活動データ
タイム
15:10
距離
34.5km
のぼり
3269m
くだり
3251m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る相棒さんとともに羅臼岳のご来光ハントをして、知床連山の縦走ピストンをしてきました😁🎵 …縦走復路のお昼過ぎのこと。 南岳と二ツ池の間で遭難の一歩手前のような状態の夫婦と遭遇しました。 話はこの日の朝までさかのぼり、、、 三つ峰キャンプ地でこの夫婦に会い、「これから硫黄山を目指します。」とのこと。 「僕たちは硫黄山で折り返すので、また後でお会いするでしょうね❗️」と言ってお別れしましたが、硫黄山で折り返した後でいくら進んでもその夫婦は現れず、結局再会したのは南岳と二ツ池の間あたりでした。 その夫婦の異様なまでのスローペースを不思議に思い、いろいろと尋ねてみると、「予想外に暑くなり、水を飲みきってしまった。二ツ池が干上がっており給水することができず、水を持っていない。」とのことでした… さらに、奥さんは相当体力を消耗していて、荷物全てを旦那さんに持たせており、それにも関わらず旦那さんからも大幅に遅れをとるような状況でした。 その場所から一番近い第一火口の水場でもCTで2~3時間くらいはかかり、この夫婦のペースでは日没までギリギリといったところ。。。 そして、この日は高温だったので、水がなければ自力での第一火口到達は厳しい。。。 しかも、このあたり一帯はスマホの電波もほとんど入らないエリア。 さらには、この場所は縦走路の奥地の奥地なので、行くにも戻るにも等しく遠い。 つまり、水を持たない彼らにとっては絶望的状況。 …少なくとも僕にはそのように見えました。 ご夫婦は正常性バイアスに陥っているのか、何度も「大丈夫です。」と言い張るので、半ば強引に2リットルくらいのお水を渡しました。 …そうして、ご夫婦は硫黄山第一火口へ、我々は岩尾別へと向かいました。 別れてから何度もそのご夫婦のことが気にかかり、「また追いかけてサポートしに行こうか。」とすごく迷いました。。。 でも、少なくともご夫婦はテン泊装備を持っているし、食料もある。2リットルの水をあげたのだし、きっと大丈夫だろうと僕自身に言い聞かせることにしました。 羅臼岳の下山ルートを下りている途中、若い男性の熱中症患者の救助をしていた山岳隊員さんに偶然会いました。 僕が遭遇した夫婦のことを隊員さんに伝えたところ、「最近、そのようなケースが多いのです。」とのこと。 さらに、「もしも、その夫婦があなた方と会えていなかったとしたら、大変なことになっていたかもしれません。ありがとうございました。」と仰っていました。 僕はこの日、二ツ池が干からびていることを想定して、スタートから4.5リットルの水を持っておりました。 硫黄山までの往路で消費したのは想定より少なく1リットルくらいに抑えられたので、復路は無給水でも岩尾別まで十分に帰れたのですが、保険としてあえて第一火口に立ち寄り給水をしました。 …いつもあるはずの二ツ池の水場がないことが、なんとなく気持ち悪い感じがして、第一火口でフル給水することにしたのです。 結果的にはそのおかげで、ご夫婦に水をあげることができたし、僕自身も水の残量を心配することなく、十分余裕を持った水量を残して帰ることができました。 暑い日の山行ではたまに、他の登山者さんから「水をいただけないでしょうか。」とお願いされることがありますが、もしもそんなときに、こちらから差し出せる水が僅かしかなく、その方が命を落としてしまったとしたら、それはきっと悔やみきれないし、自分としても納得がいかない。。。 だから僕は、他の人にあげてもなおゆとりある水や食料を携行するよう心がけています。そして、少なくとも僕の仲間の方々にもそうして欲しいと思っています。 今回は、救助要請をしていた登山者や、遭難の瀬戸際のような登山者と遭遇して、「明日は我が身」と気が引き締まる思いでした… 自分が遭難しないことはもちろん、他の人が困っているときに手を差しのべられるような登山者になりたい… …学ぶことの多い山行となりました。
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