旭岳 頂上は天国だった-2020-04-18

2020.04.18(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 19
休憩時間
1 時間 11
距離
9.6 km
のぼり / くだり
1234 / 743 m
1 48
19
2 13
3
17

活動詳細

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4月18日 土曜日 晴れのち曇り 天気☀️と休日が合う日を待っていた。その日が来た。 全国緊急事態宣言が数日前に発出されていた。 ロープウェイの始発はいつも混んでいて、三密がそろっている。 予報は夕方から曇り。 早い方がいい、山麓駅から歩く事にした。 午前7時、快晴☀️ほぼ無風、活動開始。 時折鳴く小鳥のさえずりで春を感じながら、スキー場上級者向けDコースを進んだ。登山口はロープウェイ山麓駅のすぐ右横にあった。 エゾ松の林間コース、所々にダケカンバ、この高度からの十勝岳連峰や夕張山地の眺望もなかなかよかった✨ 超初心者のオレの尻ボーテクで、この上級者向けコースを、滑って降りられるだろうかと、いろいろ妄想していると、中級者向けBコースに合流した。 8時30分、Bコースの最後の急斜面を登っているとロープウェイが動き出した。9時の営業前だが点検でもしていたのか? 少し風が出てきた。 姿見駅に着く頃には強風に変わっていた。 営業前の為か、姿見駅のドアが開かなかった。風の弱くなっている軒先を借りた。 其処で、暑くて途中で脱いだハードシェルを再び着た。目出し帽をかぶり、ヘルメットにゴーグルを装着。GPSの電池を交換。手袋もトレッキング用からアルパイン用に交換した。 ハードシェルのチャックを一番上まで上げ、気持ちも引き締めて姿見駅を出発した。 眼前にドーンと北海道最高峰の旭岳がそびえ立っていた。 強風で雪煙りが雪面を無気味に這っていた。 雪表面は硬いが足首くらいまで沈んだ。それもせいぜい6合目くらいまでと思い、強風の中を気にせずザクザク進んだ。 右側からの風が強くて、耐えきれず風下に顔を向けると、火口からの噴煙が真横に勢いよく流されていた。 6号目を過ぎると岩肌が所々に出始めた。 左側の地獄谷も深くなり始めた。 7合目くらいで振り返ると、眼下に二人組と単独行の三つの影が小さく見えた。ロープウェイの始発に乗って来たのだろうか? 左側の地獄谷との境、尾根の端が雪庇状に鋭くなってきた。落ちたら助からないと思った。 強風は相変わらず続いていた。 出来るだけ地獄谷との距離をとり、更なる突風には膝をついて耐えた。 風は肌に刺すように冷たかった。 素肌を30秒も露出すると感覚がなくなった。もう、冬山だった。タッチパネルが押せないので、写真は一眼レフだけにした。 片膝をつき、ゴーグルを上げ、風上にカメラを向けた。風が目に入り、涙でファインダーの中がボヤけてアングルが定まらなかった。それでも涙をふき、なんとか写真を撮り、前進した。 なぜか頭の中では、あいみょんのマリーゴールドがリズミカルにリピートした。 8合目の標識で振り返ると、追従してくると思っていた二人組の影が無くなっていた。撤退したのだろうか? 9合目の標識 辺りから再び雪の量も増え、斜度も増し険しくなり始めた。万が一に備えてストックからピッケルにギアチェンジした。 最後の急斜面を踏ん張って登っていると、大腿四頭筋に信号が出始めた。もう長く無理は出来ないと自分自身に言い聞かせた。 傾斜が緩く始めると、抜けるような青空の下に見覚えのある標識が見えた❗️ もう風はだいぶん弱くなっていた。 ゴーグルを上げ、目出し帽を下げた。 真っ青な青空の下に十勝岳連峰、夕張山地、トムラウシ山、東大雪の山々、遠くに阿寒の山々も見えた。 近くには白雲岳、黒岳、北鎮岳などの人気の山々も大きく見えた。 西には増毛山地もうっすら見えた。 北海道の最高点に居た。 まるで、天国のようだった! うっとり眺めていると、後続の一人が登って来て、我にかえった。 お願いして、私と標識のツーショットの写真を撮っていただいた。 その方は後旭岳に向かって行かれた。凄い! いつまでも居たかったが、うしろ髪を引かれる思いで下山を開始した。 もう風は弱くなったが、けっこう脚にきていた。 アイゼンの爪を雪面やスパッツに引っかけて転倒しやすくなる。 何度も気を引き締めて、ノロノロやっと6号目まで降りて来た時、尻ボーによさそうな斜面があった。 最後の尻ボーチャンスと思い、アイゼンを外し、尻ボーを取り出し、滑走した。まぁまぁの滑りだった。 もう、スキー場の上級者コースを尻ボーで滑走する気力も体力も無さそうだった。 こんな時に怪我でもして、医療関係者に負担をかけたくはなかった。 山麓駅まで尻ボーで降りる計画だったが、姿見駅でYAMAPの活動終了ボタンを押した。 それから、ロープウェイで山麓駅まで降りた。 いつもなら、近くの温泉で汗を流し、何処かで食事するのだが、不急なので、家路についた。 疲れたが、今日のこの山行はきっと深く思い出に残るだろう。 追記1 旭岳ロープウェイのホームページに窓解放、換気、乗車定員、消毒などの新型コロナウィルス対策が案内されている。 追記2 旭岳ロープウェイのホームページに新型ウィルス感染拡大防止の為、4月30日から当面の間、運休しますと案内されている。 追記3 ロープウェイは6月13日より感染症予防策を講じた上で営業を再開している。詳しくは旭岳ロープウェイのホームページで。

大雪山系・旭岳・トムラウシ ロープウェイ山麓駅横の登山口の看板。
旭岳の上には雲ひとつない青空が広がっていた。
ロープウェイ山麓駅横の登山口の看板。 旭岳の上には雲ひとつない青空が広がっていた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ Dコースの緩斜面。
Dコースの緩斜面。
大雪山系・旭岳・トムラウシ Dコースの急斜面を見下ろした。
自分の尻ボーテクでは死ねる。
Dコースの急斜面を見下ろした。 自分の尻ボーテクでは死ねる。
大雪山系・旭岳・トムラウシ Dコースの斜面。
自分の尻ボーテクでは、どうだろう?
妄想が止まらなかった。
でも気持ちよさそう。
Dコースの斜面。 自分の尻ボーテクでは、どうだろう? 妄想が止まらなかった。 でも気持ちよさそう。
大雪山系・旭岳・トムラウシ Dコースから見える夕張山地。結構大きく見えた。
Dコースから見える夕張山地。結構大きく見えた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ スキー場Dコースから見える十勝岳連峰。
スキー場Dコースから見える十勝岳連峰。
大雪山系・旭岳・トムラウシ Dコース。
遠くに十勝岳連峰と夕張山地、こんな景色の中を滑走してみたい。
Dコース。 遠くに十勝岳連峰と夕張山地、こんな景色の中を滑走してみたい。
大雪山系・旭岳・トムラウシ まだDコース。
尻ボーでは、どう攻略するのだ?
まだDコース。 尻ボーでは、どう攻略するのだ?
大雪山系・旭岳・トムラウシ まだまだDコース。
ヘアピンカーブ。
尻ボーでは無理?
まだまだDコース。 ヘアピンカーブ。 尻ボーでは無理?
大雪山系・旭岳・トムラウシ 案内標識とダケカンバ。
案内標識とダケカンバ。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 姿見駅前のBコースを出発するとここでCコースとDコースに分岐する。
姿見駅前のBコースを出発するとここでCコースとDコースに分岐する。
大雪山系・旭岳・トムラウシ ロープウェイの真下から見上げた。
ロープウェイの真下から見上げた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ Bコース。
カッコよかった。
尻ボーでは???
Bコース。 カッコよかった。 尻ボーでは???
大雪山系・旭岳・トムラウシ 先ほどのBコース上部から。
Bコースとロープウェイと十勝岳連峰と夕張山地のコラボレーション。
先ほどのBコース上部から。 Bコースとロープウェイと十勝岳連峰と夕張山地のコラボレーション。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 夕張山地とロープウェイ。
夕張山地とロープウェイ。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 十勝岳の真下をロープウェイが通過。
十勝岳の真下をロープウェイが通過。
大雪山系・旭岳・トムラウシ ロープウェイ姿見駅が見えてきた。
少し風が出てきた。
ロープウェイ姿見駅が見えてきた。 少し風が出てきた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 姿見駅に到着。
まだ営業前。
急に風が強くなった!
ここで防風対策。
姿見駅に到着。 まだ営業前。 急に風が強くなった! ここで防風対策。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 北海道の最高峰。
旭岳の雄姿。
風が強かった。
北海道の最高峰。 旭岳の雄姿。 風が強かった。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 熊さんではない。
私の足跡。
アイゼンでザクザク。
熊さんではない。 私の足跡。 アイゼンでザクザク。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 避難小屋が見えてきた。
扉は雪で閉ざされていた。
避難小屋が見えてきた。 扉は雪で閉ざされていた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 火口からの噴煙が真横に流されていた。
風が強いのが分かる。
火口からの噴煙が真横に流されていた。 風が強いのが分かる。
大雪山系・旭岳・トムラウシ ここからが正念場だった。
ここからが正念場だった。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 左に十勝岳連峰、右に夕張山地。
平野部には雪はないが、山間部はまだ白い。
左に十勝岳連峰、右に夕張山地。 平野部には雪はないが、山間部はまだ白い。
大雪山系・旭岳・トムラウシ ズーム、十勝岳連峰。
まだまだ、白銀の世界だ。
ズーム、十勝岳連峰。 まだまだ、白銀の世界だ。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 左に地獄谷が口を開けている。
両膝をついて、この写真を撮っている。
左に地獄谷が口を開けている。 両膝をついて、この写真を撮っている。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 頂上が近ずいてきた。
雲ひとつない。
頂上が近ずいてきた。 雲ひとつない。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 登って来た尾根を見下ろす。
登って来た尾根を見下ろす。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 9合目。
万が一に備えてピッケルに交換。
9合目。 万が一に備えてピッケルに交換。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 見覚えのある標識が見えてきた。
見覚えのある標識が見えてきた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 忠別岳から白雲岳避難小屋へ続く高根ヶ原。
奥にニペソツなどの東大雪の山々。
忠別岳から白雲岳避難小屋へ続く高根ヶ原。 奥にニペソツなどの東大雪の山々。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 左にトムラウシ山、右に十勝岳連峰。
左にトムラウシ山、右に十勝岳連峰。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 左に十勝岳連峰、右に夕張山地が霞んで見えた。
左に十勝岳連峰、右に夕張山地が霞んで見えた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 右に北海道第二峰の北鎮岳、左に比布岳。
右に北海道第二峰の北鎮岳、左に比布岳。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 手前に大きく熊ケ岳、その中央の向こうに黒岳がチョコンと頂きを出していた。
手前に大きく熊ケ岳、その中央の向こうに黒岳がチョコンと頂きを出していた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 右に北海道第三峰の白雲岳、左に平らなのが小泉岳。
右に北海道第三峰の白雲岳、左に平らなのが小泉岳。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 十勝岳連峰と私の装備。
尻ボーがカッコいい。
十勝岳連峰と私の装備。 尻ボーがカッコいい。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 記念写真を撮って頂いた。
記念写真を撮って頂いた。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 地獄谷と左にこれから下る尾根。
地獄谷と左にこれから下る尾根。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 8合目で一休み。
まだまだ油断は出来ない。
8合目で一休み。 まだまだ油断は出来ない。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 朝の強風が嘘のよう。
朝の強風が嘘のよう。
大雪山系・旭岳・トムラウシ アイゼンを外し、さあ尻ボーだ!
アイゼンを外し、さあ尻ボーだ!
大雪山系・旭岳・トムラウシ マイシュプール。
迷走?
マイシュプール。 迷走?
大雪山系・旭岳・トムラウシ お約束。
池の姿は見えなかった。
お約束。 池の姿は見えなかった。
大雪山系・旭岳・トムラウシ もうすぐ、姿見駅。
もうすぐ、姿見駅。
大雪山系・旭岳・トムラウシ 計画ではBコースからDコースへと尻ボー滑走するはずだった。尻ボーからは勇気ある撤退し、YAMAPを活動終了とした。
計画ではBコースからDコースへと尻ボー滑走するはずだった。尻ボーからは勇気ある撤退し、YAMAPを活動終了とした。
大雪山系・旭岳・トムラウシ ロープウェイ山麓駅と駐車場。旭岳の上にはまだ青空が広がっていた。
ありがとうございました。
ロープウェイ山麓駅と駐車場。旭岳の上にはまだ青空が広がっていた。 ありがとうございました。

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