甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根 厳冬期、修験の山から学ぶ

2017.02.05(日) 00:15 - 2017.02.05(日) 22:32
無事なことが奇跡的と思えるようなくらい過酷な条件の山行でした。 この日の天気は下り坂。午後からはかなりの降雪と強風が予想される厳しい天候。 厳冬の同時期にも同コースで1回登頂したことがありましたが、この時はとても条件に恵まれていましたので。 今回は厳しい環境下の中、行ける所まで行こうというチャレンジ山行。 登り始めは穏やかでしたが、7合目過ぎから天候は荒れ始め、8合目を越えると突風で吹雪く状況。 8合目手前で下山する2人組の男性にお会いしましたが、上から下までの降雪量を考えると私の下山すべきポイントもここでしたね。(時間的にこの方々も下山には相当なラッセル地獄に苦しんだ事と予想されます。) この条件の中で、9合目手前のルンゼをどうしても登りたい。そんなとても良からぬ欲が湧いてしまいました。 このルンゼは大岩に雪が層を作って付着し、斜度60度はある雪壁で、冬の黒戸尾根の核心とも言える場所。 足を踏み外すと100m以上ある谷底まで滑り落ち、恐らく助かりません。 吹雪く中での新雪がまとわりつくルンゼの登降は無事だったことが奇跡と思えるほどで、この行動には深く反省。 ルンゼを登りきった9合目で猛吹雪となり撤退を判断。 下山前半は、8合目上、7合目小屋上、五合目小屋跡上の梯子など、何度か滑落寸前の状況もあり、後半は雪と風からくる低体温に苦しみました。 9合目下山時から降雪と風で自分が登りで作ったトレースは早くも消えており、雪が雨に変わった2合目付近までオールラッセル。 9合目→8合目の下山は、岩稜に新雪なので、滑落の危険が最も高いポイント。冬の黒戸尾根で何かあるとしたらこの区間に起こる可能性が高い。とにかく雪庇を踏まず、谷底に落ちないないように気を使いました。 8合目→7合目の下山は、元々登りでもラッセルが厳しい区間で、踏み抜きは胸を越えて顔に達する深さでした。 もはやワカン程度でどうこうなるようなレベルの雪量ではありませんでした。 7合目→6合目の下山は、階段が全て雪に埋まり急斜だらけ。無雪期の核心ともいえるこの区間は、滑落の危険大でした。このあたりで滑落停止の動作を繰り返した際に、アイゼンが木や階段にぶつかり故障。チェーンスパイクに履き替えましたが、この場所からの装備チェンジはかなり厳しく危険でした。 5合目→3合目の下山でも降雪の勢いは激しく、股下までの踏み抜き。新雪にチェーンスパイクだと、刃渡りの通過には鎖にしがみつかなければ危険すぎて歩けませんでした。 3合目付近の登り尾根の下りは、木が多い上に視界が悪く、意識も朦朧としていた為、無意識に動物のトレースを辿ってしまったり、ルートファインディングに苦戦しました。 --------- 9合目に到着した際、それまで何となく見えていた山頂方面は突然ガスの中に姿を隠しました。 それはまるで「これ以上は来るな」という、厳しくも優しい修験の山の声が聞こえた気がして、私は撤退を決めました。 山頂直下の状況や下山の時間&雪量を考えると、ここでの撤退がギリギリでした。 私はこの山に生かされたのでしょうか。今はそんな事を考えています。 雪山は多く登っていますが、今回はとても反省点が多い山行になりました。 甲斐駒ヶ岳、黒戸尾根。好きな場所なのでまた来ます。 次は無茶はしません(>_<)

写真

尾白川の駐車場を出発

尾白川の駐車場を出発

今日は厳しい山行になる。竹宇駒ヶ岳神社で祈ります。

今日は厳しい山行になる。竹宇駒ヶ岳神社で祈ります。

装備を整えて出発

装備を整えて出発

さあ、地獄を見に行こう

さあ、地獄を見に行こう

1200mを越えた辺りでアイスバーンが出現

1200mを越えた辺りでアイスバーンが出現

石碑が休憩ポイント

石碑が休憩ポイント

日陰に雪が目立ちます

日陰に雪が目立ちます

笹の平分岐

笹の平分岐

まだチェーンスパイクでも行ける

まだチェーンスパイクでも行ける

休憩ポイント。ここは少し開けています。

休憩ポイント。ここは少し開けています。

氷が巨大化

氷が巨大化

街明かりが見えます

街明かりが見えます

刃渡りは雪がしっかり付いていて歩きやすい。下る時は激変しますが、、

刃渡りは雪がしっかり付いていて歩きやすい。下る時は激変しますが、、

とっても歩きやすい

とっても歩きやすい

階段もいい感じ

階段もいい感じ

刀利天狗、4合目

刀利天狗、4合目

何か雪が深くなってきた

何か雪が深くなってきた

これが黒戸の番人です

これが黒戸の番人です

スゴく嫌な雪に。。4合目からアイゼンでも良かったかも。。

スゴく嫌な雪に。。4合目からアイゼンでも良かったかも。。

5合目小屋跡着。少し休憩します

5合目小屋跡着。少し休憩します

装備チェンジ

装備チェンジ

明るくなったので出発

明るくなったので出発

取り付きの階段にはまだ雪はない

取り付きの階段にはまだ雪はない

6合目付近でモルゲンが。

6合目付近でモルゲンが。

とてもキレイです!

とてもキレイです!

トレース細いので歩きづらいです。

トレース細いので歩きづらいです。

この吊り橋も雪なし。ここも下りは激変しました。。

この吊り橋も雪なし。ここも下りは激変しました。。

ここはトレースありますが歩きづらいですね

ここはトレースありますが歩きづらいですね

この日見えた数少ない展望の一つ。八ヶ岳。

この日見えた数少ない展望の一つ。八ヶ岳。

トレースを踏まないと落ちます。

トレースを踏まないと落ちます。

七丈小屋着。小屋番さんが綺麗に除雪してくれていますが,下山時には全部雪で埋まりました。

七丈小屋着。小屋番さんが綺麗に除雪してくれていますが,下山時には全部雪で埋まりました。

テント場には1張。この方は間もなく山頂から下りてきて下山準備してました。

テント場には1張。この方は間もなく山頂から下りてきて下山準備してました。

数少ない展望。奥秩父。

数少ない展望。奥秩父。

5合目方面、黒戸山がドーンと構えます

5合目方面、黒戸山がドーンと構えます

冬の7合目から8合目の登りは結構キツいです。

冬の7合目から8合目の登りは結構キツいです。

ここのトレースは風で消えやすいので、ラッセルします。

ここのトレースは風で消えやすいので、ラッセルします。

結構疲れた

結構疲れた

山頂方面がかろうじて見えました。

山頂方面がかろうじて見えました。

8合目到着。

8合目到着。

風はかなり強くなってきた。

風はかなり強くなってきた。

雪の厚さは結構ある

雪の厚さは結構ある

夏道とは反対側に回り込みます

夏道とは反対側に回り込みます

ここが唯一出てた鎖かも

ここが唯一出てた鎖かも

何かヤバそうです

何かヤバそうです

怪しすぎる雲行き

怪しすぎる雲行き

核心部、ルンゼへ向かいます

核心部、ルンゼへ向かいます

ルンゼの下

ルンゼの下

斜度60度くらいある。足を滑らせたら谷底です。。慎重に登ります。

斜度60度くらいある。足を滑らせたら谷底です。。慎重に登ります。

ピッケルを交互に刺して支点を確保

ピッケルを交互に刺して支点を確保

これでもか、というくらいメッチャ打ち込んでます(笑)

これでもか、というくらいメッチャ打ち込んでます(笑)

ルンゼを抜けて振り返る。

ルンゼを抜けて振り返る。

9合目の剣

9合目の剣

ほぼ何も見えない

ほぼ何も見えない

山頂方面は姿を消しました。ここで撤退を決めます。

山頂方面は姿を消しました。ここで撤退を決めます。

下山前に食べる。パンもメンチも半冷凍状態でした、、

下山前に食べる。パンもメンチも半冷凍状態でした、、

降雪が激しい

降雪が激しい

風も強い

風も強い

記念に1枚だけ自撮り。雪風激しく、もうここには居たくないので下山開始。

記念に1枚だけ自撮り。雪風激しく、もうここには居たくないので下山開始。

もちろん踏み抜きます

もちろん踏み抜きます

このルンゼの下降には細心の注意を払う。右の岩の支点は冬の滑落事故が多くて設置されたようです。コレを使います。

このルンゼの下降には細心の注意を払う。右の岩の支点は冬の滑落事故が多くて設置されたようです。コレを使います。

ロープないのでピッケルで固定

ロープないのでピッケルで固定

慎重に降りる

慎重に降りる

65cmある左側のピッケルがスッポリ埋まりました。雪が厚いです。

65cmある左側のピッケルがスッポリ埋まりました。雪が厚いです。

8合目まで下山

8合目まで下山

ここから7合目までのこの斜面の踏み抜きの高さは胸を越えました。

ここから7合目までのこの斜面の踏み抜きの高さは胸を越えました。

七丈小屋まで下山。小屋前も大雪でした。

七丈小屋まで下山。小屋前も大雪でした。

5合目への下り。吊り橋には危険な新雪が。

5合目への下り。吊り橋には危険な新雪が。

5合目を越えて4合目へ。
降雪激しく、ひたすらラッセル。

5合目を越えて4合目へ。 降雪激しく、ひたすらラッセル。

刃渡りでこの日最後に撮影した写真。
ここをチェーンスパイクで通過するのは恐怖でした、、

刃渡りでこの日最後に撮影した写真。 ここをチェーンスパイクで通過するのは恐怖でした、、

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