憧れの槍ヶ岳へ

2020.08.13(木) 3 DAYS

活動データ

タイム

22:23

距離

39.2km

のぼり

2299m

くだり

2299m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 22
休憩時間
1 時間 8
距離
15.0 km
のぼり / くだり
748 / 254 m
DAY 2
合計時間
8 時間 51
休憩時間
3 時間 23
距離
5.0 km
のぼり / くだり
1240 / 171 m
DAY 3
合計時間
8 時間 10
休憩時間
2 時間 17
距離
19.1 km
のぼり / くだり
306 / 1872 m

活動詳細

すべて見る

とても長い文書です。写真だけご覧になりたい方は一番下へスライドしてください。 2020年8月12日夜10時 バスタ新宿発さわやか信州号上高地行きに乗り込んだ。目指すは北アルプス槍ヶ岳である。 8月13日朝5時過ぎに上高地に到着した。 上高地で熊鈴を着ける…この数日前、近くの小梨平キャンプ場で熊による人身事故が発生した。 熊鈴の効果もよくわからないが、お守りとして鳴らそうと思った。腰には爆竹と発煙筒を隠して…。 小梨平だけでなく、明神、徳沢などでも出没しているという。当たり前だ。人間がお邪魔しているという感覚が正しいと思う。 さて、上高地バスターミナルから歩くこと2、3分。河童橋に到着した。高校時代の夏合宿、ここで写真を撮った思い出。 10数人の部員と歩いた河童橋の傍を今回は1人で歩く。槍ヶ岳撤退(17年)、奥穂高岳(18年)で皆で歩いた土の上を今、1人で踏みしめる。少し心細い。(19年は表銀座悪天候撤退により上高地には下山していないので2年ぶりとなる) 熊出没閉鎖中という看板を抜け、急ぎ足で小梨平を抜ける。今回は1人だ。ペース配分も自分で考える。 横尾に早く着きたかったので、明神、徳沢は休憩無し。歩き続けた。 明神は30分程で通過した。次は徳沢。徳沢には1時間と少しで到着した。横尾には7:45分到着。上高地を出て2時間だった。ここから先が登山道となるので、靴紐締め直しやトイレに立ち寄る。空からは雨が落ちてきた。自分のレインウェアは山行ごとにメンテナンスしているが、4年目…少し染みてくる。体を冷やさないように気をつける。 8時ちょうどに横尾を出発。槍沢に沿って徐々に標高を上げる。ここは登り坂がキツいというより、長い距離がキツい。時折空が明るくなるのでレインウェアを脱ぐが、すぐに雨。 槍沢ロッヂには9:25分到着。ここで今日のテント泊の舞台となるババ平の設営料を払う。1000円札を持って受付へ。 その頃、急に天候が悪化した。土砂降りの雨が地面を叩きつける。 これは…ババ平まで20分程であるが、雨で濡れたくない。結局1時間程槍沢ロッヂに停滞した。 雨が弱くなったタイミングでババ平を出発。グイグイ歩いてすぐにババ平に到着した。 ここは2017年 槍ヶ岳撤退の下山時にテント泊した場所。あ…この岩は自分が座っていた岩…スマートフォンの「2017槍ヶ岳夏合宿」フォルダ内のババ平の写真を見ながら呟く。 2017年は15歳。今は18歳であと1ヶ月後には19歳になる。あの頃と比べて成長出来たのだろうか…皆で雷雨の夜を耐えたババ平に1人で戻ってきた感動と高校1年の自分を思い出し、気づいた時には涙が出ていた。 槍ヶ岳方面から風が吹いてきた。 涼しい…より寒い。 早くテント設営だ。ザックからアライテントを取り出し、爆速で設営。 時刻は11時を過ぎた頃。昼ごはんにした。今日の昼ごはんは焼肉。 アルファ米に熱湯を入れ、15分後に味噌汁を入れ、肉をフライパンで焼く。牛カルビ、美味い。 就寝時間は6時に決めた。その前に夕食作りがあるが、まだまだ時間が余っている。 昼寝をして…持ってきた世界遺産検定のテキストを読んでボーッとして… お隣のアジア系外国人のパーティと会話した。日本に住んでいるのだろう。 日本語は全然通じないが、中学、高校での英語で簡単に通じる。 高校レベルが無理だとしても、YESとうぇーい!とおぉー、そして表情や手振り身振りで意外と伝わる。 一緒に記念写真まで撮った。 3時過ぎ、夕食を作った。棒ラーメンである。野菜は乾燥野菜を使用。軽量化に役立った。 ダウンを着込んで6時に就寝した。 明日は早い…すぐに寝れた。 翌8/14日 1:30分 目が覚めた。暗い時間の出発となるので、パッキングが素早く出来るように寝袋やその他用具をすぐにザックに入れた。あとは調理用具とテントを入れるだけである。 朝飯はパンとココア。蜂蜜をかけてパンを食べた。潰れたパンは山の定番である。 午前3時過ぎから、周りのテントから槍ヶ岳に向けて歩き出す人が多かった。皆、サブザックでテントは設営したまま。そんな中、自分はテントを撤収してフルザック。3時20分、20kg程の荷物を背負い、暗い夜道を歩き始めた。ナイトハイク。熊との遭遇は避けたい。 17年の夏に暑くてヘトヘトになりながら登った場所を今回は寒さを感じながら登る。 段々と周囲の山々が見え始めた。ふと左下、槍沢に目を向けると… 黒い物体が動いている。嫌な予感がした自分は、足早に天狗原分岐地点へ向かった。 天狗原分岐でもう一度左下を見た。 予想通り、ツキノワグマだった。 先程よりも小さく見えて、可愛い。 こちらに来ない事を祈りつつ、グリーンバンドを越える。 沢を渡り、右上を見ると…槍ヶ岳!見えた! 青い空を突き刺すようにそびえ立つ槍ヶ岳。 槍ヶ岳に向かって一歩一歩、登る。 殺生ヒュッテ到着。ここでテント泊することも考えたが、当初の計画通り、槍ヶ岳山荘でテント泊をする事に決めた。 あと少し…あと少し… 午前8時 槍ヶ岳山荘に到着した。 すぐにテント泊受付を済ませる。 テントの外には槍ヶ岳が見え、風避けにもなる岩の裏側。いい場所取れた。 テントを設営…風に飛ばされないように張り綱は丁寧に。 槍ヶ岳の山頂から人が少なくなった頃、ヘルメットをつけていざ山頂へ。 2017年に登れなかった槍ヶ岳。 あの時撤退した場所を通過して岩場に突入。 双六岳方面や穂高方面、遠くには富士山や八ヶ岳。 青い空に向かってほぼ垂直に見える鎖場を登る。 高い場所が苦手なはずだが、グイグイ登れた。 最後の2連ハシゴ。もう楽しくて楽しくて。 ハシゴを登りきり、槍ヶ岳山頂に到達! 360度、全方位快晴の大展望。 記念写真を数枚撮った。 「槍ヶ岳山頂がお盆でこんなに空いてるなんて…」隣にいた登山者が呟く。確かにこれだけソーシャルディスタンスが槍ヶ岳の山頂で確保出来るお盆休みは珍しいな…。 ここから飛び立ったら気持ちよさそう。そんな危ない事を考えつつ、今度はハシゴを下る。 登りよりも怖いのが下山。慎重に岩場を降りる。 山荘前まで降り、もう一度槍ヶ岳を見る。 遂にあそこに登ったのか…。 槍ヶ岳山荘の「キッチン槍」でカレーライスを食べた。美味い。 テントに戻る。お隣のテントの人が戻ってきた。南岳方面に散歩に行ったという。「こんなに快晴で最高ですね!」少し会話する。 テントで昼寝していると、ヘリコプターの音がした。 これは…テントから飛び出すと、 ヘリコプターが槍ヶ岳山荘に飛来した。ぶら下げた荷物を山荘スタッフが受け取り、すぐに上高地方面に消えていった…。 夕食はビーフシチューを作った。 この頃になると槍はガスで覆われて、テントに強風が襲ってきた。 夜に天の川と槍ヶ岳を一緒に撮るために槍ヶ岳山荘でテント泊してるのに…少し残念。 6時過ぎに就寝した。 目が覚めた。時刻は夜9時。 思い出したのは去年の燕岳…あの時も午後に雷雨が襲い、周囲はガスで覆われた。しかし夜中に強風こそあったがテントの外に出ると星空、槍ヶ岳、松本方面の夜景…感動したことがあった。 まさか…と思いテントから顔を出す。そこには槍ヶ岳と天の川が…。 すぐに3脚とカメラを準備。 天の川と槍ヶ岳を一緒に撮影できた。大満足である。 その後、高校時代の顧問の先生2名にLINEで槍ヶ岳登頂を報告した。 今、高校生はコロナの影響で泊まりの登山ができない状況。 また、普段の学校においてもコロナで苦労されていると想像できる先生にお盆休みに連絡を取るのは少し躊躇したが… 高校時代にお世話になった先生に 1人で槍ヶ岳に登った事を伝えないという選択肢は無かった。 きっと喜んでくれるだろうと思い、 数ヶ月ぶりにLINEを送信した。 電波が良いタイミングで返信が帰ってきた。ここでは内容については省略するが、久しぶりに先生と話せてよかった。しかも槍ヶ岳で。 風の音だけが耳に入る。 空には星空が広がる… 人間って小さな存在だな、と思う。 こんな環境で涙が出ない人間などいないと思う。 その後、何時に寝たかは不明である。 8/15日 午前2時に起床。朝食のサッポロ一番みそラーメンを作り、外を見るがガスで何も見えない。 本当は4時30分に下山することを考えていたが、この天候や前日の熊の件もあり、6時まで停滞。 強風とガスの中、テントが飛ばされないように注意して、撤収。 槍ヶ岳山荘の受付に札を返す。 「ありがとうございました。また来ます。」「気をつけてお帰りください!」 見えない槍ヶ岳に手を振り、午前6時に下山開始。殺生から下は晴れているらしい。ガスにポッカリ穴があいて、太陽の光と緑が見えている。 確か、17年の時もこんな感じだった。今回は運が良かったなと思いながら、下山する。 レインウェアを脱いで槍沢を降りる。熊は見当たらない。どこに潜んでいるのだろうか。 グリーンバンド付近で尻もちをついた他は安定して降りられた。 ババ平を通過し、槍沢ロッヂへ。 まだ8時台。 これは当初の予定通り、13時には上高地に降りられるかも。 横尾までどんどん降りる。 暑い天候の中、横尾到着。 30分の休憩を取り、徳沢へ。 徳沢で10分の休憩。 この後は上高地小梨平までノンストップだ。 明神を通過した頃、登山者が集まって写真を撮って、少し騒ぎになっていた。なんの騒ぎか気になったが、川に魚でもいたのかな…と思い脇を通過。 実は熊がいたらしい。 小梨平を通過したのが12:55分頃。 バスターミナルまで最後の力を振り絞って歩く。時計は13時になった。 予定通りにバスターミナルに到着。 遅延回復歩行で遅延回復である。 こうして今回の槍ヶ岳は幕を下ろした。 長文を最後までご覧頂きありがとうございます。 9/6には「国内旅行業務取扱管理者」という国家試験があります。 次に山に行く頃には、結果が判明していると思います。 山も勉強も全力で頑張りますので 今後もよろしくお願いします。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。