今年は新型コロナウイルス流行のため山行きも自粛していましたが、毎年恒例の「御巣鷹の尾根」慰霊登山は決行しました。8月中しか現地へ行く道が通れないとのことで、今回が今年最後のチャンスと判断しました。 去年は「御巣鷹の尾根」へ行くことが出来ませんでした。台風19号が接近した日に行く計画をしていたのですが暴風雨のため延期、その日に現地が土砂崩壊などで壊滅的被害を受けてそのまま冬期閉山になってしまったのです。 今年は行ってみて驚いたのは、登山口駐車場へ向かう道路から災害の爪痕が深く残っていて、さらに入山したら景色が一変しているところもあって驚きでした。
まず登山口駐車場の景色が一変していました。土砂崩れで駐車場が半分埋まっていました。駐車場が狭くて、すぐ満車です。
駐車場は下側の半分のみが使用可能です。このため今年は、8月12日前後はご遺族と関係者以外は立ち入り禁止になるとのことです。
登山口そのものはいつも通りです。ですが、毎年写真を撮っている案内看板がありません。
案内看板は滅茶苦茶になって杖立の裏に落ちてました。
ではカウンターを押して入山です。いつからの人数かはわかりませんが「308」でした。
入山してすぐにスゲノ沢を渡るのですが…その橋は流されてしまったようで、単管で作った仮の橋になっていました。
スゲノ沢も上流から流されてきた倒木などで、風景が変わっています。
これは旧登山道。使われなくなって干支が一回り以上、もう自然に返ってしまっています。
スゲノ沢は見覚えのない岩や、たくさんの木々で埋まっています。登山道にも仮橋が見え、以前の景色が思い出せない…
登山道の対岸では、このような土砂崩壊の痕跡も。
沢のすぐ横の木には、こんな感じで細かい木々が詰まっています。
「すげの沢のささやき」の碑です。碑石には災害の影響はなかったようです。
ですが、「すげの沢のささやき」の先は、うっそうとして暗いはずの森がこんなに明るくなっています。
登山道が流され、工事現場で見られる足場を伝って歩くところもあります。
この場所は登山道に変化はないですが、沢の景色は一変です。
また暗いはずの森が明るくなりました。倒木が沢をふさいでいます。
一変した景色に驚いていると、墜落現場一帯に到着します。
そして尾根の斜面を登ると、「昇魂之碑」に到着です。改めて交通機関の安全を願って手を合わせました。
そして墜落の碑です。尾根の上は昨年の台風の影響はほとんどないようです。
さらに尾根を登って「×岩」-。さらにこの裏側へと登ると…
3人のコックピットクルーの碑があります。ここでも手を合わせます。
コックピットクルーの碑から少し降りたところから「U字溝」が見えました。
そしてその後方をよく見ると、事故機が最初に地上物に接触した「1本カラ松」が見えました。後ろに薄く見える山の、中央に見える松の木がそれです(最望遠で撮影)。
事故の火災で焼けた木には、こんな名前がついていました。
尾根から下ります。今は去年の台風の影響で「林間登山コース」と通行禁止になっています。
そしてスゲノ沢に降りると、台風の影響で全てが流されてしまっていて、風景が一変していました。
犠牲者の墓標も数多く流され、流された墓標は別の場所に移動していました。泥だらけの墓標は流されたものなんだろうなぁ。
そして下山です。やっぱり森が明るくなっていて、強い違和感を覚えます。
スゲノ沢は水が多く、流れの音が「ささやき」どころの音量ではなかったですね。
無事登山口に下山しました。上側の駐車場、これだけになっちゃったんです。