ピンクリボンや黄色いペンキ、ありがたい 戻る 次へ

道迷い遭難と水不足の写真

2020.09.24(木) 12:18

ピンクリボンや黄色いペンキ、ありがたい

この写真を含む活動日記

60
4

15:55

59.2 km

3385 m

道迷い遭難と水不足

大雪山系・旭岳・トムラウシ (北海道)

2020.09.24(木) 日帰り

「YAMAPがあれば道迷い遭難は、ほぼ無いでしょ」 そんな過信がどこかにあったんだろう。 トムラウシ山のピークを取って、さぁ下山…と思ったら、天人峡温泉までの道のりは果てしなく遠く、そして登山道は険しかった。 すでに距離は50kmを超え(ガーミン)・累積も3000mになって、かなり脚は無くなっていたし、疲労感も強くなってきていた。 天人峡温泉への登山道は笹薮やハイマツ漕ぎから始まって、大きなゴロゴロ石や濡れたグチャドロ路面。 「ここ川でしょ」 っていうくらい、ずっと石や路面の濡れで滑りやすい状態に悩まされ、下りなのにペースは全く上がらない。 ナイキのトレイルシューズ、濡れた路面にメチャ弱いよ。ランシューズかよ。帰ったらサロモンのスピードクロス買おうって思ったw 何度も滑って、何度も転んだ。腕や足は傷だらけ。 当初、トムラウシから天人峡温泉までの所要時間は3時間程度かなって思ってた。 でも全然。3時間じゃ絶対到着しないって途中で気付いた。下りでもキロ20分とか必要になってるし。 そうなると水分がヤバい。3時間で到着するギリの分しか持ち合わせていない。 いや、正直に言うと3時間でも足りないくらいだった。随分前から節約しながら水分摂取してたので、だいぶ喉はカラカラ。 このままだと16時位に天人峡温泉に到着する予定が、17時…いや、18時・19時もありえる。 そんな焦りもあったのかもしれない。 岩がゴロゴロで濡れた路面、以前川だったかのような険しい登山道を下っている途中で、何の迷いもなく同じような光景の広い道を左折した。 そこからは、先が見えないくらいの笹薮や、苔が前面に付いた岩がたくさん、大きな岩も何とか下りていった。 「本当にここは登山道が厳しい。辛い。」 そう思いつつ下っていくと、凄く綺麗な水たまりがあった。澄んだ水だ。もう喉の乾きは限界だった。この段階ですでに16時半。17時を過ぎると、山は徐々に暗くなってくるはず。 「もう心を決めよう。どんなに急いでもゴールはまだずっと先。ライトを出して夜に備え、思い切って水たまりの水をろ過して飲んで、ソフトフラスクにも入れよう。あと2~3時間戦えるように。本格的に暗くなる前に準備だ」 ザックを下ろしてろ過器を出して準備を整えた。ろ過して飲んだ水たまりの水は、とんでもなく美味しかった(笑) 一気に1リットル近く飲んだだろうか。ソフトフラスクにもたっぷり入れた。(その後、お腹は痛くならなかったよ笑) そして再び前進。相変わらず厳しい道。 (本当にキツい…いや、キツすぎる。これはもしかして…) スマホを出して、YAMAPを確認した。かなり登山道を外れてしまっている。 (これはヤバい。すぐに戻らなきゃ…) とはいえ、険しい道をだいぶ下ってきてしまった。戻れるのか。 笹薮を這って進み、滑りまくる大きな岩を何とか登り…それでも正規の登山道は近づかない。いや、また別のルートに外れている感じすらある。心臓の音が聞こえる。 しばらく頑張ってると、水を補給した水たまりに来れた。ロストした道だから、誰も通ってないから綺麗だったんだ。 (もうすぐ暗くなるし…もしかして遭難するのか?) 水たまりの先も進みにくいけど、半泣きで、大きく息切れしながら進む。こんな所で道迷い遭難なんて、しなくない。死にたくない(大げさ?笑) YAMAPを見ながら一生懸命登山道へ戻るように必死に登っていって、ようやく正規ルートに戻れた。 そこは四つ角のような感じになっており、正規の登山ルートよりロストした道の方が広かった。疲れと焦りからくる確認不足で、何となく同じような感じの広い道に行ってしまったんだろう。 ロストしていてもロストしたと気付かずに進んでしまい、戻れないくらい険しい、戻るのが面倒だ、このまま行けるのでは、疲れているからこのまま行きたい、そんな状況や判断が、たとえYAMAPがあっても道迷いしてしまう要因になり得るんでしょうね。 正規ルートに戻った後は、木道が出てきたりして歩きやすくなったものの、長すぎる、本当に長い天人峡温泉までの道のりを苦労して、苦しみながら下りていきました。 そしてあと5分か10分で到着だ!という時だった。 最後に思いっきり滑って転倒。 登山道から斜めの斜面に落ちた。今日一番の衝撃で、右腕が折れたかと思うほど。数分全く動けず。(帰りの運転に難儀するほどで、今も結構ボッコリと腫れてます( ;∀;)) やっぱりゴール手前が一番要注意だなー。油断するんだろうな。 色々と勉強になりました。 結局トムラウシから天人峡温泉まで5時間、18時に到着でした。トムラウシ登頂で今回の挑戦はほぼ終わったな、あとは下山だけ♪みたいな気持ちだったけど、本当に大変で恐ろしい道のりは、それからだったのね。 心身共に疲れ果てました。 応援してくださった皆さま、ありがとうございました。無事に生還出来ました。 ★★★ あ!自分史上最大の挑戦の事は全く記載してませんでした!(笑) 朝2時スタート、雲ひとつ無い夜空に満天の星空、24時間営業の噴気孔、旭岳9合目からの光る砂たち、北海岳でのご来光、進んでいる間はずっと雲海を堪能出来たこと、得難い経験、忘れられない思い出がたくさん出来ました♪今日はずっと無風~微風だったのも幸運でした。 天人峡温泉に到着した時は、生きて帰れて泣けました(笑) 到着が遅れたせいで、天人峡温泉の日帰り温泉は終了。 やむなく宿泊したケーズハウスに車で30分かけて戻って、日帰り入浴。ここは前日宿泊した人は、800円の日帰り入浴が無料なんです。 宿泊代金4050円で、日帰り入浴も無料。お得ですよね~(*´∇`*) ※前日の日記に応援のコメントをくださった皆さま、ありがとうございました! ※ガーミン計測 63km 3500m