山こわい

初めて一人で山に泊まったのは、何時だろう？ 歩きながら思い出そうとしていた。 そうだ！二十歳の誕生日に仕事休んで白峰三山を縦走したのが初めてだ。 出かける何週間も前から準備した、何度も持っていく物を確認し、また入れ直した。 また、ヘッドライトなんぞを取り出し点けたり消したり。たぶん顔はヘラヘラ笑っていた＾ー＾ しかし、出かける一週間前、突然言いようのない不安と恐怖がジワジワと湧き出してきた。 山岳小説やドキュメント、山のハウトゥー本から得た情報の、悪いことばかり浮かんできた。 掴む鎖は切れ、沢を渡ろうとすれば鉄砲水に飲まれ。 快晴だった天気は一天にわかにかきく曇り、暴風雨になるのだ。 山こわい、なんでそんな怖いところに僕は行くのだ？？何故。 出発当日、身延線の夜汽車に揺られ、甲府駅で寝て一番のバスに乗る。 広河原でザック揺すりながら背負い直すと、なんか吹っ切れた。 そして晴れ渡った稜線に出たら、ニコニコ。＾ー＾」」 山こわい　の呪いは消えていた。 だんだん山慣れしてきて、荷物も適当につめるようになった、当然忘れ物が増えた。 これは、いかん！ 初心に帰り　山こわい　の気持ちを忘れないようにしたいのだ。 情報、装備の点検、計画の確認、安全第一で行くのだよ。 もし、竜爪山に10日分の食料、五十人のポーターと五人のガイド、レオタード姿のコンパニオンを多数連れて登山を行うものがいても僕は笑わない。 山こわい　のだ。 軌跡は、久しぶり梶原山、一本松、柏尾峠のルーティング。