っており、「もう少しでココヘリを呼ぶとこだった。」とのこと。当然のごとく当面の禁山を言い渡されました。あと1回、北アルプスに行きたいんだけどなぁ。 【コースについて】 日帰り最難関の100名山とも言われる水晶岳ですが、今回のルートでは、実際山を歩いたのは20kmあまり。時間はかかりますが、疲労は大したことありません。新穂高からならまた違うのかな。早めに歩けば時間的には、もう2時間ほどは短縮できそうですが、平地歩きが長すぎて面白みにかけるので、このコースで行くことはもうないかな。
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