読売新道 赤牛岳&黒部横断:高瀬ダム~ブナ立尾根~烏帽子小屋~野口五郎~水晶岳~赤牛岳~奥黒部ヒュッテ~平の渡船~五色ヶ原~獅子岳~一ノ越~立山室堂 2020年9月

2020.09.19(土) 3 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 40
休憩時間
39
距離
3.7 km
のぼり / くだり
1278 / 48 m
DAY 2
合計時間
13 時間 27
休憩時間
3 時間
距離
19.9 km
のぼり / くだり
1280 / 2311 m
2 2
9
20
56
32
20
1 29
4 7
DAY 3
合計時間
12 時間 1
休憩時間
2 時間 24
距離
17.4 km
のぼり / くだり
2126 / 1185 m
1 3
1 48
26
56
1 18
38
39

活動詳細

すべて見る

https://turtleintheshell.wordpress.com/2020/09/19/akaushi-kurobe-cross-day1/ シルバーウィークに休みがもらえた。今年盛り上がっている黒部最奥の赤牛岳に行ってみよう。ついでに黒部横断する計画を立てた。 長野県大町側の高瀬ダムから、富山県の立山に横断した。 1日目は、 七倉ダム(七倉山荘)までマイカーでアクセスして、 高瀬ダムまでタクシー、 そして、高瀬ダムからブナ立尾根を登って烏帽子小屋までとした。 2日目に烏帽子小屋から水晶岳を越えて赤牛岳を狙うところが核心だ。 家族の帰省の途中で、七倉山荘まで送ってもらった。感謝。 マイカーは七倉山荘前までなので、ここから先は特定タクシーに乗るか、歩いて行くか。昼出発で時間もなかったので迷わずタクシーに乗った。 日本第二位という高さの高瀬ダムの堰堤を登りきると、エメラルドグリーンのダム湖が見えた。 北アルプス稜線の烏帽子小屋へは、奥に見えるトンネルを通っていくらしい。 当初は高瀬ダム沿いを歩いて行き、湯俣温泉で一泊する計画を立てていた。しかし前日に連絡があり、増水で丸太橋が傾き、川が渡れなくなったらしい。(その後、この時間には渡渉できる水量にもどったと書いてある。) ということで急遽、烏帽子小屋小屋経由の計画に変更した。湯俣温泉にもとても興味があるので、ぜひまた行ってみたい。 烏帽子小屋へのブナ立尾根ルート。登山スタート直後のトンネル。ひんやりしていて気持ちよかった。 トンネルのあとはつり橋。このあたりは、稜線から崩れてきた土砂が溜まった不動沢、濁沢とふたつの沢を抜けていく。 つり橋を抜けると、テント場があったが、コロナでキャンプ禁止になっていた。 急坂がはじまった。烏帽子小屋まで12区間に分けられていているようだ。 登り始めて最初の区間が、鉄パイプで足場を組んである急坂だった。整備されていないと通れないだろう、登山道整備されてこそ登らせてもらっているんだなぁと感じる。 ブナ立尾根に乗ると登りやすい。ブナ立尾根は北アルプス三大急登らしい。 ぐんぐん高度を上げて雲を抜けるとき、射し込む太陽の光がきれいだった。 三角点は英語でTRIG POINTというらしい。案内板によると4番まできたので、0番の烏帽子小屋もそろそろのはず。 徐々に樹木の背が低くなってきた。 紹介が遅れたが、今回の計画に乗ってくれたホソヤ。荷物も軽量化してきていて、ついて行けるかドキドキだ。 北アルプス稜線が見えてきた。船窪小屋のある七倉尾根かな。 烏帽子岳と南沢岳かな。烏帽子小屋まであと少し。 稜線が見えたら、烏帽子小屋はすぐそこだった。1280mくらいの高瀬ダムから2520mの烏帽子小屋まで1240mアップおつかれさまでした。長野県から登ってきたが、稜線に出たらここはもう富山県だ。 今日はここまで、3時間30分くらいの歩きだけ。明日が核心なのでがんばろう。 烏帽子小屋はソーシャルディスタンスが保たれていて快適だった。なんなら布団2枚分くらいのスペースに一人だった。布団に直接触れないように、持参したシュラフを敷いて寝る。 急遽前日に電話したにもかかわらず泊まれてよかった。今回はテント装備を担いできているが、烏帽子小屋のテント場はコロナで使えないのでしょうがない。 玄関からは、明日目指す赤牛岳が見えた。近くに見えるが、裏銀座縦走、読売新道とぐるりまわりこんでいくので、がんばるしかない。 自炊場から夕陽が見える幸せ。二郎系ラーメンを炊きながら眺めていた。 夕日が真っ赤に染まった。小屋のみんな(登山者も小屋番も)出てきて、きれいな夕陽を眺めていた。 https://turtleintheshell.wordpress.com/2020/09/20/akaushi-kurobe-cross-day2/ 赤牛岳登頂&黒部横断の2日目、烏帽子小屋から赤牛岳を狙う核心の日だ。 1日目は、高瀬ダム~ブナ立尾根~烏帽子小屋で泊まった。 2日目が、烏帽子小屋~野口五郎岳~水晶小屋~水晶岳~赤牛岳と、裏銀座と読売新道を縦走して越えていく核心の日だ。 今日の行程はコースタイム14:55あるので、烏帽子小屋を2時にスタート。 風が強いばかりでなく、みぞれも飛んできて、寒いスタートだった。2時間半もすれば夜が明けてくるだろう。いくしかない! 野口五郎小屋まで真っ暗だったので写真はない。小屋直前の500mが爆風で大変だった。 野口五郎小屋は山かげに建てられていてなかなか見えない反面、たどり着いた時の安堵感と言ったらなんとも言えない。ここに小屋がなかったらと想像すると絶望しかない。 湯を沸かして大休止。爆風でなかなか湯が沸かなくて大変だった。 小屋からすぐの野口五郎岳2924m登頂。この山行の一座目。 空は雲で覆われていて、朝日は微妙だったし、なにより爆風なので、すぐに駒を進めた。一人だったら心折れそうな爆風の裏銀座縦走、一緒に歩いてくれたホソヤに感謝。 裏銀座からみる読売新道。 東沢乗越を越えて、水晶小屋、水晶岳(中央の一番高いピーク)、目的の赤牛岳と読売新道を進んでいく本日の行程。 読売新道に踏み込む前に、水晶小屋でカレータイム。裏銀座の稜線を望めるカウンター席なんて最高じゃないか。 さて読売新道行きますか。 写真では伝わらないが爆風だ。いくしかない! 水晶岳に着いた。振り返ると槍ヶ岳が天にそびえている。 相変わらずの爆風なので、写真を撮ったら先に進もう。水晶岳2986m 水晶岳から下り基調だが、遠い赤牛岳。 左手には雲ノ平、高天原。高天原温泉に向かう温泉沢ノ頭をすぎたところくらい。(心折れたわけではないと思うが)分岐を温泉のある高天原に下っていく人が多かった。 赤牛岳頂上までもう少し。山肌が赤く(茶色く)なってきた。 水晶岳から赤牛岳は爆風でたいへんだった。風がなければマイペースが許されるが、爆風だと出力を落とせば寒いし目的地に着かない。 赤牛岳着いた!二人とも初登頂だ。 標高は2864m。ついたら風もおさまり、晴れ間がのぞく不思議。 最高。来られてよかった。 烏帽子小屋からぐるり歩いてきたコースが望める幸せ。 感動した。 赤牛岳のある読売新道の尾根は、立山連峰と後立山連峰の間にある。このロケーションのおかげで最高の展望台だった。 南側は、槍ヶ岳、笠ヶ岳。つんと尖っているのですぐにわかる。 立山連峰は、黒部五郎岳、薬師岳、立山、剱岳。 特に薬師岳が、間近に見られるので存在感がすごい。薬師岳は富山側(西側)からみてもボリュームがあるが、東側から間近にその巨体を見られるのは赤牛岳くらいだろう。はっきりと分かる4つの氷河地形を目に焼き付けた。 後立山連峰は、野口五郎岳、烏帽子岳、蓮華岳、針ノ木岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬岳。はるか遠くまで稜線が続いていた。後ろにはちょっこり餓鬼岳と燕岳が頭を出している。 赤牛岳は、立山連峰、後立山連峰どちらにも属していないから、両方が望める最高のロケーション。同じ尾根の水晶岳、立山連峰の奥には白山、これだけ百名山が見えるのは、ここ赤牛岳だけじゃないかと思った。 黒部水系を真っ二つにぶった切る読売新道の尾根。西側が黒部川(上廊下)、東側が東沢、この二つが尾根の終点で合流する。 さぁ、読売新道は下山も長いので、そろそろ下りますか。 早朝に出発してきた烏帽子小屋が東沢のすぐ向こうに見えた。岩の上がぽかぽかでずっとゆっくりしていたかった。 プーーンと甲高い音がしたと思ったら、撮影用ドローンだった。映像楽しみにしています>誰となく こんな展望があるのも6/8の標識くらいで、下部の半分以上は樹林帯だった。 赤牛岳2864mから1500mそこそこの黒部湖まで降りていくのだから、標高差1300m超を一気に下るのはたいへんだった。 樹林帯に入り展望もなくなり、ひたすら続く木の根と苔むした石の登山道。ぼくらが赤牛岳に着く前にスライドした疲弊した登山者の表情に納得の読売新道だった。下山でこれだけ大変なのだから、登りはそうとう大変だろう。読売新道は精神を試される。 いや読売新道は、むしろ下山のほうが、精神を試されるかもしれない。登りならフレッシュな状態でがむしゃらに登れるが、一日中歩いてきてこの変化の少ない読売新道の下りはたいへんだった。 そこに現れたのが、頂上で写真を撮ってくれたオオシマさん。奥黒部ヒュッテのテント場から今朝登ってきてピストンというから、ルートに詳しかった。別に道迷いの心配はまったくない読売新道だが、あとどのくらいで着くかが精神を保ってくれる。おしゃべりで時間を忘れられるのが、こういう変化の少ない下山にはよかった。 無事、奥黒部ヒュッテに到着。水がじゃぶじゃぶ出ていて、トイレもとても綺麗だった。ホソヤは500円で風呂に入ってきたらしいし、オオシマさんはビールが安いから追加したと喜んでいた。 ホームページには「<参考>昨年度実績では1日の最大宿泊者数は26名でした。宿泊定数は40名ですので、ほとんどの日は定員の半分以下になっています。」と書いてある自虐的な?小屋なので、URLを貼っておく。http://www.murodou.co.jp/kurobe/kurobe.htm テント場は砂利と草地があって、草地の上に建てたらふかふかで気持ちよかった。 核心の赤牛岳の2日目、読売新道で疲れ果てて、気づいたら寝落ちしていた。 https://turtleintheshell.wordpress.com/2020/09/21/akaushi-kurobe-cross-day3/ 赤牛岳登頂は無事成功した。残すは黒部横断の3日目。奥黒部ヒュッテから出発し、黒部横断して立山室堂までゴールできるか。 1日目は、高瀬ダム~ブナ立尾根~烏帽子小屋で泊まった。 2日目は、烏帽子小屋~野口五郎岳~水晶小屋~水晶岳~赤牛岳と、裏銀座と読売新道を縦走して奥黒部ヒュッテまでたどり着いた。 3日目で、奥黒部ヒュッテ~平の渡船~平乃小屋~五色ヶ原~ザラ峠~獅子岳~龍王岳~一ノ越~立山室堂と、黒部横断して立山連峰を越えて脱出する。核心の2日目ほどではないが、まだまだ安心できないコースタイム12:40 平の渡船の始発6:20に間に合うように、奥黒部ヒュッテを4:15に出発。 黒部湖標高まで降りてきていたから大丈夫だろうと思っていたが、黒部川沿いの高巻き多数でかなりアップダウンがあった。しっかりと足場が組んであってありがたい、これがなかったら通行はできないだろう。 渡船場に近づいてきて、夜が明けてきた。 今日も先導してくれたのはオオシマさん。たわいのない話をしながら歩いていたら、あっという間に6:00に渡船場に着いた。 針の木谷側の渡船場。6:20始発が着岸。平の小屋側からは登山者は誰も乗っていなかった。 何気に楽しみにしていた平の渡船。ライフジャケットを着て、名簿に記入する。走行風で結構寒かった。 黒部湖ができる前は登山道があったらしく、その代替ルートとしていまも無料で毎日運航されている。風や高波で出航できないとき以外、雨でも10月いっぱいまで休まず運行しているとのこと。 2020年9月21日渡船始発メンバーで記念写真。 昨日から一緒だったオオシマさんは、黒部湖沿いをダムのほうに向かうのでここでさようなら。ありがとうございました。 渡船場から平乃小屋はすぐそこ。きれいな小屋で快適そうだった。 ここで、五色ヶ原への登りの準備をして、いざ出発。 黒部湖1500mから2500mくらいの五色ヶ原への登り。 刈安峠までは樹林帯がつづく。 尾根に上がるとだんだんと景色がよくなってきた。 樹林帯を抜けると、佐々成正のさらさら越えで有名なザラ峠が見えてきた。 樹林帯を完全に抜けたところが五色ヶ原だった。天国。 振り返ると五色ヶ原テント場とエガワさん夫妻。 後立山連峰と同じくらいの高度まで登ってきたことがわかる。このテント場も泊まってみたい。 五色ヶ原山荘に到着。 今年はこのシルバーウィーク連休3日目で小屋閉めとのこと。オートルート逆縦走のとき救われたカレーを楽しみにしていたのにザンネン。記録を見返したら、特別にカレーを提供してもらったと書いてあったので期待してはいけない。 まだまだ立山室堂までは遠いので、先に進もう。 前日の読売新道下山からスライドしながら来たエガワさん夫妻ともここでさよならだった。 ザラ峠から獅子岳の登りは、雲がかかっていて頂上が見えないだけに恐ろしかった。 獅子岳2714mを通過。なんだかんだ他のピークは巻いていくので、このルートの登頂は獅子岳くらいだった。 ザラ峠から獅子岳の登りでかなり消耗してしまった。 鬼岳の巻きは、もうへとへと。 龍王岳への登りが最後の登りなのでいくしかない! 寄り道になる龍王岳登頂は、満場一致でパスしたw トイレに寄りたかったので、一ノ越経由で下山。 たくさんの人が立山(雄山)に登っているのが見えた。ぼくは雄山に登る気力も時間もない。 一ノ越から見えた雷鳥沢キャンプ場は大盛況。密でした。。。 アルペンルート終バスに間に合わないと、もう一晩テントになるので、いくしかない。 16:10立山室堂ターミナルにゴール! 休憩も入れたら12時間くらいかかった。特に後半はコースタイムを超えるようなのろのろペースになってしまい不甲斐ない。3日間付き合っていただきありがとうございました。 ハイライトはなんと言っても赤牛岳頂上からの風景。感動した。赤牛岳登頂にからめて美しいルートを描けたのもよかった。 完全燃焼、素晴らしい3日間の赤牛岳&黒部横断でした。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。