瑞牆山

足枷を外され東京から解き放たれた俺が最初に向かった山は瑞牆山だった。山頂には一度しか行っていないが瑞牆には岩をさわさわしに何度も来ている。初めて登った山であり通い慣れた一番落ち着く一番好きな匂いがする山だ。 金峰山の山頂から瑞牆を見た時に山頂から東へ延びている尾根が見えた。歩けそうだが地図に道認定されていないので素人の俺には行けるのかわからない。家に帰ってから「瑞牆　東　尾根」で検索したらそこを歩った変態さん達（いい意味）がパソコンからわさわさ湧き出てきた。 俺もそこ歩きたい 変態さんと肩を並べたい 俺も変態呼ばわりされたい いかにも負けず嫌いな俺が思いつきそうな事だ。 変態を目標とする事はアウトドアを趣味とする上で大切だ。山での楽しさが全然違う。一線を超えたイカれた生粋のバカ（いい意味）からは学ぶ事が多い。ブレーキが壊れている人間（いい意味）はいろんな事を知っている。これから長く登山を続ける為にはより多くの生粋の変態（いい意味）をいかに探し出せるかがこれからの課題になる。それが近道だ。 だからちょっと東尾根のルートをパクらせてもらおう だからカンマンボロンのルートもパクらせてもらおう 昔の登山者に比べて他人が頑張って歩いたルートを簡単にパクれるいい時代に生まれた俺は幸せ者だ。 下山したらスイッチの切替だけ忘れないようにしないとな。山での変態は死ぬほどかっこいいが街での変態は逮捕されるかもしれないからな。 また明日から仕事をして 帰ってきて静かに酒を飲んで眠り 朝起きてまた仕事に行く 穏やかな６日間を過ごそう 変なスイッチが入らないように