大菩薩嶺(裂石~丸川峠~大菩薩嶺~大菩薩峠~丹波)

2015.04.02(木) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 20
休憩時間
13
距離
21.6 km
のぼり / くだり
1870 / 2139 m
27
46
36
4
25
35
1 43

活動詳細

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大菩薩嶺に登るのは3回目になる。 最初に登ったのが4年前の震災直後で、印象深いものだった。 世間はまだ原発事故の話題で沸騰していた頃で、もしかしたら二度と東日本の山に登ることはおろか、住むことさえ出来なくなるのではないかと思われた。 幸いなことに最悪の事態は回避されて現在に至っているわけだが、現場で事故対応に当たった職員をして「日本には神がいる」と言わしめたほど、たまたま避けられたに過ぎない深刻な事態だった。 タルコフスキーの映画「ストーカー」に出てくる「ゾーン」と呼ばれる地域に化していても不思議ではなかったのだ。 そんな喧騒から逃げるように登りに行ったのが「大菩薩嶺」だった。 前日の降雪がトレースを消して、大菩薩峠から丹波に降る道では膝上まで積雪があり、暫くはラッセルをした。 裂石から丹波までの8時間余りを誰にも会うことのない静かな山行だった。 天気も晴天から小雪へと、まるで日本の未来を暗示するかのように感じられ、例えようもない不安が覆いかぶさってきたのを覚えている。 今回もその時と同じコースを歩いた。 笹子トンネルを抜けるまでは雲が低く、外れた天気予報を恨めしく思ったが、トンネルを抜けた瞬間、快晴が出迎えてくれた。 雪を戴いた南アルプスも鮮明に見える。沿線の桜並木とコントラストをなして美しい。 塩山駅からバスで裂石へ出て、そこから歩き始める。 上日川峠方面は未だゲートが閉じられていて車の進入はできない。 丸川峠へは高度を増すにつれ急登になり息が切れる。 崩れやすい土壌で落石の危険から道を付け替えられたところもあった。 丸川峠から先は少しずつ雪が出てきて、所々日中に溶けた雪が夜間に凍結し氷のようになっている。4本爪の軽アイゼンを持っていたのでそれを着ける。 コメツガが目立つようになると山頂は近く、間もなく三角点と山名表示の立っている山頂に飛び出した。 樹林に囲まれているので眺望はない。 雷岩まで来ると遮るもののない展望が開ける。電車からも見えた南アルプスの障壁が端から端まで余すことなく見渡せる。更には「乗鞍岳」も真っ白な姿を見せていた。 大菩薩峠周辺は、紅葉のシーズンともなると高尾山と変わらない賑わいを見せるが、今日は無人だ。 4年前と同様に、峠から丹波への道をとることにして下り始める。 上部は北側なので雪が深い。 しかしそれはほんの少しの間で、すぐに雪は無くなり、むしろ照りつける太陽のほうが暑くてかなわない。 4年前には間に合わなかった3時半のバスに乗る為、長い道を走るように下ると3時15分に丹波のバス停に着くことが出来た。

大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 裂石にある「雲峰寺」の参道。時間があれば寄ってみたい古刹だ。
裂石にある「雲峰寺」の参道。時間があれば寄ってみたい古刹だ。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 上日川峠方面は、まだゲートが閉まっていた。丸川峠へ行くにはここを左折。
上日川峠方面は、まだゲートが閉まっていた。丸川峠へ行くにはここを左折。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 丸川峠への急登では落石の危険がある為、道が付け替えられた所も。この辺りは崩れやすい砂の様な地質だ。
丸川峠への急登では落石の危険がある為、道が付け替えられた所も。この辺りは崩れやすい砂の様な地質だ。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 丸川峠の丸川荘。大菩薩嶺へはここを右折。
丸川峠の丸川荘。大菩薩嶺へはここを右折。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 丸川荘前からの富士山。
丸川荘前からの富士山。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「大菩薩嶺」への登り。残雪は所々で凍結していた。
「大菩薩嶺」への登り。残雪は所々で凍結していた。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「大菩薩嶺」 山頂直下のコメツガ林。「山梨森林百選」に入っているそうだ。
「大菩薩嶺」 山頂直下のコメツガ林。「山梨森林百選」に入っているそうだ。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「大菩薩嶺」 山頂直下。
「大菩薩嶺」 山頂直下。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「大菩薩嶺」 山頂。山名標柱が新しいものに変わっていた。
「大菩薩嶺」 山頂。山名標柱が新しいものに変わっていた。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「大菩薩嶺」 山頂。樹林に囲まれ眺望は無い。
「大菩薩嶺」 山頂。樹林に囲まれ眺望は無い。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「雷岩」より富士山と大菩薩湖。
「雷岩」より富士山と大菩薩湖。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「雷岩」より南アルプス。全容が手に取るようにわかる。
「雷岩」より南アルプス。全容が手に取るようにわかる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 真っ白な「乗鞍岳」。
真っ白な「乗鞍岳」。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「妙見ノ頭」方面。「郡内」は雲に覆われている。(郡内とは山梨県東部の桂川流域をいう。因みに甲府盆地は「国中」というそうだ。)
「妙見ノ頭」方面。「郡内」は雲に覆われている。(郡内とは山梨県東部の桂川流域をいう。因みに甲府盆地は「国中」というそうだ。)
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 旧大菩薩峠には避難小屋が建っている。
旧大菩薩峠には避難小屋が建っている。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 旧峠より雷岩方面を振り返る。
旧峠より雷岩方面を振り返る。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「賽の河原」辺りより奥多摩方面。雲海から頭を出しているのは「三頭山」。
「賽の河原」辺りより奥多摩方面。雲海から頭を出しているのは「三頭山」。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 「中里介山」の文学碑。時代小説の大作「大菩薩峠」の作者だ。
「中里介山」の文学碑。時代小説の大作「大菩薩峠」の作者だ。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 大菩薩峠を見下ろす。「介山荘」が見える。
大菩薩峠を見下ろす。「介山荘」が見える。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 丹波へ降る道も所々に残雪がある。
丹波へ降る道も所々に残雪がある。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 フルコンバより唐松尾山と飛龍山。
フルコンバより唐松尾山と飛龍山。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 甲州裏街道を通る旅人を見守り続けてきた道祖神。
甲州裏街道を通る旅人を見守り続けてきた道祖神。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 追分からの石尾根方面。鷹ノ巣山から雲取山の連なりが良くわかる。
追分からの石尾根方面。鷹ノ巣山から雲取山の連なりが良くわかる。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 貝沢沿いの道はあちこちで崩壊が進んでいる。50m程の高さから沢に落ち込んでいる所もあるので、通行には注意が必要だ。
貝沢沿いの道はあちこちで崩壊が進んでいる。50m程の高さから沢に落ち込んでいる所もあるので、通行には注意が必要だ。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 多摩川を渡って丹波バス停へ。河原にはバーベキュー場などがある。
多摩川を渡って丹波バス停へ。河原にはバーベキュー場などがある。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 丹波バス停。ベンチやトイレもある。以前、バスを逃して3時間も星を見ながら待ったことがあった。
丹波バス停。ベンチやトイレもある。以前、バスを逃して3時間も星を見ながら待ったことがあった。
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 丹波バス停近くの廃屋。看板には「御休憩処」と微かに文字か残る。流石に消火ホース入れは新しくなった。以前来たときは、昭和34年設置と書かれている古い箱だった。
丹波バス停近くの廃屋。看板には「御休憩処」と微かに文字か残る。流石に消火ホース入れは新しくなった。以前来たときは、昭和34年設置と書かれている古い箱だった。

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