活動データ
タイム
07:19
距離
9.6km
のぼり
1234m
くだり
743m
活動詳細
すべて見る4月18日 土曜日 晴れのち曇り 天気☀️と休日が合う日を待っていた。その日が来た。 全国緊急事態宣言が数日前に発出されていた。 ロープウェイの始発はいつも混んでいて、三密がそろっている。 予報は夕方から曇り。 早い方がいい、山麓駅から歩く事にした。 午前7時、快晴☀️ほぼ無風、活動開始。 時折鳴く小鳥のさえずりで春を感じながら、スキー場上級者向けDコースを進んだ。登山口はロープウェイ山麓駅のすぐ右横にあった。 エゾ松の林間コース、所々にダケカンバ、この高度からの十勝岳連峰や夕張山地の眺望もなかなかよかった✨ 超初心者のオレの尻ボーテクで、この上級者向けコースを、滑って降りられるだろうかと、いろいろ妄想していると、中級者向けBコースに合流した。 8時30分、Bコースの最後の急斜面を登っているとロープウェイが動き出した。9時の営業前だが点検でもしていたのか? 少し風が出てきた。 姿見駅に着く頃には強風に変わっていた。 営業前の為か、姿見駅のドアが開かなかった。風の弱くなっている軒先を借りた。 其処で、暑くて途中で脱いだハードシェルを再び着た。目出し帽をかぶり、ヘルメットにゴーグルを装着。GPSの電池を交換。手袋もトレッキング用からアルパイン用に交換した。 ハードシェルのチャックを一番上まで上げ、気持ちも引き締めて姿見駅を出発した。 眼前にドーンと北海道最高峰の旭岳がそびえ立っていた。 強風で雪煙りが雪面を無気味に這っていた。 雪表面は硬いが足首くらいまで沈んだ。それもせいぜい6合目くらいまでと思い、強風の中を気にせずザクザク進んだ。 右側からの風が強くて、耐えきれず風下に顔を向けると、火口からの噴煙が真横に勢いよく流されていた。 6号目を過ぎると岩肌が所々に出始めた。 左側の地獄谷も深くなり始めた。 7合目くらいで振り返ると、眼下に二人組と単独行の三つの影が小さく見えた。ロープウェイの始発に乗って来たのだろうか? 左側の地獄谷との境、尾根の端が雪庇状に鋭くなってきた。落ちたら助からないと思った。 強風は相変わらず続いていた。 出来るだけ地獄谷との距離をとり、更なる突風には膝をついて耐えた。 風は肌に刺すように冷たかった。 素肌を30秒も露出すると感覚がなくなった。もう、冬山だった。タッチパネルが押せないので、写真は一眼レフだけにした。 片膝をつき、ゴーグルを上げ、風上にカメラを向けた。風が目に入り、涙でファインダーの中がボヤけてアングルが定まらなかった。それでも涙をふき、なんとか写真を撮り、前進した。 なぜか頭の中では、あいみょんのマリーゴールドがリズミカルにリピートした。 8合目の標識で振り返ると、追従してくると思っていた二人組の影が無くなっていた。撤退したのだろうか? 9合目の標識 辺りから再び雪の量も増え、斜度も増し険しくなり始めた。万が一に備えてストックからピッケルにギアチェンジした。 最後の急斜面を踏ん張って登っていると、大腿四頭筋に信号が出始めた。もう長く無理は出来ないと自分自身に言い聞かせた。 傾斜が緩く始めると、抜けるような青空の下に見覚えのある標識が見えた❗️ もう風はだいぶん弱くなっていた。 ゴーグルを上げ、目出し帽を下げた。 真っ青な青空の下に十勝岳連峰、夕張山地、トムラウシ山、東大雪の山々、遠くに阿寒の山々も見えた。 近くには白雲岳、黒岳、北鎮岳などの人気の山々も大きく見えた。 西には増毛山地もうっすら見えた。 北海道の最高点に居た。 まるで、天国のようだった! うっとり眺めていると、後続の一人が登って来て、我にかえった。 お願いして、私と標識のツーショットの写真を撮っていただいた。 その方は後旭岳に向かって行かれた。凄い! いつまでも居たかったが、うしろ髪を引かれる思いで下山を開始した。 もう風は弱くなったが、けっこう脚にきていた。 アイゼンの爪を雪面やスパッツに引っかけて転倒しやすくなる。 何度も気を引き締めて、ノロノロやっと6号目まで降りて来た時、尻ボーによさそうな斜面があった。 最後の尻ボーチャンスと思い、アイゼンを外し、尻ボーを取り出し、滑走した。まぁまぁの滑りだった。 もう、スキー場の上級者コースを尻ボーで滑走する気力も体力も無さそうだった。 こんな時に怪我でもして、医療関係者に負担をかけたくはなかった。 山麓駅まで尻ボーで降りる計画だったが、姿見駅でYAMAPの活動終了ボタンを押した。 それから、ロープウェイで山麓駅まで降りた。 いつもなら、近くの温泉で汗を流し、何処かで食事するのだが、不急なので、家路についた。 疲れたが、今日のこの山行はきっと深く思い出に残るだろう。 追記1 旭岳ロープウェイのホームページに窓解放、換気、乗車定員、消毒などの新型コロナウィルス対策が案内されている。 追記2 旭岳ロープウェイのホームページに新型ウィルス感染拡大防止の為、4月30日から当面の間、運休しますと案内されている。 追記3 ロープウェイは6月13日より感染症予防策を講じた上で営業を再開している。詳しくは旭岳ロープウェイのホームページで。
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