グレート盗られバース 1839峰

2020.09.28(月) 3 DAYS

過去イチの長文です、最後に事件に巻き込まれました。 ご覧頂けたら幸いです。 文に遭難しないようにして下さい。 リベンジとなる山行。初回は意気込んで臨んだはずなのに、暑さに晒され過ぎてバテてしまい、テン泊もせずのコイカク登頂のみで終えてしまった。 引っかかっている事ではあった。 自分の体力や脚力から考えて、2泊3日なら... ならば、3連休の時にもう挑んでいくしかない。 今年ももう秋も深まり寒くなってきている。 9月一杯が活動時間的にも気温的にもラストチャンス。 そんな時は巡ってきた。 天気は良し、風も問題ない。 ただ、25日頃から降り続いていた雨が気になってはいた。相当量は降り続いたと思われる。 27日の未明には雨も上がり、落ち着き始めていたが、大雨の影響で、ピョウタンの滝ゲートが閉鎖されているとの情報を得た。 直前でどうする...ピョウタンの滝から登山口まで8kmといったところ。 自転車...だな。 こんな事で計画をスルーさせたくもなかったので、天気の良さを信じて決行することにした。 防寒装備の追加。水は60ℓザックには5.1ℓが搭載量の限界だった。 寒くなってきているから、そんなに飲まない、大丈夫だろう、安易な考えだった。 28日4時前に札幌を出発し、8時半にはピョウタンの滝ゲートに到着。 快晴、微風。 ゲートは閉まったままだった。 時間もそんなには余裕はないので、待つ事はせずに自転車に乗り換え出発した。 若干の上り、自転車は押し歩きしつつも1.5km程進んだところで、前から車が...「ゲートは閉じているはず。。」 そのうちに後ろからも車が上ってきた。。 「まさか、まさかね、、だが今もしゲートまで戻ったとして、一時的に開いたゲートだったらどうする、また閉まっていたらどうする。右往左往はしたくない」ともう進むしかなかった。 漕いでいける傾斜もあり、思ったよりペースは良かったと思う。 40分近く経ったか、ようやく登山口に到着した。 札内川ヒュッテには車は1台も止まっていない。 登山届けにも、名前は書かれていない。 誰もいなさそうだな、、 出来るだけ奥に行こうと、自転車はコイカク登山口の草地の端っこに止め、出発した。 沢はまだ水は引いてはいない状態で、当然前回よりは水量は多かった。 それでも膝上くらいの渡渉もあり、流れも速かった。 沢ゾーンは概ねCT通りに通過。 登山靴に履き替え、今回もヤッケ下を着用。蒸れるんですよね。。 登山靴はスポルティバのGTXのTX5。ここも大きな違うポイント。履いて3回目でこのロング山行でどう活躍してくれるか。 「またこの地獄の急登を登るのか...」気持ちは重かった。 前回よりも重たい荷物で、当然ペースは上がらなかった。 ただ、気温は落ち着いており過ごしやすいくらいだったので、ほとんど汗はかかずに登ることが出来た。 ゆっくりゆっくりと歩を進める。 1310mのテン場に着いた時点で15時くらい。。 結構ギリギリの進み具合だった。 初日から日没を迎えるのか? それくらいのペースだった。 ロック尾根も慎重に通過。周りは見ない。前だけを見る。集中することで、高所への恐怖を誤魔化した。 尾根上に出た、快晴の日高山脈が出迎えてくれる。 時間は無かった。迫る日没を前に、何とかテン場に到着。 コイカクピークをベースとした。 当然誰もいない。 本当に日没ギリギリで設営し、即夕食作りへ。 しっかりと食事を取りながら、日は沈んでいった。 ヤッケ着用はやはり微妙で、ズボンまで結構蒸れていた。これは着干しだな。。 山は穏やかだった。ザンクもヤオロも力強く佇んでいた。 独り占めの凄い光景だった。 ダラダラしながらも、翌日のためにシュラフに入って寝ようとする。 完全防備で着込んだはずだったが、足が寒かった。カイロ使用したが、これは考えものだな。 風はふいに強くなり始め、テントに叩きつけてくる。 バタバタとなかなか眠れなかった。 どれくらい眠れたのだろうか、29日の4時前からアレコレと準備を始め、食事を食べる。 バタバタと時間を要してしまい、出発出来たのは日の出後。 アタックザックには食糧、エマージェンシーセット、レイン上、水分が1.6ℓ。寒いだろうからこれくらいの水分でいいだろうと、また甘い考え。 本当に活動時間は12時間。 コイカク→ヤオロで3時間 ヤオロ→1839峰で3時間 このCT内でいかないと未来はない。 さあ、未知の世界へ。 ハイマツが出迎える。ええ、たっぷりのハイマツが。 脛にはサッカーの脛当てを装備。 足元の防御力はかなりの鉄壁だった。 足元のハイマツの跳ね返りは気にならない。 ひたすらにハイマツを押しながら進んでいく。 日が上がり、今日の快晴を祝福してくれていた。 風こそまだ強めだったが、徐々に弱くなり、、気温が上がり。。 だが周りは日高山脈オールスター。遠くまで見通せる景色に、原始の山々は力強く映っていた。 ヤオロ到達時でスタートから2.5時間経過。少しだけ余裕が出来た、出来たはずだった。 気温が上がり、太陽が強く刺してくるようになった。 暑いな、、遮るものはほとんど無い。 少しずつ水分摂取量は増えていった。 ヤオロからの先が真の全てが詰まっている領域だった。 一つ奥のピークを下ってから藪漕ぎ... そこから何山越えるのか。。 ハイマツやら普通の木やら、笹藪やら踏み跡をあるのか無いのか、はたまた木の枝を歩いたりと、登山道はなかった。 ひたすら踏み跡を頼りに、「よくこんなところに人が通り、踏み跡が出来たな...先人は本当凄い、、何故こんなところまで。。」 全てがMIXされた踏み跡、、凄まじく過酷だった。アップダウンも激しく、時には笹やハイマツの枝を掴みながら、身体を持ち上げる。 このような時には頼れる存在だった。何度命を預けただろうか。 水はその内に少なくなっていった。 気がつくと、行きで飲める分はほとんど無くなっていた。 水分制限をするしかない。 少し進んでは一口、進んでは一口、とこれだけでもストレスではあった。 先に得た30分の時間は割り始め、ザンクに登頂しなくてはいけない時間も迫ってきていた。 ひたすらに過酷、身体の全てを使い前進していく。 天気だけは味方し、快晴は続いていた。 ザンク直下の最後の岸壁。最後にこの仕打ちとは、、何という試練だろうか。 もう「怖い」とか言ってられなかった。 目の前の草木を掴みながら、ひたすらに登っていく。 頂の上に立つために その先の景色を見るために 静かなる山頂。 待っていてくれていた。 カムエクの存在感や何たるものや 原始の山の深淵に聳える1839峰に登頂した。。 真っ白になったと思う。 やり遂げたというのか、凄まじい達成感が頭の中を塗り替えたと言うべきなのか。 真っ青な空の中、グッと喜びを噛みしめた。 ...戻らないといけない。 同じように。アップダウンを繰り返しながら、あの全てが詰まる道?を。 集中した。かつてないくらいに。水分摂取量の調節をしまくりながら、残り700ml程で勝負を賭けた。 体力脚力は残ってはいたが、常に水分に飢えているような状態で、行き程のペースは上がっていないように思えた。 けど違った。生き残る力なのか、執念なのか、速くはないものの、ある程度のペースは維持出来ていたのだと思う。 ヤオロを前にして、ガスが発生していた。 ヤオロには吹き上がらずに溜まっていた。 後ろからは照りつける太陽。 ブロッケン現象が起きていた。 初めて体験する現象、まさかこの地にて見ることが出来るとは。 ヤオロの谷筋に出る度に、ブロッケンは起き続けていた。 日没が迫ってくる。 ヤオロを越え、窓も通過。 後はコイカクへの最後の登り返しだった。 最後の最後にハイマツの逆目が邪魔をしてくる。 ひたすらに漕いだ。 ハイマツの海を漕いだ。 水は飲み干した。 日没後、10分ぐらいでテントまで戻ってこれた。。 危なかった。。 よくやったと思う。本当に。 生きて戻らないことには、何も為さない。 また急ぎ夕食調理開始し、空腹を満たす。 ヤッケは汚れ等には気にならなかったが、蒸れすぎていた。かつてない程にズボンは濡れており、痒くて痒くて仕方なかった。 今日も誰もいなかった。 まあそんなもんだろう。山の世界にどっぷりと浸かっていた。 寝る...がなかなか眠れない。 疲れているはずなのに。やや寒さはあったが、どうも寝付けない。 ウトウトしながら、30日の朝を迎えた。 日の出に合わせて撤収準備を行い、日の出後に下山開始することにした。 水は残り400ml。沢まで下りれば無限浄水で水分は補給出来る。。 薄曇り、ある意味良いタイミングだった。 歩きだそうとするが、大腿部の筋肉がプルプルしていた。 通常時の半分くらいの筋力か、やはりタダでは済まなかったようだ。 こんな脚では...ロック尾根すら下れない。 滑落してどうする? 生きて下山しなくては何も為さない。 最後の集中力だ。 下山してコーラを飲むんじゃああ!! そこからの集中力はかつてない程のものがあった。 どこがロック尾根?という程にスタスタと下り、急登ゾーンをひたすらに下る。 ある意味で楽しかったな、攻略した気分だよ。 沢まで下りてきた、、後はCT2時間分! もう体力も脚力も何も残ってはいない。岩と岩の少しの段差でもバランスを崩すくらいだった。 気力との勝負だ。 沢で水分補給し、ひたすらに歩き出す。 長かった、とにかく長かった。 第二のハコでは巻道を使ってみたが、笹藪...!?!?もう辛いっす、、踏み跡なのかどうか分からないところから横に逸れて、沢に復帰しようとしたところが泥泥で踏ん張り切れず2m程滑落...マットレスが守ってくれた。。 酷い状態だった。 褒められるような登山ではない。 山を舐めるなよ...! 怒られても当然だな。 第一のハコを通過、まだまだ先は長く... そして堤防。。 戻ってきたよ...登山口へ。 草地の横には行きにはなかったゴミ袋が落ちていた。誰かがここで騒いだのだろうか? まあ...自転車でウイニングランじゃあああ!! あれ?!?! 自転車のサドルが見えない... えっ?!疲れ過ぎて目が見えなくなっているのかな、乗ってみよう。 あれ?! サドルに座れない。。 はあ?!どういうこと? サドルが無い! 無いんだ、どう考えてもあるはずのものが無い!! ふざけんなや!  誰かに盗まれた? 投げられた? 仕方ないから付近を探してみる。 見つからない、どこにも落ちていない。 草地に一台の車が入ってくる。渓流釣りの偵察か? 自分の動きは明らかに不自然だった。 変だろう? 私はサドルを探しているんだぜ? 何故山奥で? どうでもよかったんだけど、サドルは見つからなかった。 青ざめたよ...サドルと、サドルポストも無く、座れないので自走不可。フル装備のザックを背負っているので更に不可。 8kmを歩けってか... 絶望だった。 歩くしかなかった。 怒りに任せて... この先はトンネル続きだ、ライトライト、、と!?!? はあ?! あるはずの位置にライトが無い?!?! バカか? ライトも盗まれた!!  意味が分からなかった。 もう怒りに任せて歩くしかなかった。 体力とか脚力とか、まだ残っていたもんだよね、不思議と。 トンネルでは叫んだよ 「○ねぇぇぇぇぇ!!!!」ってね。 虚しくこだましていくだけだった。 怒りから悲しみへ。 人間のやることってこういうこと?! 絶対に死なないからな、舐めるなよ。 食糧もまだ残っているし、浄水器もある。 永遠に続くトンネル。 とてつもない長さだった。 道ゆく車に不思議がられる。 私の表情はもう魂も何も残っていなかった。 感情だけで動いている。 ああ、戻ってきたさ、山岳センターに!! くたばれ!! 身体の力がドッと抜けた。 生きた実感がした。 とりあえず着替えて、中札内まで戻った。 警察に行くことも考えたが、疲れ過ぎていて、諦めかけそうになっていた。 唐揚げ食って、福祉の里温泉に行き、サッパリした。 SNSには被害を公表しており、DMを頂いていた。 被害にあったら被害届は義務。 そりゃあそうだ、泣き寝入りするシステムではないだろう、この世の中は。 せめてもの足掻きをしよう。 帯広警察署中札内駐在所に車を走らせ、警察官に事情を話した。 被害届の受理には、もう一度現場に行き、現場検証をしないと受理されないとのこと。 事実説明に1時間、その後に警察官とまた片道30kmのコイカクの登山口に行った。 日没後のコイカク登山口、完全に暗い中で警察官と、自転車を置いたり横にしたら、何したりアレしたり。 不思議な光景だった。 全てが終わったのが18時30くらいか。また中札内に戻った後、札幌に向けて走り出した。 もうあくびと、ため息の連続。 だが、あり得ない集中力は続いた。 ノンストップで走り続け、札幌帰着。 こんな事は起きて欲しくない、いや、起きることがおかしい。 ありのまま、全てを書き綴っておきます。 注意喚起というのも変だと思います。 いや、おかしい、、悲しいし腹立たしいし、悔しい。 けど、今回自分はザンクリベンジに成功して無事に下山したんだ!! これだけは紛れもない事実!!!

行くぞー!

行くぞー!

行くぞー!

誰もいない

誰もいない

誰もいない

沢はやや増水

沢はやや増水

沢はやや増水

堤防

堤防

うむ、快晴だ

うむ、快晴だ

うむ、快晴だ

上二股へ

上二股へ

上二股へ

地獄の急登

地獄の急登

地獄の急登

1310mのテン場

1310mのテン場

1310mのテン場

何とか着いたぜよ、、金色グラフティー!!

何とか着いたぜよ、、金色グラフティー!!

何とか着いたぜよ、、金色グラフティー!!

おふぁ!?

おふぁ!?

おふぁ!?

日高よ、、何と深き山よ

日高よ、、何と深き山よ

日高よ、、何と深き山よ

ザンク、待ってろよ!

ザンク、待ってろよ!

ザンク、待ってろよ!

何とか設営

何とか設営

何とか設営

食べる

食べる

食べる

食べた

食べた

食べた

月夜のザンク

月夜のザンク

月夜のザンク

おはよう日高

おはよう日高

おはよう日高

今日も天気は良さそうだ!

今日も天気は良さそうだ!

今日も天気は良さそうだ!

ハイマツハイマツ

ハイマツハイマツ

ハイマツハイマツ

ハイマツの海に溺れる

ハイマツの海に溺れる

ハイマツの海に溺れる

今日も素晴らしすぎる日高山脈よ!

今日も素晴らしすぎる日高山脈よ!

今日も素晴らしすぎる日高山脈よ!

ヤオロ!!

ヤオロ!!

ヤオロ!!

緑深き、原始の山々よ

緑深き、原始の山々よ

緑深き、原始の山々よ

小さい秋

小さい秋

小さい秋

どこに道が?

どこに道が?

どこに道が?

後何山越えれば、、

後何山越えれば、、

後何山越えれば、、

ラストか!!

ラストか!!

ラストか!!

登頂!!

登頂!!

登頂!!

あああ、、、深淵の地へ、まさか自分が到達するとは!!

あああ、、、深淵の地へ、まさか自分が到達するとは!!

あああ、、、深淵の地へ、まさか自分が到達するとは!!

ふぐほげぇ!!

ふぐほげぇ!!

ふぐほげぇ!!

もう言うことなし!語彙力崩壊!

もう言うことなし!語彙力崩壊!

もう言うことなし!語彙力崩壊!

ヤオロの横にガス発生中

ヤオロの横にガス発生中

ヤオロの横にガス発生中

ブロッケン!!

ブロッケン!!

ブロッケン!!

おやまあ!!

おやまあ!!

おやまあ!!

まだまだ継続中

まだまだ継続中

まだまだ継続中

まだまだまだ続くよ!

まだまだまだ続くよ!

まだまだまだ続くよ!

はははは

はははは

はははは

小さい秋

小さい秋

小さい秋

まだまだ続いていただよ!

まだまだ続いていただよ!

まだまだ続いていただよ!

戻ってきた。。

戻ってきた。。

戻ってきた。。

おはよう、、

おはよう、、

おはよう、、

さようならザンクよ、、

さようならザンクよ、、

さようならザンクよ、、

ライトとサドルが盗まれた自転車

ライトとサドルが盗まれた自転車

ライトとサドルが盗まれた自転車

くたばりやがれ!! おっと、口が悪くてスイマテェン!!

くたばりやがれ!! おっと、口が悪くてスイマテェン!!

くたばりやがれ!! おっと、口が悪くてスイマテェン!!

行くぞー!

誰もいない

沢はやや増水

堤防

うむ、快晴だ

上二股へ

地獄の急登

1310mのテン場

何とか着いたぜよ、、金色グラフティー!!

おふぁ!?

日高よ、、何と深き山よ

ザンク、待ってろよ!

何とか設営

食べる

食べた

月夜のザンク

おはよう日高

今日も天気は良さそうだ!

ハイマツハイマツ

ハイマツの海に溺れる

今日も素晴らしすぎる日高山脈よ!

ヤオロ!!

緑深き、原始の山々よ

小さい秋

どこに道が?

後何山越えれば、、

ラストか!!

登頂!!

あああ、、、深淵の地へ、まさか自分が到達するとは!!

ふぐほげぇ!!

もう言うことなし!語彙力崩壊!

ヤオロの横にガス発生中

ブロッケン!!

おやまあ!!

まだまだ継続中

まだまだまだ続くよ!

はははは

小さい秋

まだまだ続いていただよ!

戻ってきた。。

おはよう、、

さようならザンクよ、、

ライトとサドルが盗まれた自転車

くたばりやがれ!! おっと、口が悪くてスイマテェン!!

この活動日記で通ったコース