果ての秘湯、高天原温泉を目指して北アルプス縦走の男4人旅

2020.08.13(木) 4 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 37
休憩時間
1 時間 52
距離
8.6 km
のぼり / くだり
1217 / 14 m
DAY 2
合計時間
11 時間 26
休憩時間
1 時間 11
距離
18.5 km
のぼり / くだり
1784 / 1604 m
1 6
56
45
22
29
40
11
29
15
22
1 2
DAY 3
合計時間
10 時間 9
休憩時間
2 時間 53
距離
13.1 km
のぼり / くだり
711 / 1133 m
45
19
20
21
1 54
52
14
10
18
28
DAY 4
合計時間
11 時間 22
休憩時間
2 時間 37
距離
16.3 km
のぼり / くだり
865 / 1630 m
3 50
2 15
11
13
26
43
59

活動詳細

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【最果ての温泉を目指して北アルプスを登るの巻】 「なぁ、皆で日本で一番遠いところにあるって言われる秘湯の温泉に行かないか?」 腐れ縁の男友達からの提案をキッカケに、数ヶ月の準備期間を経て、北アルプスの最深部にある秘湯『高天原温泉』を目指すことに。 温泉好きの間では人生で一度は行きたい温泉として、有名らしいのだけど、行くのに片道登山で2日かかるため、なかなかハードルが高いという。 僕らは休みを調整して、全体行程4泊6日。山にいる期間は3泊4日のスケジュールで決行。簡単に全体行程をまとめておくとこんな感じ。 【初日】 夜行バスにて、岐阜県の平湯バスターミナルを目指す。 【2日目】 平湯から新穂高温泉に移動し、そこから登山開始。初日は鏡平山荘を目指す。 【3日目】 鏡平山荘から双六岳の山頂、三俣蓮華岳の山頂を縦走し、三俣山荘を目指す。(余裕があれば鷲羽岳、水晶岳も目指す) 【4日目】 三俣山荘から雲ノ平を経由して高天原温泉を目指す。泊まるのは高天原山荘。山荘と温泉は隣かと思いきや徒歩20分らしい。笑 【5日目】 高天原山荘から薬師沢を登り薬師沢小屋を経由して、太郎平小屋へ。そこから折立に下山する。折立にタクシーを呼んでいるので、そのまま富山駅前のビジネスホテルに宿泊。 【6日目】 富山から帰宅し、それぞれの仕事へ。 上記が計画である。って、北アルプス行ったこと無い人からしたら、意味不明でしかないような…笑 さて、初日から振り返っていこう。 まずはバスターミナルで初めて今回のチーム4人全員集合。深夜バスなので、集合してほぼ会話することなく、そのままバスの中で就寝。数時間後には平湯バスターミナルに到着するが想定外なことにバスターミナルの中に入れない。しかも普通に雨降ってる笑 あれ、おかしいな、天気予報は雨だっけ?まぁ、山の天気は変わりやすいのだ、うんうん。 仕方ないのでバスターミナル外の屋根付きベンチがあったので、4人でベンチで仮眠。野宿なんて世界旅行していた時以来。 朝六時に起き、『平湯の湯』という温泉へ。この温泉が最高に良かった。。また是非いきたい。温泉で身体をあたためた我々はバスに乗り込み新穂高温泉の登山口へ向かう。いよいよ出陣! 新穂高温泉からは『わさび平小屋』という山小屋を経由するのだが、そこまでは余裕の登山道。ハイキング気分。ただ雨が降っているため少しツライ。 わさび平小屋の後は小池新道という登山道をひたすらに登って鏡平山荘を目指す。本当は鏡平山荘よりも2-3時間先にある双六山荘に泊まりたかったのだけど予約満杯のため鏡平山荘にしたのだが、それは大正解!ずっと雨だったため濃霧で視界は何も見えないし、体力も奪われていくのみ。早々に昼頃には山荘に到着して正解だった。 山荘には乾燥室というものがあり、濡れた衣類を乾燥させてくれる。この設備がなければ翌日濡れた装備で死んでたと思う。本当に感謝。 山小屋に到着して記念の生ビールで乾杯直後に同行者の友人Sがつぶやいた。 「ちょっと股関節痛いかも・・・」 僕らはハッキリと耳と脳裏に届いたその彼の叫びを、そっと心の奥に閉まって、グイッとビールを飲み干したのであった。その彼のつぶやきは翌日以降顕在化していくとはこの時はまだ誰も知らない(何 のんびり過ごしながら、鏡平山荘で食べた晩飯が本当に美味しくて幸せだったのを憶えている。疲れと携帯圏外のため21時前には眠り、朝4時起き。そのまま準備して出発して双六岳を目指す3日目が始まる。 槍ヶ岳を拝みながら快晴の中で山の稜線に立ち、双六岳を目指して歩く。 もう、登山の醍醐味のひとつは稜線を歩くこと。360度パノラマの絶景を十分に拝むことができた。本当に来てよかった。誰もがそう思ったと思う。 双六岳の山頂からの景色も本当に素晴らしく、絶景の連続であった。 その後も山々の山頂で絶景をみるものの、雲ひとつ無い双六岳の山頂からの絶景に勝るものはなかったように感じる。あとは単純に僕らの北アルプス縦走登山の中で最初の山頂だったからというのは大きいかもしれない。 人間とは良くも悪くも、慣れていく生き物なのである。 双六岳の山頂でワイワイやりながらも、次の三俣蓮華岳へ。 双六岳から三俣蓮華岳へ向かう稜線歩きも最高だった。 三俣蓮華岳から三俣山荘へ下山する際に友人Sの動きが重くなる。どうやら股関節の痛みが広がっているようである。それでもなんとか全員で今宵の宿泊先である三俣山荘に到着し、お昼ごはん。不思議なものなのだけど、山の上で食べるものは何を食べても平地の10倍美味しいのである。この現象に誰か名前があるなら教えていただきたいものだ。 さあ、友人Sは仕事もあるということで、ザックにMac Book Airを入れてきた猛者だ。彼は仕事するために山小屋に残留。残り3名の僕らはアタックザック(予備の軽量ザック)に最低限必要なアウターとヘッドライト、水と行動食をいれて、山小屋の晩ごはんの時間までにタイムアタックで鷲羽岳&水晶岳を目指す。 トレイルランごっこで小走りで動くが、しょっぱなの鷲羽岳の登りがエグ過ぎて3人とも失速。笑 それでも他登山者を抜きながら登っていたのに、そんな我々を一瞬で抜いていくトレランガチ勢の人がいて、素直に凄いと感じた。笑  そんな鷲羽岳を登りきり、ワリモ岳を経由して、運命の分岐点に山小屋を出て90分後ぐらいに到着する。 この分岐点、 右に行けば水晶岳方面。 左に行けば山小屋方面。 晩飯の時間までは後3時間も無い。 水晶岳方面にいって戻ってくると地図参考タイムだと4時間以上かかる。 多少急げば参考タイム以上のスピードは出せると思うけれども、晩飯タイムに間に合わない可能性は高い。あと体力が最後まで続くかわからない。一気に減速するリスクもある。 アーダコーダ5分ぐらい分岐点で議論する僕ら。 でも、こんだけ議論しているってことは本当は皆、日本百名山である水晶岳まで行きたいはずだ…そこで「よし、一旦水晶岳の手前の水晶小屋までいってみよう!そこまで行ってから考えよう!」となる。 そこから3人とも猛ダッシュでトレラン並の気持ちで水晶小屋まで急ぎ足。 すると参考タイムの半分ぐらいのタイムで到着。 しかし、ここで友人Dからまさかの声が。 「ちと体調と体力ちょっとおかしいから、俺ここで休んで待ってるわ。」 水晶岳を目の前にして、友人Dはここで力尽きてしまった…。 彼が叶えられなかった夢まで、俺らは引き継いで果たさなくてはならない…! 誰にも求められていない覚悟を胸に勝手に秘めて、再び走り出す。 水晶岳は今回登った山の中では最もゴツゴツとした岩場が続き、水晶岳自体は走れるものではなかった。ほぼロッククライミングに近い山。 それでも急ぎ目に山頂を目指し、なんとか素早く頭頂! 力尽きていった仲間の分まで記念写真を撮り、山頂で数分景色を楽しんだ後に急いで戻らなきゃと下山し始めた、その時だった。信じられない光景を目にしたのだった。 さっき力尽きて死んだはずの友人Dが水晶岳を凄い勢いで登ってくるじゃないか・・・!!!! あと2-3分で水晶岳の山頂に届きそうなところまで彼は登ってきていたのだ。 あの分岐点で左か右かを迷っていた自分たち。それでもベンチャーマインド全開で苦しい道を選んだ自分たち。一度死んだと思ったのに蘇って水晶岳の頭頂を達成した友人D、もう最高でしかない!!!友人Dの根性にちょっと感動した。3人で山頂記念写真を撮り、速やかに下山して、山小屋を爆速で目指し、奇跡的に晩ごはんに間に合ったのであった。ただ、終盤はみんなボロボロだった。笑 この日が体力的には一番しんどい行程だったのは間違いない。笑 また、後で友人Dに言われて気づいたのだが、友人Dが数分遅れで「ここまできて水晶岳登れないなんて、やっぱり許せねぇ!」という感じで力を振り絞って水晶岳を登ってきて、山頂にいる俺らと目があった時に、俺らから「頑張れ!」等の激励のメッセージが来ると思っていたのに、僕の第一声が「急いで!早く!」という内容だったらしい笑 まぁ山小屋に迷惑をかけないように実際にめちゃ急いでいたので仕方ないということにさせてください。笑 とにかく友人Dの根性にリスペクト! 三俣山荘の晩ごはん中に、実は友人Iが誕生日当日だったので、山小屋のスタッフさん達に相談して一緒にサプライズでお祝いをしてもらった。他の登山者の皆さんも一緒にお祝いをしてくれて、本当にあたたかくて優しさに包まれた素敵な空間でした。三俣山荘の皆さん、本当にありがとうございました! そして、三俣山荘の夜で想定外のコンテンツとして、山小屋をつくった人たちの物語がスライドショーで流れ始めた。 あたりまえのように僕らが滞在している山小屋。ここ、標高2500mの場所にあるわけです。意味不明の立地ですよね。現代はヘリコプター等である程度の物資を運搬可能だが、昔はそうではなかった。1940年代に北アルプスに山小屋や登山道をつくってきた人たちの物語をスライドショーを介して知る。 すべての資材を平地から運び込むだけでも死ぬほど大変そうなのに、そもそも登山道も整備されていないため、登山道開拓も同時にやるわけである。 僕ら登山者があたりまえのように歩ませてもらった道は、誰かが切り拓いてきた道なのだと思うと、その後の登山に感謝が伴うようになった。心から敬意を表します。 その夜、晴れた空の夜空は、ここ最近で眺めた星空の中でもダントツに満天の星空が広がっていた。天の川もはっきりと見えるほどに。すべての星の光が強すぎて、星座を確認することも困難なほどに。ああ、北アルプスに来たんだなと、なんだかそう思えた瞬間だった。 翌日、朝5時に朝食を食べて、目指すは雲の平。 そして、この旅の目的地である高天原温泉だ。 生憎、この日は午前中はちょっと天気が悪く、景色はそこまで眺めることができなかったが、それでも時折雲の合間からみえる山々が神々しく見えるのであった。 午前中には雲の平山荘に到着し、休憩。 なんにもないだだっぴろい湿原の中にポツンとある山小屋は神秘的だった。 しかも、雲の平山荘は異常に内装がお洒落で、普通に青山のカフェのようなレベル感。笑 ここで食べたビーフカレーがめちゃくちゃ美味しかったので是非皆さん一度は訪れて欲しい(何 雲の平を後にし、午後はいよいよ高天原温泉へ。 高天原温泉には高天原山荘を拠点とする。 なので、まずは高天原山荘へ。 そこまでの道のりも当たり前だが平坦ではなく、山道が続く。 僕らがたかだか10kgぐらいの荷物でゼーハー言っている中、目の前に信じられない光景があらわれる・・・! 40kgもあるプロパンガスを背負ったおっちゃんがいたのだ。 彼は山小屋間を毎日歩いてプロパンガスを運んでいるらしい。 し、信じられない・・・この道を40kgのプロパンガス運んで…だと…? 日本にもアベンジャーズがいるとしたら間違いなく彼です(何 15時過ぎに高天原山荘につき、そこから徒歩20分の高天原温泉へ。 温泉には男湯、女湯、混浴がある。 1ミリの淡い期待を抱いて混浴湯を訪れると、そこにはおっちゃん2名がフルチンで温泉入ってた。笑(本当は水着着用義務なので僕らは水着で入りました笑) 高天原温泉はぬるめで白濁した温泉、いつまでもずっと入っていられるちょうど良さで、疲れた身体を癒やしてくれたようだった。 一緒に温泉入った登山家のおっちゃんが「いやー、ここ本当に遠いところにあるね。もしかすると、日本で一番遠いところにあるんじゃないのコレ」と。いやいや、まさか知らないでここに来ちゃったパターン!?そんなことある!?笑 温泉入浴という目的を果たし、山小屋で晩飯を食べて爆睡。 北アルプス最終日はひたすら下山する日。 朝4時半に下山開始し、薬師沢をずっと下っていく。このルートがめちゃくちゃ当たりで、めちゃくちゃ気持ち良い。川の水が本当にキレイで友人Dと一緒に沢遊びしながら下山していく。 ラストは太郎平小屋で名物ラーメンを食べ、1杯1000円する山価格の生ビールを呑み、ここまでの無事な山行に感謝し、そのまま折立から下山する。 最後に下山道で熊が出てしまい、山岳警備隊の人たちと一緒に緊張感もちながら下山したことだけは触れておこう。 後半は流れるように説明してしまったが、本当に数々の絶景でした。 登山自体は2年前ぐらいから低い山を登り始めていたのだけど、3000m級の山々には今年からです。本当に素晴らしい景色だった。 写真もいくつか載せますが、皆さんご存知の通り、写真じゃ伝わらないよね。登山って、急な登りほどツラいのだけど、登りきったからこそ見える絶景がすべてを忘れさせてくれるんです。 特にオチもなく、ダラダラと書いてしまいましたが、1年に1-2回はアルプスを登りたいし、今後の海外旅行でも旅先で山に登ることは意識したい。 自分の新しい趣味が確実に育っているなと思うのであります。 今度は山ガチのたつのすけ先輩に連れられ、テント泊登山に行くことが決まっているので踏ん張っていこうと思います。 ライトな登山もちょいちょい企画しているので、みんなで山いきましょう! 日帰りで朝から山登って、15時ぐらいに下山し、温泉入って焼肉食べて夜には都心に戻っているというのがゴールデンコースです。 登山、ゆるゆると始めたけど、自然が好き、キャンプが好きな、身体動かすの好きな人なら絶対ハマると思う。そしていつか槍ヶ岳の標高3000m超えのテント場で一緒にキャンプしましょう!御来光は間違いなく絶景でしょう。 以上、だらだらとお付き合い頂きありがとうございました。ちなみに初心者でもちゃんと装備と体力整えれば全然アルプスいけると思います。 地元である蔵王山も近々あらためて登りたいと思うのでした。 #北アルプス縦走 #登山 #縦走 #高天原温泉 #日本の最果てにある温泉を目指して

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