立山③奥大日岳

この日の目的は2つ。 剱岳がきれいに見える所まで歩くことと、お風呂に入ること。 元気なら奥大日岳まで行き、疲れたら途中で引き返すことに。 標高差もアップダウンも少ないこのコースは今の私の体力にちょうど良かった。 大学生の時、バイト休みに奥大日へも行った。 その時は雷鳥沢から大日連山を歩き、大日平小屋、牛首を経て、八郎坂を上がり、弘法のバス停まで行き、バスで室堂へ戻るというコースだった。 私はアホだったのだ。 体力自慢なのをいいことにこのコースも「行けるっしょ☆」くらいだったのだが、今コースタイムを計算しても、11時間以上ある。 最後の八郎坂がとにかくキツかった。 牛首から下る折、岩場で足も捻っていた。 疲労の蓄積と捻挫で足取りは重くなるが、永遠のように急登が続く。 途中、数歩進んでは止まり、数歩進んでは止まることを繰り返した。 人生初めてのバテはこの八郎坂だ。 ようやくバス路線に出た時は、助かった〜と思ったのを覚えている。 それ以降、私は無理なコースを組まず、自分の体力を過信することはなくなった。 さて、この日は高曇りで青空ではないけれど、剱岳はもちろん、遠く槍ヶ岳、笠ヶ岳までよく見えた。 剱岳の勇姿を堪能したあとは、お風呂へGOだ！ 運良くほかのお客もおらず、1人で貸し切り状態。 風呂場からの景色も素晴らしく、硫黄の香りが温泉気分を高めてくれる。 さあ、あと1日で帰らなきゃ。 ※立山④に続く。