宝満南壁登攀&キャンプ(過去ログ)

1991.08.01(木) 2 DAYS

活動詳細

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*stay home with 3にゃんず 7日目* とっておきの過去ログ発見。 1990年か1991年かのどちらか。 私の登攀デビューの記録です。 あぁ、懐かしく、素晴らしい先輩たち。 顔出ししてもいいですよね。30年前の顔だもん。 *** WISH CLIMBING RECORD  Hohman Canp 登攀メンバー:T1、T2、T3(記録)、E(私)

宝満山・三郡山・若杉山 紙ベースの記録を無理やり起こしました。
紙ベースの記録を無理やり起こしました。
宝満山・三郡山・若杉山 宝満山の南壁ルート(Ⅳ)
ザイルスケール70m

宝満南壁は戦前からのクラシックな歴史のあるルートである。
Ⅳ級と比較的優しく高度感も味わえるところから、初級、中級のクライマーによく登られている。
カンテ、レイバックでの登り、ハング、クラック、フェイスと内容も変化にとんでいて楽しい。

宝満山頂から垂直下降で2ピッチ合計約50mブッシュの中に降りる。
暗いブッシュの中が取付点で、そこから登攀が始まる。

1P)バンドに立ちこみフェイスをそのまま登ってもいいが、今回はカンテのA0ラインをフリーで登る。
高度感を味わいながらレイバックで問題なく1ピッチ目を登りきる。

2P)広いテラスが取付。フレークからハングだがそう難しくない。クラックを登ると"寝台のハング"。ここがこのルートの核心であり、目玉と言える。
難しくはないが度胸と勇気がいる。
無事クリアすればツルンとした大きな豆腐のようなフェイスが現れる。(僕たちは勝手にヌリカベと称している)
ここを抜けたら後は傾斜が緩くなりギャラリーひしめく宝満山頂に立つことができる。
休日の時など一般ハイカーからサインを求められたり、質問されることが多く、ヒーロー気分になれるが、僕たちは決して天狗にならないよういましめよう!
宝満山の南壁ルート(Ⅳ) ザイルスケール70m 宝満南壁は戦前からのクラシックな歴史のあるルートである。 Ⅳ級と比較的優しく高度感も味わえるところから、初級、中級のクライマーによく登られている。 カンテ、レイバックでの登り、ハング、クラック、フェイスと内容も変化にとんでいて楽しい。 宝満山頂から垂直下降で2ピッチ合計約50mブッシュの中に降りる。 暗いブッシュの中が取付点で、そこから登攀が始まる。 1P)バンドに立ちこみフェイスをそのまま登ってもいいが、今回はカンテのA0ラインをフリーで登る。 高度感を味わいながらレイバックで問題なく1ピッチ目を登りきる。 2P)広いテラスが取付。フレークからハングだがそう難しくない。クラックを登ると"寝台のハング"。ここがこのルートの核心であり、目玉と言える。 難しくはないが度胸と勇気がいる。 無事クリアすればツルンとした大きな豆腐のようなフェイスが現れる。(僕たちは勝手にヌリカベと称している) ここを抜けたら後は傾斜が緩くなりギャラリーひしめく宝満山頂に立つことができる。 休日の時など一般ハイカーからサインを求められたり、質問されることが多く、ヒーロー気分になれるが、僕たちは決して天狗にならないよういましめよう!
宝満山・三郡山・若杉山 T1(中)「T3クン、ちょっと痩せすぎだよ。もっと筋肉つけなきゃ」
T3(左)「・・・ウン・・・」
T2(右)「オレ、チョコレート食って太ろう!」
説教するT1,食べることしか考えていないT2.
T1(中)「T3クン、ちょっと痩せすぎだよ。もっと筋肉つけなきゃ」 T3(左)「・・・ウン・・・」 T2(右)「オレ、チョコレート食って太ろう!」 説教するT1,食べることしか考えていないT2.
宝満山・三郡山・若杉山 夏の宝満の登りは暑く、きつい。僕らは食料プラスクライミングギア一式をもって登る。しかも登りついてからクライミングという一仕事がある。なんで山に登るんだろうといつも考えながら山道を歩く。スキューバやサーフィンを趣味にしていたらよかったと後悔する。

稚児落しは涼しく気持ちいい。僕らはいつも重たかったビールをここで飲み、T1は岩の上で昼寝する。
夏の宝満の登りは暑く、きつい。僕らは食料プラスクライミングギア一式をもって登る。しかも登りついてからクライミングという一仕事がある。なんで山に登るんだろうといつも考えながら山道を歩く。スキューバやサーフィンを趣味にしていたらよかったと後悔する。 稚児落しは涼しく気持ちいい。僕らはいつも重たかったビールをここで飲み、T1は岩の上で昼寝する。
宝満山・三郡山・若杉山 この日T1はザイルをリードする。堕ちれば本当に堕ちてしまうのである。恐怖と不安が頭の中で一杯になる。精神を集中しているのか?怖いのか?下界に残してきた妻子のことを考えているのか?リードを断る言い訳を考えているのか?
それにひきかえT2のリラックスした態度はいったいなんだ。緊張感が全くない!
この日T1はザイルをリードする。堕ちれば本当に堕ちてしまうのである。恐怖と不安が頭の中で一杯になる。精神を集中しているのか?怖いのか?下界に残してきた妻子のことを考えているのか?リードを断る言い訳を考えているのか? それにひきかえT2のリラックスした態度はいったいなんだ。緊張感が全くない!
宝満山・三郡山・若杉山 (挿絵)
名前でてますねぇ(*´-`)
見なかったことにして。
(挿絵) 名前でてますねぇ(*´-`) 見なかったことにして。
宝満山・三郡山・若杉山 <宝満の山頂は岩場の上なのです>
宝満へは何度も足を運んだことはあっても、稚児落しを知らない人は多い。そこで案内図。
<宝満の山頂は岩場の上なのです> 宝満へは何度も足を運んだことはあっても、稚児落しを知らない人は多い。そこで案内図。
宝満山・三郡山・若杉山 登攀をはじめる。そのためには垂直下降で25m降り、また更に20m降りなければならない。
空間に身をさらすため、はじめの一歩はちょっと怖い。登攀中の事故もこの下降中が一番多いのである。それでも慣れたら、こんな楽しいものはない。
余裕の表情を見ていただきたい。写真を撮るから待ってくれと下から声をかけると一瞬パニックになった!

右のカンテは九州で初めての5.13という超ハイグレードのライン。だから僕らは無視する。
登攀をはじめる。そのためには垂直下降で25m降り、また更に20m降りなければならない。 空間に身をさらすため、はじめの一歩はちょっと怖い。登攀中の事故もこの下降中が一番多いのである。それでも慣れたら、こんな楽しいものはない。 余裕の表情を見ていただきたい。写真を撮るから待ってくれと下から声をかけると一瞬パニックになった! 右のカンテは九州で初めての5.13という超ハイグレードのライン。だから僕らは無視する。
宝満山・三郡山・若杉山 (P1)
「T3クンが堕ちたのはここやろ~!」
とT1に声をかけるイヤミなT2。思い出したくもないポイント!

いよいよ登り始める。
ここはブッシュの中で陽が当たらず岩がジメジメしている。
残置されているハーケンも古くてあまり信用できない。
ここから上は陽も当たり高度感もある楽しいカンテの登りになる。
赤いザイルが伸びていくように右のカンテラインを登る。
ちなみに2年前、T3はT2が足をのせているバンドから雪で滑って堕ち、地面にたたきつけられた。痛かった。
(P1) 「T3クンが堕ちたのはここやろ~!」 とT1に声をかけるイヤミなT2。思い出したくもないポイント! いよいよ登り始める。 ここはブッシュの中で陽が当たらず岩がジメジメしている。 残置されているハーケンも古くてあまり信用できない。 ここから上は陽も当たり高度感もある楽しいカンテの登りになる。 赤いザイルが伸びていくように右のカンテラインを登る。 ちなみに2年前、T3はT2が足をのせているバンドから雪で滑って堕ち、地面にたたきつけられた。痛かった。
宝満山・三郡山・若杉山 (P2)
1ピッチ目20m登り終えた確保点でビレイする。
今回、下部の岩場の状態が悪く、T1,T2が登っただけ。
取り残されたE。下に降りたいと悔しがる。
狭い場所で二人とも半ばザイルにぶら下がっている状態。
危ない場所を好むE。終始はしゃいでいた。
(P2) 1ピッチ目20m登り終えた確保点でビレイする。 今回、下部の岩場の状態が悪く、T1,T2が登っただけ。 取り残されたE。下に降りたいと悔しがる。 狭い場所で二人とも半ばザイルにぶら下がっている状態。 危ない場所を好むE。終始はしゃいでいた。
宝満山・三郡山・若杉山 (P3)
1ピッチ目が終わりこれからこのルートの楽しいところ。
一息入れる。

ここからT1&T2、T3&Eがザイルをわけて組む。
いよいよT1がザイルをリードする。もう破れかぶれの心境か?

T2「T1クン、はだしで登った方が堕ちませんよ」
T1「はだしだと水虫が治るかもしれんね」
T3「バカでしょうが、この二人」
(P3) 1ピッチ目が終わりこれからこのルートの楽しいところ。 一息入れる。 ここからT1&T2、T3&Eがザイルをわけて組む。 いよいよT1がザイルをリードする。もう破れかぶれの心境か? T2「T1クン、はだしで登った方が堕ちませんよ」 T1「はだしだと水虫が治るかもしれんね」 T3「バカでしょうが、この二人」
宝満山・三郡山・若杉山 (P4)
2ピッチに取付くT3。
青いザイル下にあるフレーク(薄板状の岩)からハングを超す。
トップをリードする場合、ハーケン等にカラビナをかけザイルを通す作業(中間ビレイまたはプロテクションをとると言う)をしなければならない。墜落した場合、墜落距離を短くするためだが、プロテクションをとっていないと堕ちたら地面に身体をたたきつけられる。
ハングを越し、最初のプロテクションをとって一安心のT3。
だが間違って別のザイルに取っていたのでプロテクションは効いていないのだ。
今堕ちたらまた地面まで堕ちなければならないところだった。
後で、T1、T2からボロクソに言われた(本当はこんなこと書きたくなかったT3です)。
(P4) 2ピッチに取付くT3。 青いザイル下にあるフレーク(薄板状の岩)からハングを超す。 トップをリードする場合、ハーケン等にカラビナをかけザイルを通す作業(中間ビレイまたはプロテクションをとると言う)をしなければならない。墜落した場合、墜落距離を短くするためだが、プロテクションをとっていないと堕ちたら地面に身体をたたきつけられる。 ハングを越し、最初のプロテクションをとって一安心のT3。 だが間違って別のザイルに取っていたのでプロテクションは効いていないのだ。 今堕ちたらまた地面まで堕ちなければならないところだった。 後で、T1、T2からボロクソに言われた(本当はこんなこと書きたくなかったT3です)。
宝満山・三郡山・若杉山 (P5)
このルートの核心「寝台のハング」を軽くクリアするビギナーE。

リードとはいえここを超すのにT3は10分は要しただろうか。岩の下に潜り込み、空中に上半身をさらす時の怖さとそれを克服しようとする力との相反する混乱した精神をコントロールしなければクリアできない。
ここを難なく乗超すE。動きも決まっていた。
本人はここが一番面白かったと言っている。
ビギナーに軽く登られ、ア然とする男達。
ただ、この写真を撮ったヤツだけは、彼女のクライミングを見ていたのではなく、お尻を眺めていたとしか言いようがないのである。
(P5) このルートの核心「寝台のハング」を軽くクリアするビギナーE。 リードとはいえここを超すのにT3は10分は要しただろうか。岩の下に潜り込み、空中に上半身をさらす時の怖さとそれを克服しようとする力との相反する混乱した精神をコントロールしなければクリアできない。 ここを難なく乗超すE。動きも決まっていた。 本人はここが一番面白かったと言っている。 ビギナーに軽く登られ、ア然とする男達。 ただ、この写真を撮ったヤツだけは、彼女のクライミングを見ていたのではなく、お尻を眺めていたとしか言いようがないのである。
宝満山・三郡山・若杉山 (P6)
ヌリカベの上に立つT3。

ご覧のようにツルンとした岩だから、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるヌリカベにあやかり、僕らはヌリカベとよんでいる。
本当の名前はしらない。

ここはみんな登り方が違う。
(P6) ヌリカベの上に立つT3。 ご覧のようにツルンとした岩だから、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるヌリカベにあやかり、僕らはヌリカベとよんでいる。 本当の名前はしらない。 ここはみんな登り方が違う。
宝満山・三郡山・若杉山 (P7)
ヌリカベもクリアし岩の上に身体が出てきたT1。

撮影しているポイントがこのルートの終点。あと少しでエンド。あとは楽勝、ルンルン気分の登りだったが、疲れたのか表情が厳しいT1。
後を振り向くと高度感を味わえるところだが、今の彼にはそんな余裕はなさそうである。
(P7) ヌリカベもクリアし岩の上に身体が出てきたT1。 撮影しているポイントがこのルートの終点。あと少しでエンド。あとは楽勝、ルンルン気分の登りだったが、疲れたのか表情が厳しいT1。 後を振り向くと高度感を味わえるところだが、今の彼にはそんな余裕はなさそうである。
宝満山・三郡山・若杉山 (P8)
終了点でビレイするT3。

祠のすぐ横がこのルートの終了点。ジュルジュルの下部の岩場も、怖い寝台ハングも、擦りむいたすねの痛みも、ここまでくれば全てが楽しさに変わるような気がする。
無事に終了したことを神に感謝する。
本当に神に祈り感謝する。
山にいる間は信仰深くなるT3です。
後方は吉木、甘木方面。
(P8) 終了点でビレイするT3。 祠のすぐ横がこのルートの終了点。ジュルジュルの下部の岩場も、怖い寝台ハングも、擦りむいたすねの痛みも、ここまでくれば全てが楽しさに変わるような気がする。 無事に終了したことを神に感謝する。 本当に神に祈り感謝する。 山にいる間は信仰深くなるT3です。 後方は吉木、甘木方面。
宝満山・三郡山・若杉山 (宝満キャンプの一夜)
今夜のメニューは辛口カレーです。ゴッチンご飯になってごめん。
T2,E「ボクら、Leeの20倍だって食べれるゾ」
T1「こんなゴッチンメシ食えんゾ!」
T3「オレ、ドラえもんカレーがよかった・・・」

後の焚火はT1の趣味。
(宝満キャンプの一夜) 今夜のメニューは辛口カレーです。ゴッチンご飯になってごめん。 T2,E「ボクら、Leeの20倍だって食べれるゾ」 T1「こんなゴッチンメシ食えんゾ!」 T3「オレ、ドラえもんカレーがよかった・・・」 後の焚火はT1の趣味。
宝満山・三郡山・若杉山 この夜のキャンプは僕らとファミリーパーティとおじいさんパーティの3パーティ。
みんなとすぐに友達になる。

火ふき名人?のおじいさんと酔って仲良くなったT1。
子どもの相手に活躍のT2。

飲んで騒いでオンチな歌を聞かされ、火傷の手当てに忙しくも楽しい宝満の夜でした。
この夜のキャンプは僕らとファミリーパーティとおじいさんパーティの3パーティ。 みんなとすぐに友達になる。 火ふき名人?のおじいさんと酔って仲良くなったT1。 子どもの相手に活躍のT2。 飲んで騒いでオンチな歌を聞かされ、火傷の手当てに忙しくも楽しい宝満の夜でした。
宝満山・三郡山・若杉山 ここが一夜の宿。宝満の山小屋。ログハウス風のしゃれた小屋です。
一泊500円也。床がかたく、慣れないと眠れないかもしれない。
一夜明け、睡眠不足のT1にあくび。
ここが一夜の宿。宝満の山小屋。ログハウス風のしゃれた小屋です。 一泊500円也。床がかたく、慣れないと眠れないかもしれない。 一夜明け、睡眠不足のT1にあくび。
宝満山・三郡山・若杉山 (2020-5-2 あとがき)
写真もギアも古いね。
それでもこのキャンプで使った食器は現役。
さすがにこの水筒は時々花を挿すくらい。

怖いもの知らずだった私は、岩の上から身を乗り出したりして、よく怒られた。ザイルに繋がってない時はそんな事しちゃダメだって。山を舐めちゃいけないって。一歩間違えたら大事故になるって。死んじゃうよって。
この後もいろんな岩に連れて行ってもらった。幸い、怖い目には合わなかったし、今は岩なんて登れないけど、この頃教えられた事は守っている。
だから、岩の上から飛んでいたり、事故に繋がりそうな写真を目にすると、怖くなる。もし転んだら?もし足をくじいたら?もし落ちたら?ってドキドキする。

何もかもが懐かしい。
山が好きでよかった。
山が好きで嬉しい。
本当に、何もかもが懐かしい。
(2020-5-2 あとがき) 写真もギアも古いね。 それでもこのキャンプで使った食器は現役。 さすがにこの水筒は時々花を挿すくらい。 怖いもの知らずだった私は、岩の上から身を乗り出したりして、よく怒られた。ザイルに繋がってない時はそんな事しちゃダメだって。山を舐めちゃいけないって。一歩間違えたら大事故になるって。死んじゃうよって。 この後もいろんな岩に連れて行ってもらった。幸い、怖い目には合わなかったし、今は岩なんて登れないけど、この頃教えられた事は守っている。 だから、岩の上から飛んでいたり、事故に繋がりそうな写真を目にすると、怖くなる。もし転んだら?もし足をくじいたら?もし落ちたら?ってドキドキする。 何もかもが懐かしい。 山が好きでよかった。 山が好きで嬉しい。 本当に、何もかもが懐かしい。

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