山頂からのパノラマ① 戻る 次へ

2020 坊主山の写真

2020.06.21(日) 10:02

山頂からのパノラマ①

この写真を含む活動日記

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02:43

5.6 km

309 m

2020 坊主山

坊主山 (北海道)

2020.06.21(日) 日帰り

先々週仕事中に軽いぎっくり腰をやってしまう。 だいぶ復調してきたのでリハビリを兼ねて軽めに登れる未踏の山ということで穂別の坊主山を計画する。 山自体は軽めだが長距離運転は、腰にどうなんだという考えもあるが、まあ許容範囲とする。 穂別は合併前の穂別町の頃に仕事で通った思い出の場所だ。 国道274号線を日高方面に向かう、久々の樹海ロードへ車を走らせる。 クビナガリュウのオブジェから道道74号線に入る。 登山道に向かう町道を見逃してキウスあたりまで来てしまい戻る。 下沢橋まで戻って町道に入る、しばらく進むと舗装から砂利道に変わる。 なんか雰囲気が違うと思い、再び地図で確認すると行き過ぎているようだ。 戻ろうとすると道路を歩く鳥を発見、エゾライチョウだ。 前回の失敗を取り返すべきカメラを握りエゾライチョウを追う。 写真は撮れたが、遠すぎてイマイチの写り、リベンジならずだ。 ゆっくり運転しながら戻ると「坊主山登山道入口」と書かれた青看板を発見する。 看板には木の枝が覆い被さり道道側から進行してきた場合、間違いなく見逃す感じだ。 交差できない狭い林道をしばらく進み貸し切りの登山口に到着したのが8:45。 今日は下ろし立てのザックの背負い試しでもある。 準備を整え登山を開始する。 歩き始めてポールを持ち忘れたのに気付く、ガイドブックに緩い傾斜とあったのでそのまま行こうとも考えたが、登山口の近くなので戻る事にする。 10分遅れで登山口を再スタートする。 短い笹が繁る登山道を進む、歩き始めて早々に「キーキー」という鳴き声。 エゾシカだ、「何しに来た!」と威嚇している。 エゾシカに威嚇されたのは兜岩以来だ、じいっと見ていると上の方に逃げて行った。 登山道は歩きやすく笹原ばかりかと思っていたら岩肌を露出した場所もあった。 笹に侵食されて殆ど花は無いがハクサンチドリがポツポツ咲いている。 サクサク軽快に歩いて、もうそろそろ山小屋というあたりで、登山道にエゾシカと思われる骨が落ちている。 それを見て一気に緊張が走る、熊の仕業か、、、先ほどのエゾシカのように威嚇の雄叫びを上げる。 もう白骨化しているので熊は近くに居るとは思わないが、三毛別の羆は襲った女性の髪の毛をずっと持っていたという話もあるくらい執着する動物という認識があるので、早々にその場を去る。 そこから間もなく山小屋坊主に到着するとビビった気持ちも少し落ち着いたので、再び雄叫びを上げてから小屋の中を拝見する。 小屋の中は整理整頓が行き届いており、気持ちの良い山小屋だった。 ストーブも設置されており山頂からも近くご来光には持って来いの小屋だ。 小屋を出て山頂に向かって歩き出す、小屋から少し離れて振り返る。 山小屋というと岩場の標高が高い縦走路にあるイメージが強いが、笹原の中の山小屋もなかなか雰囲気があっていいものだと思った。 この辺まで登ってくると夕張岳方面の眺望が効くようになる。 植生が変わったのかチシマフウロやマルバシモツケなどの花が咲いている。 登山道はやや細くなった尾根にかかる、そこを登り切ると山頂標識が見えて来た。 9:48山頂到着、登頂しましたと山頂標識にタッチすると「ん?」、山頂標識が逆さまになっている。 ボルトが外れて下向きにひっくり返ってしまったようだ。 ザックを下ろし看板を修復する。 山頂は坊主というだけあって、一面笹原に覆われた樹木の無い毛無山で、標高は790mと低いが周りに高い山も無く非常に眺めが良く360°のパノラマだ。 本来であれば幌尻岳が見えるはずだが、高曇りでその姿は確認できない。 見慣れない南側からの夕張岳も山頂に雲がかかって全容が見えないのが残念だ。 ハッタオマナイ岳の後ろに微かに芽室岳とパンケヌーシ岳と思われる北日高の山並みを確認する。 山座同定しながら眺望を楽しみパシャパシャ写真を撮る。 今日は誰も登って来ないようで、誰に言うでもなく「ざまあみろ」と心で呟き、久々貸し切りの山頂で悦に入る。 湯を沸かしカップ麺をすすりながら雲が晴れるのを待つが、なかなか雲は抜けて行かない。 これがいいところかなと11:00を区切りに下山を始める。 下山はサクサク下りあっという間に山小屋まで下る、例の白骨現場に来た時、花粉予防のマスクを外しクンクンあたりの臭いを嗅いでみたが、特に死臭や生臭さ、獣臭はしなかった。 すこし安心したが、根がビビリなので精神安定の為、定期的に雄叫びを上げながらズンズン下る。 1時間かけて登った道のりを下りは30分で登山口に着いた。 この間もノースライドで完全な貸し切り登山だった。 カップ麺用の水500mlと500mlのドリンク2本とその他もろもろ積んだザックだったが、重たさを感じずに背負えたので合格だ。 結局ポールは一度も使わずザックに括ったままだった。 帰りは登山計画している山の登山口状況を偵察するのに夕張に寄り道をする。 下山時にソフトクリームを食べてる日記をYAMAPで良く見かける。 おっさんになるとどんどんミーハーになるようで「よしソフトでも食べていくか」と道の駅に寄ってソフトクリームを購入する。 道の駅は坊主山と違って沢山の人で賑わっていた。 日常に戻りつつあるのだなぁと少し喜ばしく思う気持ちと、こんなに人が集まって大丈夫かなと少し不安に思う気持ちが合わさって、なんか複雑だ。 でも人間は危うさを感じながらも、こうやって微妙なバランスを取りながら生きていくんだろうと自分を納得させた。