砥石山

先週、2万5千分の1の地形図「札幌」を眺めていると、歩いた軌跡を赤く塗りつぶしてある砥石山が目に入った。中ノ沢コースと小林峠コースは赤いが、砥石沢コースを歩いていないことに気が付いたのだ。これでは成仏できない。今日は砥石沢コースを歩くことにした。 出発は福井採石所のゲートだが、車はゲート手前の道路脇に駐車をさせていただいた。関係者不在であり、心の中で深く謝意を申し上げた。 ゲート脇を抜けて作業道を進むと、ほどなくして自然歩道の分岐となり、作業道を離れて自然歩道を歩く。やがて道は採石場のベルトコンベアの下を通るが、こうなると工場見学の趣となって味気ない。しばらく進むと再び作業道と交差し、ここから林道歩きとなる。 ゲートから小一時間で砥石山登山道入口に着く。ここから1㎞ほどは清流の音を聞きながら歩くことになる。標高550m辺りから勾配が急となって登山道はジグを切る。ジグが終わると尾根だ。一ヶ所だけガレ場を越えると、822m峰の東斜面を回り込む。そこから二つのコブを越えると山頂だ。眺望は申し分ない。 陽がジリジリと照りつけてくる。下山中、ジグの手前辺りだろうか、ソロのお兄さんとスライド。「こんにちは」と声を掛けると、「暑い…」とワンフレーズを残して歩いて行った。陽が照りつける。これからの登りでは大変だろう。心の中でご無事をお祈りした。その瞬間である。足元が滑って転倒してしまった。そして思わず呟いた。「一体、私のご無事は誰が祈ってくれるのか。」