南丹市-おおい町境界全踏(頭巾山~三国岳)

2020.06.27(土) 日帰り

地図上で何度も追いかけた頭巾山~八ヶ峰。 そしてその延長上の三国岳まで行ってみたく、今回のトライに踏み切った。 計画は、野鹿の滝が有名な野鹿谷より頭巾山に登り、以降はひたすら府県境に沿って東へ。 途中、堀越峠の先にあるオバタケダン、タケガダンに寄り道し、八ヶ峰、五波峠、杉尾坂を経て三国岳へ。 下山は、三国岳より北へ約1kmのP677分岐で高島トレイルを外れて西寄りに下り、予めチャリをデポしておいた鍋窪谷へ。 結果は、五波峠以降でルート不明瞭が続いて予想以上に時間を費やし、おまけにあわや水切れの事態となり、計画不足による熱中症・遭難の危機を身を以て感じたものの、なんとか危険を脱して下山することが出来た。 目的は達したが、大反省の内容となってしまった。 -メンバー- 単独 -装備- ウエア ・ドライメッシュタンク(finetrack) ・半袖ドライシャツ(finetrack) ・トレランパンツ(patagonia) ・ラミードライソックス(innerfact) ・防寒ウェア(raidlight) ザック ・Mountainvest4.0(UD)13litter シューズ ・TERRAKIGER 5(NIKE) 飲食物 ・麦茶 2litter ・水1 litter ・おにぎり 2合分 ・魚肉ウインナー 5本 ・塩タブレット 7個 ・アメ 10個 ・ジェル106kcal 2個(MEDALIST) その他 ・ヘッデン ・ポイズンリムーバー ・小銭 ・スマホ ・クマ鈴 2個 ・携帯ラジオ ・予備バッテリー ・ガーミン -行程- 今回は失敗山行きとして、いつもより細かく記録を残し、同じ失敗を繰り返さないようにしたい。 6:30に自宅を出発し、鍋窪谷にチャリデポして野鹿谷スタートが8:46。 もう少しスムーズに移動できるつもりだったが、予定よりかなり遅いスタートとなった。 【野鹿谷~頭巾山~横尾峠】 野鹿の滝より少し上がったところに車を駐めてスタート。 ちょうど単独の女性ハイカーさんもスタートするところで、声を掛けさせてもらう。 若くてピンクのウエアで金髪…チャラいのかなと思いつつも、スマホMAPを頼りに単独で向かう姿は勇ましい。 話してみても好感が持てる方で、地元近くにこんな山好きさんがもっと増えるといいなぁ…とか考えながら走り始める。 頭巾山までは綺麗に整備された登山道、多少の茂りはあるものの横尾峠までもルート明瞭。 【横尾峠~堀越峠】 横尾峠以降はこれまでより人が通らないのか荒れ気味となるが、地図と木に取りつけてあるリボン、堀越峠行きの立派な木の案内板があり、ほぼ迷わない。 ところどころ茂っていて、古坂山は完全に藪の中。 堀越峠へ下りる尾根は急降。 峠ではNTTアンテナ局への廃道を経て再び府県境トレイルへ。 【堀越峠~オバタケダン・タケガダン】 NTTの方が頻繁に入るのだろうか、しばらくは綺麗に整備された道が続く。 三角点を有すP729.1はオバタケダンと呼ばれるらしく、さらに南東方向約1kmのP743はタケガダンらしい。 今回の府県境全踏からは外れるが、せっかくなので寄ってみようというのも計画の範囲。 【オバタケダン・タケガダン~知井坂】 これが思っていたより遠くてアップダウンも多く、倒木が多かったことやルートファインドも手こずって、メンタル的にキツくなってしまい、動きが悪く思ったより時間がかかってしまった。 しかし何の加減か分からないが、知井坂少し手前のP772で少し復活し、再び走れるように。 【知井坂~八ヶ峰~五波峠】 復活したまま1年半ぶりの八ヶ峰へ。 前回はここで雪の中のレース(WILDBOAR)だったなぁと思い出しながら、綺麗に整備された道を快適に五波峠まで。 【五波峠~杉尾坂】 五波峠を過ぎてしばらくは快適なまま進む。 しかし1km弱の中山谷山分岐の看板以降、ルートは極端に不明瞭となった。 マーキングはほとんど無く、藪漕ぎ多数。 電波を失い明瞭な地形が分からないスマホ地図とGPS位置情報、たまに出てくる境界杭だけが頼り。 歩は進まず時間だけが無情に過ぎていく。 この杉尾坂でギブアップして下山しようかと一瞬頭をよぎったが、中途半端な場所へ下りてもチャリデポ場所までの距離が遠いので、意を決して先へ進む。 【杉尾坂~三国岳】 しかし芽生えてしまった心の不安はしっかり根を張っていて、すぐに水の残量が気になる。 「戻っても進んでも水切れするのではないか」 と考えてしまうと、熱中症・遭難の恐怖が心を包む。おまけに電波もない。 手足は細かく震え、出してみた声も震えていた。怖くなった。 「落ち着け、落ち着け」 と自分に言い聞かせ、背中にハイドレ収納していた麦茶の残量を目視確認。 500cc以上はある。 ショルダーポケットのソフトフラスクの水も300ccほど。 「大丈夫、足りる、落ち着こう」 と何度も自分をなぐさめながら、登りは極力歩きで、平坦と下りはJOGで。 給水は少なめ・こまめを意識した。 飲むたびに残量を確認して「足りる、大丈夫」と自分に言い聞かせた。 しかしお腹が空き、おにぎりを食べようにも口の中がもさもさして食べにくい。 お茶と一緒に口に入れたいが、残量が減るのが嫌で食べることも我慢してしまう。 分かっているが良くない傾向。 だけど今はアメやジェルでエネルギー補給できるから、空腹は我慢してアメとジェルでしのぐ。 そんなとき、標高700m越の地点でまさかの水場を発見。 装備品に浄水器を携行していれば、躊躇なく浄水してソフトフラスクに注ぎ足したのだが、今回は持ってきていなかったので、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。 この時期の山行きとして今回浄水器を持ってきていなかったのは大きな反省点なので、次回への反省としたい。 ルートは相変わらずの不明瞭が続いたが、三角点811.5南東の突き出た小ピーク以降は見晴らしの良い尾根道となった。 以降の進みは良くなったが、壁のように立ちはだかる上りを前にすると水残量が気になってドキドキした。 少しでも発汗しないよう、ゆっくり上り、それでもこまめな給水は続け、やっと三国岳。 【三国岳~P677~鍋窪谷】 この時点でソフトフラスクの水はほぼ空っぽだったが、ハイドレの麦茶は300cc以上残っていた。 「いける」と確信したが、下山するまで気は許せない。 ナベクボ峠までは下り基調だったが、P677へは再びのアップ。 これが全行程で最後のアップ。 無事にクリアし、谷へ下りる。 予定では3kmほどでチャリデポ地点のはずだったが、これも距離の読み違いで実際には6km以上あった。 鍋窪谷には清流 久田川が流れており、今すぐその水をソフトフラスクに足して飲みたい衝動に駆られたが、今まさに走っている林道を通じて少し濁った湧き水が川に流れ込んでいる様子を見ると、やはり飲めない。 「最悪の場合は川の水を飲もう」と、わずかに残る背中の麦茶を頼りに長い長い林道を走った。 【チャリでスタート地点へ】 無事にチャリまでたどり着いたのが19:10だったので、あたりは薄暗く、10時間以上さまよっていたことになる。 当初は7時間台で下山の予定だったので、これも大きな判断ミス。 さてさてここからスタート地点まで自力でチャリの旅。 デポった時に車の距離計で計っていたが26kmある。 おまけに目的地は頭巾山の登山口あたりなので、かなりのアップ。 しかも真っ暗な道中。 シカ、イノシシ、タヌキ、イタチ…色々な動物が姿を現すが、おクマ様だけは出てきませんように…とクマ鈴と携帯ラジオ、チャリのベルを駆使して音を立てまくる。 もちろんだがすでに途中の自販機で浴びまくっているので、体は元気。 脚の疲労も問題なし。 予想以上に遅くなったことにより、真っ暗な中戻らないといけなくなったことも、計画が甘かった重大なミス。 ここでクマに遭遇すれば、水涸れによる命の危険と同じくらい危険である。 しかししかし、なんとか車まで戻り今回の山行きは終了した。 (車に戻ったときの安堵感と終わった喜びはひとしおでした)