【コース概要】 笹山〜白剥山 灌木とハイマツ漕ぎを覚悟して下さい。推奨ルート(赤テープ)をよく見ながら歩けば酷い所は回避できるようです。笹山南峰から少し南下した後に尾根筋を横断してやや西側が岩稜帯になっているので、そちらに逃げるのが良さそうです。この場所の南アルプス主峰の展望は最高ですよ。白剥山まで標高は下がり続けますがこの区間のコースタイムは辛過ぎるのではないでしょうか。時間の見積は余裕を持って臨んで下さい。 奈良田越〜伝付峠 林道区間になり一転歩きやすくなりますが、崩落箇所があります。広場から近くの方の崩落地はスリリングです。上からの落石にも注意。 伝付峠の田代側水場は冷たい水がガシャガシャ出ています。 (今回は伝付峠に14時着、2日目の出発は4時過ぎくらいです。リザルトの記録が上手く取れませんでした) 偃松尾山 生木割からしばらく歩くと巨大なガレが広がります。ここはガレを横断せず上部に逃げてください。方向を90度方向転換する頂点から最短距離で偃松尾山を目指すと名前の通りハイマツの海です。溺れたくない方は、トラバース気味に南側から巻くと山頂に立てます。でもせっかく舞台が整っているので泳ぐと楽しいかもしれませんよ 笑 【感想】 白峰南嶺の軌跡繋ぎの続きです。去年の青薙山〜笊ヶ岳に続き今回の区間も容易ではありません。 伝付峠水場までの工程を練ること。装備の取捨選択や注意すべき箇所の確認も怠れません。 早川町は連日37度の猛暑日予報であり、水をたくさん担ぐ必要もあります。確実に計算できる水場は伝付峠ですが、奈良田からのコースタイムは長いですし、軽荷でもなかなかのお山である笹山に登ってからが難路のスタートであります。 恐縮ながら今年のターゲットとなっている話から、長雨やイマイチ気合いが入らない状態の中でトントン拍子で同行に手を挙げてくれたわくわくさん、ありがとうございました。重荷の苦しさを共有し、お互い楽しさや発見、リスクのリカバリー出来て良いユニゾンでしたね。 今回も天気は上々で、樹林帯が長い稜線歩きでしたが、そこを抜ければ南アルプスの主稜線が丸見え。改めてその大きさに驚愕です。正面に塩見岳や蝙蝠岳が見えていたのが、ずっと南下してすぐ横には聖岳や上河内岳になる今回の区間。静かな山歩きなのもありますし好きな人はきっと好きだと思いますよ。
奈良田からダイレクト尾根で笹山を目指します。この時間でしたら涼しいはずなのですが、ドッと汗が出てくる。過去にここは友達と登っていますが、取付きからすぐのパイプゾーンのどこでミスしたか分かりました。ごめんね、今回はスムーズに登れました。
即席で「じゃあ、明日行く?」とか、そんなルートではないので、歩荷練したり作戦会議したりで当日を迎えております。ここの水場は取りに行くよりも下から持参の方が良い気がしますね。
笹山北峰到着。 ここまではよくレポを見るでしょうから割愛。(3枚目でアルプス登頂 笑)
そうです、ここからが本番なんです。さぁ行きますよ。
尾根筋を横断して西側の岩稜帯に行くと正面にどーんと蝙蝠岳と塩見岳が大きい。谷が深いですからせり上がる感じは迫力がありますよ。
もう少し南側に目を向けると悪沢岳と上河内岳
白剥山まではハイマツ帯を横断する部分がありますよ。
ソロよりも目がある分、修正できたところが何箇所かありました。これがあるのが分かっていたから僕はボロボロの藪の時用パンツ選択も上は半袖なので擦り傷ができました。
こう見えて下には踏み跡があったりします。
そして西側の岩稜帯から尾根に復帰するポイントです。富士山もちらり。
倒木帯へ。下り基調なのですが、なかなか進みません。でもこれが楽しいんだなぁ。
白剥山到着。まずは一難所通過。
廃屋が見えるともう少しで奈良田越です。寝られる・・・のかな?
奈良田越到着。標高は2,000mを割っているから、かなり降りたことになる。
時間が止まっていますね。
分かっていても違和感しかないカーブミラー。
崩壊地が見えてきました。
大丈夫ですけど、毎回「慎重に、ゆっくりでいいよ」と声を掛けながらだった気がする。
御褒美林道を堪能
伝付峠に到着します。 徐行マークと「この先 登山者に注意願います」時代を感じますね。
林道のド真ん中で寝ている人達がいますから 笑 僕らの他にも同じように楽しんでいる方がいて、まさかの4張。ここから二軒小屋に降りて荒川岳を目指すそうです。YAMAPでも先日拝見しましたしこのルートが盛り上がりそうですね。まぁ、行く方は行くよね。
少し下った水場で翌日分もしっかり確保。今日は消費が多かったです。
乾杯してから早めの就寝。明日の工程も長い。
4時過ぎに伝付峠を出発。
雲が少したなびいていてオレンジ色に染まっているのが樹林帯の隙間から見えた。あーどこか開けていたところで御来光を望めたら最高だっただろうなぁ。
天上小屋山の少し手前が西側が開けています。赤石岳が大きい。
荒川岳も大きい。
椹島からの尾根と二軒小屋の尾根が重なる。千枚岳への荷揚げ林道もあるんですよね。
パノラマで。
赤石岳と聖岳 中間の兎岳とか中盛丸山のアップダウンもよく分かります。
聖岳と上河内岳 聖が見慣れた形じゃなくて尖って見える。これもカッコイイ。
生木割手前が針葉樹林帯で小無間から大無間の間とか青薙山っぽい雰囲気。わくわくさんも同じように感じていたようでした。
生木・割! ソロだとやらないけどカメラ向けられるとやってしまう。まだ余裕があるのかな。
巨大なガレ場。直進は危険すぎる。高巻きします。このガレは笊ヶ岳からもよく見えますね。
上河内岳 好き。
北側から笊ヶ岳と小笊 あんまり見なくないですか?最高だよね。
ここ歩いてスルーは無い。当然寄り道の偃松尾山!ハイマツに溺れている悪ふざけ写真も撮ったけれど自粛します。
笹山から見た笊は物凄く遠かったけれど、もう目の前に。
富士山もいい感じですね。
白い早川町の標識から南アルプス南部や安倍奥でよく見る黄色の標識になった。ホームを歩いている気分。
3年連続の笊ヶ岳。さっきまでスペシャルビューだったけれど、山頂はちょいガスでした。ここではこれ以上無いくらいの展望を独り占めしたことがあり、その素晴らしさを知っているだけにちょっと残念。
そして稜線最後のピーク布引山。
所ノ沢越へのルート、マーキング付けすぎていないですか~?去年ここから出てきた時は物凄く嬉しかったのを思い出した。
その尾根。布引山への急登はキツカッタですよ。奥に深南部が見えていますね。
我らが山伏が見えています。分かりますか?
広河原は普通の渡渉で良かった。やっぱり木曽駒-茶臼山の時の水量と速さは通ってはいけないレベルでしたね。
足裏にマメが出来て大ブレーキの下山。それを庇って歩くもザック重量と足の疲労で大変でした。
タカネビランジ他、お花も勿論。
奈良田に戻って女帝の湯。ちょっと湯が疲れている気がしましたが、やはり気持ちいい。足を冷水で冷やしたり交換浴で待たしてしまってゴメンね。
御飯を食べながら反省会、いや達成感と楽しかった思いを振り返り無事帰宅しました。