エゾシカがこちらの様子を見に来ました。 戻る 次へ

豪快な稜線歩きの幌尻岳の写真

2020.07.18(土) 16:24

エゾシカがこちらの様子を見に来ました。

この写真を含む活動日記

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26.3 km

2784 m

豪快な稜線歩きの幌尻岳

幌尻岳・戸蔦別岳・伏美岳 (北海道)

2020.07.18(土) 2 DAYS

今季は幌尻岳への二つの小屋泊まりコースは林道崩壊やコロナの影響で閉鎖しており今年も駄目かと諦めていました。残りはチロロ林道コースが唯一一般で登れるコースですが三つの山を超えるアップダウンのある長丁場でしかもテントを担いで登らなくてはいけないタフなコースです。 私には到底ソロでは行けないので北海道山岳ガイドの方にお願いして案内して頂きました。 前夜は麓の日高町のキャンプ場でジンギスカンとワインで乾杯して早朝チロロ林道を歩み始めました。 沢に入り何度も渡渉を繰り返しヌカビラ岳への尾根に取りつきます。聞きしにまさる急登と北海道らしいワイルドな登山道で北アルプスの整備された路とは違い脚に応えます。途中、唯一の水場トッタの泉で一息つき再び急登が始まります。徐々に視界が開け日高山脈の稜線が見え始め景色を眺めつつ登って行きます。ヌカビラ岳山頂からは青空の中日高山脈の豪快な山の繋がりが展望出来これからの稜線歩きに心踊ります。次なる山、北トッタベツ岳へはお花畑の極楽路や岩稜帯そしてハイマツを掻き分け進みます。 ガイドさんからお花畑通過中北海道特有の高山植物を沢山教えて頂きますが、右から左へ抜けて行ってしまいます。 北トッタベツ岳山頂にたどり着くと待ってました幌尻岳への豪快な稜線が現れます。感動の一瞬です。天気が良いので日高の山々は勿論、夕張山地、大雪山系の雄大な眺めが広がります。 そして前に立ちはだかるのはトッタベツ岳の俊英な山肌です。ここを超えなければ今日のキャンプ地七ツ石カールに辿り着けません。でも天候に恵まれこの素晴らしい稜線歩きはアップダウン激しいですが苦になりません。 相変わらず手強いハイマツを掻き分けながら時にはお花畑の稜線と変化に富んだ稜線歩きです。しかしトッタベツ岳は登りごたえはありました。山頂からは大きな幌尻岳の山容が目の前に、足下には七ツ石カールの雄大な眺めが広がります。夢にまで見た稜線です。疲れて来ましたが感動が上回ります。 七つ沼カールへはガレた急な路を降ります。降りる路には熊さんの糞がてんこ盛り、しかし熊さんはこの時間は寝ぐらに戻っている様です。 七つ沼カールの周りは日高の山々に囲まれお花畑が広がり、ナキウサギの声を聞きながら天国の様な世界が広がります。ここのキャンプ地は熊さんとの出会い警戒して私達専用のキャンプ地となりました。皆さんは各山頂で張っていました。七つ沼カールは7月いっぱい雪渓の雪解け水を使えます。時々エゾシカが我々の様子を見に来ます、シカが出てくる時は熊さんの心配は無いそうです。 カールの絶景を観ながらガイドさんの持って来たワインで乾杯、この上ない贅沢でした。 翌朝は空身でカールを登り返しいよいよ幌尻岳へ向かいます。肩まで上がる稜線は急登が続きます。肩からは七つ沼カールが足下に広がります。ここが幌尻岳を登った方が見たい絶景ポイントです。 肩からはなだらかな稜線を歩き一つのコブを乗り越えるといよいよ幌尻岳山頂です。昨年から天候やコロナで何度も中止した幌尻岳の山頂に足で踏める時が来ました。 山頂からは日高山脈の山々の奥深さ手に取る様に分かります。ガイドさんから山々の名前の説明を受けますが山だらけでやはり直ぐに忘れてしまいます。山が多いので名前が1967峰とか無名峰もありました、しかし大雪山の様な大らかな山容に比べ日高の山は俊英な尖った山が多く皆登るのが大変な様です。 眺めは稜線歩きで沢山眺めているのでそこそこにテント撤収で再び七つ沼カールへ降ります。 途中西カールに熊さん発見、そして我々が降る七つ沼カールにも熊さんがこちらの様子をジッと見て動きません。小熊も居た様ですが親熊が隠してしまっていました。暫く見ていましたが動かないのでガイドさんはカールへ降る決断をしました。声を出しながらテン場へ戻ります。テン場再びカールの絶景を観ながら大休止、熊さんはハイマツ帯の反対側にいる様です。 下山は幾多の登り返しが待ってます。先ずはカールの登り返しと天に突き上げているトッタベツ岳への急登です。はーはー言いながらトッタベツ山頂へ、幌尻岳の稜線もガスがかかり始めました。ここから尚も北トッタベツ、ヌカビラ岳を超えて行かなければなりません。正にハードでタフなコースを実感する下山コースです。ヌカビラ岳からの急降下、そして最後に沢下りとまだまだ難関が待ち構えています。最後の林道歩きではなだらかにアップしたところも脚が上がりません。 登山口に到着した頃にははヘロヘロ状態でした。今まで北アルプス南アルプスも歩いて来ましたがこんなにバテのは初めての経験でした。 しかし、幌尻岳への豪快な稜線、お花畑、七つ沼カールでキャンプ、熊さんとの出会い、全ての山の要素が凝縮された感動の山旅でした。 この難関コースをなんとか歩けたのも北海道の山岳ガイドをお陰です。私一人では到底このコースは踏破出来なかったと思います。 ガイドさんへの感謝の意にたえません。 そして日本百名山も幌尻岳でリーチを掛ける事が出来ました。残りは岩木山一座となりました。コロナ渦ですが今年中にフィナーレを飾り次なる挑戦して行きたいと思っております。