活動データ
タイム
18:22
距離
30.2km
のぼり
2038m
くだり
2055m
活動詳細
すべて見る今回は少し長文になります。要所要所肝心なところでの写真少ないのです。写真撮る余裕が無かったということでしょう。 さて行きたかった憧れの日高、コロナ自粛で実に四か月半の実戦山行になる。航空券は四十五日以上前ので予約、東京の感染者が10名位の時手に入れたものだ。非国民とののしられようが行くしかない。先ず羽田空港が閑散としているのにホッ。カムエクだけは一緒にやろうと健脚I隊長も休みを私に合わせてくれて八戸経由のフェリーで苫小牧、新千歳空港で合流いざ本命カムイエクウチカウシ山へ。熊も転げ落ちるほどの名だたる氷食尖峰に立ち向かうのだ。 久々だが二人なのでお互い心強い。とは言え二人とも寝不足、一睡もしてない。ただ一週間予報で初日だけテンクラAなのでこれは日帰りで一気に片付けるという隊長に同調するほかない。私の実力からして本来なら八ノ沢で一泊してからアタックするのが無難なのだが天気予報に合わせてしまった。でちょっと不安なので120gのツェルトとアルミシュラフをザックに忍ばせることに、、、。 コースは基本どうりやればなんて言うことは無い山です。とはいえ数え切れない程の徒渉、水漕ぎ、高巻き、藪漕ぎ、滝壺に落っこちそうな危険な雪渓、滝のそばの崖のトラバース等々ほとんど全てが網羅されていて行程も30kmと長く日帰りとなると登山というよりこれはもうアドベンチャーコースと云えると思います。 で初っ端藪漕ぎ途中で早くもアクシデント、蜂に刺されてしまったのだ。タイツの上からそれも二ヵ所、左右ふくらはぎ。全てはここから今回の苦行が始まったのだ。刺されたその直後から熱を持ったのか2時間もたたないのに足つり症候群。隊長のペースに合わせたのと12~14時間で帰らなきゃというので飛ばし過ぎたのは間違いない。そこからは足を叩きながらだましだましのヘロヘロ登山になってしまった。(蜂は登山道沿いの藪道に有り帰りにもその場を確認したが大量の群れだった。タイツは蜂に弱いということが分かった。)いやはや四か月半も山やって無い奴が来る山では無いな、、、。 でえらいことになって来たなと歩を進める。八の沢出会いを自然にすぎそこから急登、危険な雪渓、危険な滝沿いの崖路を夢遊病者みたいにヘロヘロよじ登りながら別天地八の沢カール到着。そこで何を思ったか間違えて雨具一式のほうをデポしてしまった。もうすぐだ大丈夫だろうと荷を軽くしたのが大間違い。それもカッパをデポするとは、、、。既に高度は1500m超え寒くなってきてたのでそこからジャケット着用でも良かったのだが、、、。今から頂稜を極めるというのに下手な事をしてしまった、、、。多分判断能力も著しく低下していたのだろう。このいかれポンチである。これがまた稜線でえらいことになるのだ。 さてコルに向かう。ここはヒグマの通り道だ。隊長はあっという間に行ってしまった。 コル、ここでトレランスタイルの12名組(若い女子二人)の半数位のグループがピラミッド峰の方から駆け降りて来た。 不安だったので質問してみた。「トムラウシはこっちですか?」、、、「トムラウシ? カムエクはそっちです。」と笑いながら答えてくれた。 冗談言ったわけじゃ無く頭がいかれてるのよ、、、ハハハハハ。 でもねこの大勢さんには感謝してるのよ。これだけ大勢だと熊の出没確率は低くなる。 で稜線、ガスの中突入。美しくも可憐な花々を眺めながらぜえぜえ、、、。これはもう雨。カッパを着ることに。 「無い、無い、無い」のだカッパが無いのだ。間違えてカールにデポしてしまったのだ。痛恨の極み。 アルミポンチョが有ったので被る。烈風、叩きつける雨。アルミはすぐ破けて使い物にならない。あっというまにもう全身びしょ濡れ。寒い、みるみるうちにに体温を奪っていく。低体温症が頭をよぎる。危険だ。北海道の2000mは北アルプスの3000mに匹敵するのかも知れない。トムラウシの遭難が思い浮かぶ。アルミポンチョを心臓にあてがい歩を進める。幾分違う。もう少しだがここで撤退まで考える。でも隊長が頂上で待ってるかもしれないし、、、。寒い、寒い、まさに死の淵を見た、、、。と云っても過言ではない。あと10分も続けばちょっと危なかったかも、、、。 で頂上で待っていた隊長が寒さに耐えきれず降りて来た。頂上はもっと寒いそうだ。事情を話すとジャケットを脱ぎ貸してくれた。 カールに自分のジャケットが有るので、、、大丈夫だなと判断、お言葉に甘えて何とか頂上アタックに成功。「ヤバイピークハント」を何とか成功。取り敢えず念願は果たせた。 でそそくさと逃げるように降りる。長居は無用。 助かったあ!カールまで標高下げるにつれすぐさま暖かくなる。別天地だ。八の沢カール。福岡大の慰霊碑付近で 「おやっ」 グリーンのツェルト張ってる人が、、、。隊長だ???。 まさか隊長がツェルト持って来たとは思わなかった。まだ午後3時。ツェルト張るなら人の多い八の沢出会いまで降りるのがベストなのだが???彼も寒さで相当戦意を失ってるみたいなのである。私ももう歩きたくないので逆らわず寝るだけツェルトを張ることに、、、。私はビバーク慣れしているが隊長はビバーク初めて、、、。その割にちゃっちゃと手際がいい。 でも此処、雪渓よりも上だし吹きっさらし、夜は冷えるぞと予想できる。それに何より日本一ヒグマが怖い場所だ。丸見え。(後で聞いたが先日此処でテント泊の若い女性が襲われて何針も縫ったとか縫わないとか、残地のテントが有ったとかの情報を目にした。)熊にしてみたら若い女性の肉はおいしそうだが我々の肉はうまかあねえぞ。来るなら来やがれ勝負だ、熊の毛皮で寝たらさぞ温かそうだぜ!と粋がってみるしかない。 岩穴を背にしてツェルトを張りすかさず獣除け線香を炊く。(熊は風上から決して襲って来ないそうだ。) 焚火したいが木も少ないし濡れている。着火するはずもないのに隊長、一時間位焚火にチャレンジするも叶わず、、、。さてさてこれは長くて過酷な夜になりそう。ヘッデンを頭に着用したまま熊スプレーと剣鉈の位置を確認して眠ろうとする。アルミシュラフが有ったので使用するがすぐさま破れて使い物にならないと云うのも解った。これならむしろサバイバルアルミシートのほうが何かと重宝するかも知れない。ただネルダケツェルトは深夜の雨でびしょ濡れ中もびしょ濡れ、多少なりともアルミシュラフは約に立ったのかも知れない、ネルダケツェルトはファストトレッキング向けみたいだね。ビバークには向かない。中で作業できないし今回のように座って仮眠したい状況なのにそれもできない。寒くて一時間寝ては起きまた寝るの繰り返しで一夜を過ごす。寝込み襲われたら終わりだったね。 隊長は寒くてほとんど寝られなかったそうだ。後で聞いたがフリースもダウンも無かったそうだ、私は着ていた服は全部濡れたためオールヌードでフリース、でカッパ上下。隊長は濡れた衣類の上からカッパ、寒くて寝られなかったようだ。言ってくれればアルミ巻くなりできたのに、、、。または一つのツェルトで二人居住もう一つのツェルトをシュラフ替わりにするとか方法はあったのに、、、。ちょっと反省。寒かったろうね、、、。ソーシャルディスタンスしてる場合じゃ無いのに、、、。申し訳ない。 で翌朝、隊長は3時頃からソワソワ動き始めてる。 ただこの下からすぐさま崖、谷、雪渓と危険ゾーン。ブラック下山はあまりにも危険すぎる。ここは私の意見を聞いてもらい我慢我慢、明るくなってから出発。取り敢えず二人とも凍え死んでないし熊に内蔵喰われてもいない。細心の注意を払ってゆっくり下山しましょう。 で下山開始、素晴らしい日の出を拝むことができた。ありゃりゃもう一度頂上行くべきだったか? そんな元気もないくせに、、、。 帰路、重大なミスをまたまたやらかしてしまうのだ、、、。それは切れてしまった水。 沢の水を飲んでしまった。北海道の水は怖いのだ。多分この水が原因で胃の調子をおかしくしてしまう。体調不良は内地(北海道の人は内地という)に帰るまで続くことになるのだ、、、。帰りの林道、後2km位の処では歩けなくなってしまったのだ。 、、、、、、、、、、、、、。あとは写真で馬鹿にしてください。 歩行時間は不明、ビバーク場所で停止ボタン2時間押し忘れたりしてデタラメです。途中林道動けなくなったりしたし、、、。 基本的ミスを羅列反省してみよう。何でこうなったのか? ①寝不足で山は登るな ②長丁場は実力以上のスピードで歩くな ③カッパと防寒着は絶対手放すな ④靴は一足で良い。雨降りゃ一緒、荷物になるだけ(トレランシューズがいい出来ればメガグリップ) ⑤北海道の水は飲んではならない。(キタキツネなどによる、エキノコックス等怖い) 基本的ミスだらけでしたね。久し振りだったからですかね? 「次の日は絶対山やんないよ!カムエク終わったからこのまま帰ってもいいし明日は絶対やらないよ。 隊長一人でやってください。俺一日寝てます。はい疲れました。」
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