活動データ
タイム
20:10
距離
12.8km
のぼり
1729m
くだり
1729m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る慌ただしく日々を過ごしていると、いつも足もとばかり見て生きるようになる。 “ 上を向いて歩こう! ” 敢えて岳沢で一泊して翌未明から前穂高を目指す。御来光目的で多くの登山者で賑わう奥穂高と違い、静かな夜明けを迎えられる数少ないアルプスの頂と考えたからだ。 そこから吊尾根を経て奥穂高→ジャンダルムへと進み、天狗沢から岳沢に戻るベタな周回計画だが、梅雨の長雨続きと地震の影響で天狗沢は不安定な状態とのこと。 目的は前穂高で静かなひと時を過ごすことなので無理をするつもりはないが、できればピストンは避けたい。 限られた時間の中で今回の目的を叶えるため、天気を味方につけたいが、日々変わる予報に翻弄され踏みきれない。妥協して照準を二日目の未明から午前中いっぱいに絞込み、漸く決行する日を決めたのだが…。 ◆◇◆◇◆ 〜二日目〜 よく眠ったせいか、日付が変わる前に目が覚めた。テントから顔を出して見上げた空には、クリスマスツリーのイルミネーションのような無数の星が耀きを放っていたが、晴れ予報だった穂高岳周辺は、午前中から雨が降りだす予報に変わっていた。 計画していた時間より一時間近く早かったが、頂に向けてゆっくりと高度を上げてゆく。せめて夜が明ける5時くらいまでは晴れたままであってほしいのだが…。 テント場を発って一時間ちょっとくらいか、森林限界を超えたところで明神岳に目をやると、月明かりを遮るような嫌な雲が浮かんでいた。 「早すぎるだろ…」と呟くも、このまま進んでも山頂に着く頃にはガスに覆われると見込んで気持ちを切替え、それなら晴れている今、この場所で星空を愉しもうと腰をおろすことにした。 時間にして30分くらいだろうか。 刹那に過ぎゆく長閑な時間…いろいろな事が良い意味でリセットされる。 今の自分にとっては必要不可欠な時間だ。 紀美子平に着いたのは3時15分。 夜が明けるまでは二時間近くあるが、やはり辺りはガスに覆われてきた。10分ほど体を休めて山頂に向けるが、次第にガスは濃くなりペンキマークも確認しづらいくらいの視界になる。何度か登っているので恐怖感はなかったが、辺りが暗いだけに慎重になる。 頂に立ったのは3:56。 本当なら誰も居ないここで、静かに夜明けを迎えるはずだったのだが…。 また、来ればいい。
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