東砥石山

気になってしょうがない。何がって? 地形図を眺めていた時だ。砥石山は登った、中の沢も登った、この二つの山を直線で結ぶと、その線上に△397.2がある。これが気になってしょうがないのだ。東砥石と言うらしいが、なるほど砥石山の東にある。非常に分かり易いネーミングだ。 ふと気がつくと、中ノ沢布袋神社の前に立っていた。 乗馬施設サンダンスランチを通り過ぎて、真っ直ぐ進むと土手に突き当たる。この土手の右に神社があるが、私有地にあるためか鳥居の先にはチェーンが張ってあり、参拝出来ないようになっている。日頃の行いの良い私のことだ。参拝できずとも、祭神である天照大神と布袋大神は黙って私を見守ってくれるだろう。 土手に上がってだだっ広い採石場跡を進むと、案の定草茫茫でびっちょびちょだ。これでは堪らんと沢沿いの作業道に上がると、ここも草藪で荒れていたが、やがて草も薄くなり土盛りの形が見えて作業道の跡らしくなった。このまま三角点までの最短距離と思われる地点まで歩き、沢に降りて渡渉｡思いのほか流れは細く、どこでも渡れそうだった。対岸に渡るといきなり笹藪の急登だ。100mほど急斜面が続く。急登だけならまだいいが、昨夜の雨でズルズル滑るのだ。仕方がないので笹や枝に掴まって体を引摺り上げる。 斜面が平坦になってまもなく、四等三角点「東砥石」△397.2mを確認。三角点の回りは笹が刈り払われていた。 頂上は樹木に遮られて展望はなく、早々に下山。帰りは東に寄り過ぎて笹藪に難儀した。慌てて南に方向を変えて笹の薄そうな所を探しながら下山、渡渉は登りの渡渉点より200mほど東に寄ってしまった。 なんやかんやで東砥石の山頂に立ち、気になっていたものが解消された。ところがまた気になることが持ち上がってしまったのだ。 「今晩の晩飯は何だろう？」