はじめての九州脊梁

2020.09.20(日) 2 DAYS
のらみみ
のらみみ

活動データ

タイム

14:42

距離

33.4km

上り

2416m

下り

2415m

チェックポイント

活動詳細

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かねてから憧れていた九州脊梁。 その稜線を、ようやく歩くことができた。 結論から述べると、ここは静かな山歩きを好む単独行派すべての人におすすめしたい。 こんなにも深く長い道のりでほとんど誰にも会わず、まるでずっと自分だけの時間が流れているかのような場所は、ほかにはなかなかないと思う。 まず計画段階で、最初の九州脊梁登山はどこを歩こうか、地図を眺めれば眺めるほど目移りするほど複雑に広がっている。 熟考の末に選んだのは、九州脊梁の主峰であり熊本県最高峰でもある国見岳を経由し、その周辺の山をつなぐ周回コース。 この脊梁の山々に抱かれて一夜過ごすこともまた今回の目的の一つであったので、少しタフな道のりとするため樅木からウードヤ山、五家宮岳などと連なる尾根から辿る。 この尾根では、初っ端からの急登や、その後のしぶとい藪漕ぎといった試練の数々に、早くも九州脊梁の洗礼を受けることとなった。 空を覆う雲は次第に厚くなり、やがて山に霧がかかる。霧を纏った山もまた美しい。完全に脊梁に惚れている。 ところが夕刻、幕営地を見つけてシェルターを設営したところでその霧が一斉に晴れ、空一面に夕焼けが広がる。まさに至高のひとときであった。 翌日はこの季節としては特に冷え込んだ朝となるも清々しい晴天に恵まれ、相変わらず4連休とは思えない静かな山をひとり歩き、樅木集落へと下山。 九州に移り住んで3年半、心はいつも故郷にある自分が、九州にまだ残る意義をひとつ見出せた山行となった。 まだまだ広い九州脊梁。 またここを訪れることができる日を想いながら、都会の生活に戻っていく。

国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 最初の試練は樅木富士への急登
最初の試練は樅木富士への急登
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 そう、ここは山...
そう、ここは山...
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 ウードヤ山から先は、しばしの藪漕ぎ。
足元に気をつけていれば、踏み跡はある。
ウードヤ山から先は、しばしの藪漕ぎ。 足元に気をつけていれば、踏み跡はある。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 藪漕ぎの最も濃い区間を抜け、五家宮岳で小休止。
藪漕ぎの最も濃い区間を抜け、五家宮岳で小休止。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 ある程度登ると、五勇谷を挟んで反対側には国見岳の稜線が見える。今日はあそこまでいく。
ある程度登ると、五勇谷を挟んで反対側には国見岳の稜線が見える。今日はあそこまでいく。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 ところどころ道が不明瞭でも、基本は尾根通し。
少し怪しくなったら高いところに戻ればいい。
ところどころ道が不明瞭でも、基本は尾根通し。 少し怪しくなったら高いところに戻ればいい。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 雲が厚くなり、あたりは鬱蒼としてきた。
雲が厚くなり、あたりは鬱蒼としてきた。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 国見岳頂上直下にある、川辺川源流点。
今回の唯一の水場。YAMAPの地図にマークはない。
家から持ってきた福岡市の水道水を迷わず流し、新鮮な水へと入れ替える。
国見岳頂上直下にある、川辺川源流点。 今回の唯一の水場。YAMAPの地図にマークはない。 家から持ってきた福岡市の水道水を迷わず流し、新鮮な水へと入れ替える。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 霧を纏う国見岳頂上の祠。
晴れているよりも、雰囲気があって好み。
霧を纏う国見岳頂上の祠。 晴れているよりも、雰囲気があって好み。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 この木は、間違いなく景色が霧に覆われている今だからこそ映えると思う。空虚感の造形。
この木は、間違いなく景色が霧に覆われている今だからこそ映えると思う。空虚感の造形。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 幕営適地を探し歩き、場所を決めてシェルターを張ったところで、霧が晴れてあたり一帯が黄金色に輝き始めた。
幕営適地を探し歩き、場所を決めてシェルターを張ったところで、霧が晴れてあたり一帯が黄金色に輝き始めた。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 眩しい夕日に照らされて、夕食の準備...をしている間に、楽しみにしていたとんがりコーンを食べる。最近は家でもこれをおつまみにするほどハマっている。
眩しい夕日に照らされて、夕食の準備...をしている間に、楽しみにしていたとんがりコーンを食べる。最近は家でもこれをおつまみにするほどハマっている。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 真正面に沈んでいく太陽。一日の最後にその姿を見せてくれてありがとう。
真正面に沈んでいく太陽。一日の最後にその姿を見せてくれてありがとう。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 お湯を沸かし、α米を戻して簡易丼にして食べる。
実はここで、2個持ってきていたα米のうち1袋を丸ごと地面にひっくり返してしまい、明日の朝食はひもじいことになることが確定。
山で食糧をぶちまけてだめになるの、何回目だろうか。
お湯を沸かし、α米を戻して簡易丼にして食べる。 実はここで、2個持ってきていたα米のうち1袋を丸ごと地面にひっくり返してしまい、明日の朝食はひもじいことになることが確定。 山で食糧をぶちまけてだめになるの、何回目だろうか。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 太陽が沈んだあとは、朱く彩られた雲が主役。
太陽が沈んだあとは、朱く彩られた雲が主役。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 この空の色と、木の形。
自然にあるものだけでつくられた芸術作品。

これほどの美しい風景を作り出すことができる自然の力か、はたまたこれを美しいと感じる人間の脳の神秘か。
この空の色と、木の形。 自然にあるものだけでつくられた芸術作品。 これほどの美しい風景を作り出すことができる自然の力か、はたまたこれを美しいと感じる人間の脳の神秘か。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 翌朝、想像以上に冷え込んだシェルターの中で太陽が昇るのを待ち、すっかり明るくなったころに出発。
麓の最低気温が6℃だったというのだから、そこから1000mも高いここは3℃を割り込んでいてもおかしくない。凍結がなかった点から、ギリギリ氷点下までは下がらなかったくらいか。
翌朝、想像以上に冷え込んだシェルターの中で太陽が昇るのを待ち、すっかり明るくなったころに出発。 麓の最低気温が6℃だったというのだから、そこから1000mも高いここは3℃を割り込んでいてもおかしくない。凍結がなかった点から、ギリギリ氷点下までは下がらなかったくらいか。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 せっかくなので、国見岳に登り返して景色を楽しむ。
ここで今回の山行で唯一、居合わせた人との会話を楽しむ。
せっかくなので、国見岳に登り返して景色を楽しむ。 ここで今回の山行で唯一、居合わせた人との会話を楽しむ。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 北は阿蘇、くじゅう、祖母傾方面。
北は阿蘇、くじゅう、祖母傾方面。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 国見岳から先に進む。
小国見岳の頂上も、広さは控えめながら抜群の展望だった。
国見岳から先に進む。 小国見岳の頂上も、広さは控えめながら抜群の展望だった。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 しばらくは、このような緩やかな草原の尾根道に延びるけもの道を辿る。こんなところに自分以外誰もいない、これが最高。
しばらくは、このような緩やかな草原の尾根道に延びるけもの道を辿る。こんなところに自分以外誰もいない、これが最高。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 国見岳からそう遠くないところに烏帽子岳。
今日はここまで。さぁ下っていこう。
さらに南に連なる白鳥山は機会を改めて。
国見岳からそう遠くないところに烏帽子岳。 今日はここまで。さぁ下っていこう。 さらに南に連なる白鳥山は機会を改めて。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 樅木へ最短距離で下山できるであろう道は、分岐点から差し掛かる時点でスズタケが濃密に生い茂り、極端に狭くなっている。
この調子でどこまで下りることになるのか先行き不安であったため、ここは迷わず右手に伸びる広々とした五勇谷方面の道を使う。
樅木へ最短距離で下山できるであろう道は、分岐点から差し掛かる時点でスズタケが濃密に生い茂り、極端に狭くなっている。 この調子でどこまで下りることになるのか先行き不安であったため、ここは迷わず右手に伸びる広々とした五勇谷方面の道を使う。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 それでも道には迷う。
よく気をつけて歩かないと、あっという間にコースアウトするので注意。写真はコースアウトしたあと、古い林道跡とみられるあぜ道を通って登山道に復帰しようとしているところ。
それでも道には迷う。 よく気をつけて歩かないと、あっという間にコースアウトするので注意。写真はコースアウトしたあと、古い林道跡とみられるあぜ道を通って登山道に復帰しようとしているところ。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 とにかく目印を見つけたらそこに向かう。
目印がなかったら、地図を見て方角を合わせて歩く。脊梁はYAMAPの便利さを心から実感する山だった。
とにかく目印を見つけたらそこに向かう。 目印がなかったら、地図を見て方角を合わせて歩く。脊梁はYAMAPの便利さを心から実感する山だった。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 終盤は明瞭な登山道を辿って、一気に下山。
ここまでが登山道。
終盤は明瞭な登山道を辿って、一気に下山。 ここまでが登山道。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 ここからは舗装道路を歩く。
七月の豪雨で五勇谷ゲートの1kmほど手前までしか車で入れなくなっているが、自分はそこからさらに10km手前の樅木集落に車がある。
冬のアルプス登山で林道歩きには慣れているので無問題。むしろ歩きながら今回の脊梁登山の余韻に浸るにはちょうどいい。
ここからは舗装道路を歩く。 七月の豪雨で五勇谷ゲートの1kmほど手前までしか車で入れなくなっているが、自分はそこからさらに10km手前の樅木集落に車がある。 冬のアルプス登山で林道歩きには慣れているので無問題。むしろ歩きながら今回の脊梁登山の余韻に浸るにはちょうどいい。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 登山口から通行止め地点の間に2箇所ある巨大な崩落地のひとつ。
登山口から通行止め地点の間に2箇所ある巨大な崩落地のひとつ。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 こちらがもう1箇所。
道路が完全に崩れ落ちている。
この土地の山深さからしても、全線復旧は少し先のことになりそう。
こちらがもう1箇所。 道路が完全に崩れ落ちている。 この土地の山深さからしても、全線復旧は少し先のことになりそう。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 清々しい青空のもと、昨日歩いた尾根を眺めて歩く。
清々しい青空のもと、昨日歩いた尾根を眺めて歩く。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 若い栗の実。
そろそろ秋の味覚の季節。
若い栗の実。 そろそろ秋の味覚の季節。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 すっかり曼珠沙華が花を咲かせていた。
今年は春先から在宅主体の日々が続いているせいか、五感で季節を感じる機会に乏しく、着実に進む季節の足取りに自分の季節感と歩幅が揃わない。
すっかり曼珠沙華が花を咲かせていた。 今年は春先から在宅主体の日々が続いているせいか、五感で季節を感じる機会に乏しく、着実に進む季節の足取りに自分の季節感と歩幅が揃わない。
国見岳(熊本県・宮崎県)・烏帽子岳 なんだかんだで退屈することもなく、長い舗装道路を歩いてウードヤ山の登山口に帰還。
九州脊梁、本当に素晴らしい山だった。
まだまだ知らない道を歩きたい、また来よう。
なんだかんだで退屈することもなく、長い舗装道路を歩いてウードヤ山の登山口に帰還。 九州脊梁、本当に素晴らしい山だった。 まだまだ知らない道を歩きたい、また来よう。

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