活動データ
タイム
18:08
距離
37.0km
のぼり
2799m
くだり
2797m
チェックポイント
活動詳細
すべて見るぐんま県境稜線トレイル⛰️ その総距離は100キロとも127キロとも言われ、2018年8月11日の『山の日』に群馬県の肝入り事業として全線開通した国内屈指のロングトレイルだ。 このトレイル開通日である山の日は、当初、お盆休みと連動させやすいなどとして、8月12日に制定する動きがあったようだが、1985年8月12日にJAL123便が群馬県上野村にある御巣鷹の尾根に墜落した日と同日であり、疑問符が投げかけられたため、その前日の8月11日が宛がわれたようだ。 奇しくも、この稜線トレイルが全線開通する前日である2018年8月10日、群馬県の防災ヘリJA200G(通称はるな)がトレイル視察の過程で群馬県吾妻郡中之条町地内の横手山山麓に墜落し、山岳遭難等に対応する吾妻広域消防の職員や群馬県防災航空隊員ら搭乗者9名全員が鬼籍に入る痛ましい事故が発生。 遺族の悲しみは未だに癒えない。 トレイル開通に命を懸けた先人の魂を弔うと共に、痛ましい事故を風化させないためにも、ぐんま県境稜線トレイルに挑む。 この稜線トレイルのうち、谷川馬蹄形縦走や谷川連峰主脈縦走などメジャーなコースは人気で、私自身も既に踏破済みだが、アクセスの悪さや情報の少なさなどから、谷川エリアを除くと、この稜線トレイルに挑む者は少ない。 そんな難コースの三国・野反湖エリアに、昨年12月、待望のムジナ平避難小屋が完成した。 そして、三国峠の雪が溶け始めるこの時を待っていた。 白砂山までの山旅の始まりだ。 ムジナ平方面に登るには、バリエーションを除いた一般道では ①三国トンネルからのルート ②稲包山南方の鉄塔管理道からのルート ③三国スキー場跡からのルート の3コースが考えられたが、避難小屋泊するための60Lザックの重みに耐え得る最短コースとして、三国スキー場跡からのルートを選択する。 5月23日の早朝、三国スキー場跡に向かうと、国道353号線が手前約3キロの地点から車両通行止めとなっていた。 仕方なく、車両通行止め箇所手前に車を停め、想定外のアスファルト道を登山靴で1時間ほど歩く。 三国スキー場跡からは、雪解け水でぬかるんだ登山道を進み、何度か渡渉を繰り返して三坂峠分岐に至る。 ここからブナやダケカンバの新緑の香りを感じつつ、笹藪のトンネルを抜けて、セバトノ頭に差し掛かる。 この付近は残雪と樹林帯で真っ直ぐに進めないばかりか、ピンクリボン等の目印の設置は僅かで、いつの間にか別の尾根を下っているのに気が付き、軌道修正。 なんとか午前11時前にはムジナ平避難小屋に到着した。 しかし、スタート地点での車両通行止めの影響等で、避難小屋への到着が目論んでいた時刻よりも遅れ、午後から天気が崩れる予報だったことも相まって、その日はムジナ平避難小屋に駐留し、翌日に白砂山へ挑むこととする。 山肌に残る雪渓を眺めながら昼食を摂った後、懸案事項の1つだった避難小屋から片道15分ほどの水場へ水量の確認に向かう。 石走る垂水の水は手の切れるように冷たく、汗ばんだ身体を潤してくれる。 小屋に戻り、ルビーのローブを口に含みつつ、緑釉の香炉に思いを馳せながら闇に包まれ、浅い眠りにつく。 漆黒の中、時折、小屋を叩く雨音が聞こえ、このまま下山することも頭を過る。 翌朝午前3時半に起床し、朝食を摂っていると、窓の外からウグイスの鳴き声が聞こえる。 秀吉が鳴かせた訳でもあるまいと扉を開くと、雲海の中で旭暉を受けた山が緋色に輝いていた。 今日という新しい1日が始まる。 時は、来たり。
活動の装備
- ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)コブラ60
- モンベル(mont-bell)アルパイン サーモボトル 0.5L
- プリムス(PRIMUS)153ウルトラバーナー
- モンベル(mont-bell)プルトップ アクティブボトル 0.7L
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