高尾山

2020.06.01(月) 日帰り

活動データ

タイム

09:04

距離

22.3km

のぼり

1590m

くだり

1587m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 4
休憩時間
1 時間 41
距離
22.3 km
のぼり / くだり
1590 / 1587 m
22
2
58
15
8
3
6
25
7
7
8
40
46
16
15
29
4
33
24
5

活動詳細

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俺の家にはパソコンのプリンターがなかった。正確には15年前に買った壊れたそれがあったがずっと放置してあった。必要なかったからだ。不便とも思わなかった。だが目的達成の為にそれが必要になった。 山を休んでいる間に俺は考えた。 山の先輩方からしたら小さな目標かもしれないが俺にしてみれば未知の世界への第一歩になる。携帯のGPSを使えば小学生と同レベルの俺の知能でもまず道に迷わない。迷ってもすぐに登山道へ舞い戻れる。雪山では寒さで何回も携帯の電源が落ちたが基本的に電源さえ落ちない様にしておけば道迷いなどあり得ない。なかなか便利な世の中になった。だが紙の地図とコンパスだけで登山をしたらそんなに上手くいくのだろうか。おそらく素人の俺には無理だろう。にも関わらずそっちの方がトキメキ登山が出来るんじゃなかろうか。 「おじさんだってときめきたい」 そう思った。 便利を手にしている俺は不便を欲した。俺の物欲が心の隙間を埋めたがっていた。 「携帯のGPSは使わず紙の地図で山に登る」 俺は登山のベテランからしたら些末でどうでもいい目標を立てた。 目標達成の為にまずコンパスとマップケースを買った。そしてアナログの高度計、そして地理院地図を印刷する為だけにプリンターも買った。 便利の世話にならない様に不便を金で買った。不便を買うのに3万近く使ってしまった。考えたらモヤモヤしたので金の事は忘れよう。 久々にプリンターを手にした俺は楽しくて何枚も何枚も地図を印刷した。ついでにドラクエ3のダンジョンマップなども嬉しくて印刷した。もちろんインクはすぐになくなった。だが必要な道具はこれで全てそろった。 紙地図童貞の俺はビビっていた。 いきなりゴリゴリの山に行く勇気もない。この2ヶ月間は酒とゲームに明け暮れていたので筋力は衰えている。山に登る筋力を失った代わりに遭難しても何日か耐えられそうな脂肪を手に入れた。なのでリハビリと読図の修行を兼ねて近所の山っぽい所へ行った。密集を避けなければいけない雰囲気の中で世界一の登山者数を誇る高尾山に登ることは少し気が引けるが仕方あるまい。雨だから人少ないだろう。 だって条件ピッタリなのそこしかねーんだもん。 高尾山なんかで地図とコンパスなど使っていたら逆にバカだと思われかねない。俺の知能は小学生並だがプライドは一人前にある。高尾山から少し離れた人と会わなそうな場所からスタートし、そして少しでも登山をしたと言えそうな歩行距離になるまでルートを伸ばした。その上で高尾山山頂を目標地点にした。 さぁ 高尾山さんよぉ 3万円分楽しませてもらおうか。

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