天空の楽園雲ﾉ平4泊５日の旅(ホントの目的は高天原温泉の混浴)

早朝目覚めると、用意して有ったザックを車に積み込み折立へと走らせる。 今日から6泊７日の長旅になる。 期待と不安をない交ぜにしながら、山を始めてからの二つの目標で有った内の一つ｢日本最後の秘境　雲ﾉ平｣へアタックだ。 折立駐車場は、連休で臨時駐車場を設け、そこの最後の空きスペースに何とか滑り込ませると、いつも以上に靴ヒモを固く結び、500m離れた登山口へ足を運ぶ。 ｢さぁ行こう｣決心を心に語り、今までの山行の集大成とも言うべき第一歩を踏み出した。 出発して間もなくいつも変わらずアラレちゃんが元気を与えてくれる。 太郎平小屋ではカイコ部屋に泊まり、同室で有る混浴好きのお兄さんと会話が弾み１日が過ぎた。 ２日目朝食を済ませ、これからが本番だ。 気合いを入れ直し、薬師沢出会へ下り黒部川へと降り立つ。 ほぼ垂直に続く、苔とヌメリの大岩を｢雨で下りは自殺行為、まるで修験者の様だ｣と２時間近く何度も念仏の様に繰り返してると、徐々に配松に覆われた木道が現れ、｢さぁ、もう少し｣と逸る気持ちを抑え、ゆっくりとしかし確実に歩みを進めると、不意に視界が開け、黒部五郎岳、笠ヶ岳、三俣蓮華岳、小さく槍ヶ岳が秋晴れの中姿を表した。 瞬間｢God Bless You!　 You Make Me Feel Blend New｣ 神等全く信じない俺に、俺の神で有る達郎が何度も何度も唄い続けてくれた。 ｢やった、俺は来たんだ｣ ２０年間の想いが遂に果たせたのだ。