活動データ
タイム
27:42
距離
63.2km
のぼり
4285m
くだり
5041m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る真言密教の聖地である和歌山県高野山。 そして、熊野三山の1つである熊野本宮大社。 2つの聖地を結ぶ、熊野古道小辺路。 紀伊半島の最深部、紀伊山地の奥深くを南北に縦断するこのコース。 総延長は約67km。 行く手には伯母子峠、三浦峠、果無峠と1000mを越える峠が3ヶ所待ち構えている。 不定期企画「熊野古道を行く」。 第3回目は、この難所と言える小辺路を4日間掛けて踏破する縦走企画。 [1日目、水ケ峯越] 高野山を朝9時に出発。 標高の高い場所からのスタートとなるので、この日はキツい登りは無い。 また水ケ峯を挟んで、高野龍神スカイライン、林道タイノ原線の舗装路を歩くことになる。 これから起こる困難を考えれば、この日はほんの肩慣らし程度。 [2日目、伯母子岳越] 朝8時、奈良県野迫川村大股の登山口を出発。 ルートはいきなりの急登から始まる。 食事や水は全て現地の民宿に依頼し、荷物は極力減らしたつもりだが、やはり4泊5日分の着替えや小物類はズッシリとくる。 バランスを崩さないよう、足場を確認しながら登る。 2時間半ほどで伯母子峠と伯母子岳山頂への分岐に到着。 本来のルートは峠に向かうのだが、伯母子峠付近で崩落が発生した為に通行止め。 いったん伯母子岳山頂を経由し、そこから迂回路を進むことになる。 迂回路は地図にも載ってないルート。 ピンクのテープを頼りに、また時折GPSで位置確認をしながら、小辺路本来のルートに合流。 昼食休憩後、徐々に傾斜がキツくなる下り坂を降り、この日の宿泊地、奈良県十津川村五百瀬集落に到着。 しかしここでも土砂崩れが発生し、集落で唯一の県道は通行止め。 すぐ横の河川敷に作られた迂回路を進み、宿に到着。 重い荷物と急坂の為に靴擦れを起こしたのか、右足小指にマメが出来ていた。 潰して絆創膏を貼る。 またこの日、紀伊半島に台風が接近しているとの情報が入る。 翌日以降の計画に、暗雲が垂れ込み始める。 [3日目、三浦峠越] 朝7時半、三浦口登山口から出発。 ここもスタート直後から急登。 重い荷物、靴擦れの痛み。 焦らずゆっくり取り掛かる。 途中休憩を挟みながら、2時間半ほどで三浦峠に到着。 下り坂になると、靴擦れの痛みは更に増す。 そして台風接近の影響か、小雨が降り始める。 三浦峠から3時間ほどで、国道425号線に出る。 ここから宿の十津川温泉まで約3時間、舗装路を歩くことになる。 バス停のベンチなどで休憩を取りながら、15時半に宿に到着。 右足小指の絆創膏は、出血で真っ赤に染まっていた。 [4日目、果無峠越] 台風は進路を東寄りに変え、紀伊半島直撃は免れた。 小雨が降る中、最終日、果無峠越えに向かう。 雨に濡れた石畳の道は滑りやすく、慎重に進む。 出発してから約3時間、今回のルート最後の峠、果無峠を越える。 だが靴擦れの痛みは、登りよりも下りのほうがキツい。 また前日の長い舗装路歩きの影響か、足の裏がジンジンと痛む。 果無峠から2時間半ほどで、国道168号線に出る。 1時間ほど進み、三軒茶屋跡で中辺路と合流すれば、旅はいよいよクライマックスに。 神秘的な熊野の森を抜け、最終目的地、熊野本宮大社に到着。 ついに、熊野古道小辺路の完全踏破を達成することが出来た。 豪雨によるルート崩落や土砂崩れ。 台風の接近。 靴擦れによる血マメ。 「計画断念」の文字が幾度となく頭をよぎった今回の縦走企画。 熊野古道小辺路完全踏破の達成感と、困難な山旅を終えた安堵感。 今しばらくは、この充実感に浸っていたい。
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