群百の大ボス 阿能川岳攻略

2020.04.05(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 56
休憩時間
29
距離
12.1 km
のぼり / くだり
975 / 975 m
45
53
1 12
21
15
1 11
52
29

活動詳細

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残雪登山の山と言えば200名山の笈ヶ岳、栃木百名山の大佐飛山、そしてこの群馬百名山の阿能川岳。 本当に難しい。 適した時期が読めないのだ。 谷川岳は完全に雪山だろう。 だが阿能川岳はそれより南にある。 沼田系の低山と谷川岳系の微妙な位置。 それと天気。 群馬側は晴れても新潟側が悪いと影響が出る。 3~4月の好天時となるとチャンスの幅はかなり狭いものとなる。 そして何より花粉症でこもりがちだった足は完全になまっている。 お昼前後に道中、赤城山に寄りガッツリと黒檜山と地蔵岳を往復して足をシメる。 かなり疲労した。 水上へ移動、すーぱーこいけにて買い出し、夜は日帰り温泉鈴森の湯に浸る。 小さな温泉だが混雑せず、さらりとしたぬるめの湯でだらりとする。 夕食はヤマメの塩焼き定食、ホクホクで淡白な身がとても美味しい。 赤城山で無理した体を癒す。 登山口の仏岩ポケットパークはすぐそこ。 移動して車を停め、すぐ赤ワインを3合ほどがぶ飲みしてぐったりする。 そのまま車中泊。 朝5時過ぎに起床。 どうも夜中に雨が少し降ったようだ。 濡れているが問題なさそう。 青空と薄雲が流れている。 助六寿司と豚カツ一枚とカキフライを食う。 準備して6時前に出発。 他に車は無し。 閉まってる便所の脇の広い道を登る。 ヤマップ経路でも最初の区間だけ赤線が表記されている。 何故かここだけ。 意味不明。 しっかりとした平坦な登山道をトコトコ進む。 吾妻耶山への分岐点の標識があるが、阿能川岳の表記は無くそのまま北へ進む。 やがて残雪が現れ鉄塔の脇を通る。 遥か遠く電線が伸びる。 1時間ほどで巡視路が谷へと下るところで藪をそのまま直進する。 大した藪ではない踏み跡が続いており、残雪に足跡が残っている。 つい最近も誰か通ったようだ。 進むにつれ増える残雪、尾根道も細まる。 細い尾根の東側に雪が積もっており、残雪を歩けば藪を回避できる。 しかし雪庇や崩落が怖いので内側を歩くとズボズボとツボ足となり歩きづらい。 ツボってる足跡が多数。 慎重に歩くがズボボッとひどい所は股下までドツボにハマる。 やがて雪道と藪道が交錯するうち雪も残らない痩せ尾根の登降が始まる。 岩と木の根の幅2mくらいの尾根道をよじ登っては下り、藪や残雪を歩いてはまた登降の繰り返し。 西側の日陰ではカリカリに凍結。 アイゼンあれば安心なんだが玄関に忘れてきてしまったのだ。 もっとも、こんな悪場でアイゼンなんか使ったら引っ掛かかってどうしようもない。 最悪途中で外れたら転落どころじゃない。 三岩山の手前2㎞くらい悪場が続く。 ようやく広い雪原の尾根道に出ると正面のピークが三岩山だろうか。 1時間ほど前から強まった風がゴーゴーうなる。 木々が薄くなると強風と谷川岳の尾根を越えて来た粉雪が吹き付ける。 たまらずダウンを着るが、違う、これじゃないと、カッパに着直す。 フードを立てて被る。 耳が凍結しそうだった。 三岩山は標識も何もない。 三角点は雪の下かな。 正面のユルいピークが阿能川岳か。 あとはもう白い雪原、青い空のコントラスト。 20分ほどの勝利の道だ。 山頂の奥の木に小さな標識。 やはり三角点は雪の下かな。 座れそうな所は無い。 そのまま戻る。 三岩から阿能川はスキー場のような雪原。 ヒャッハー!と斜面をジャンプ。 群馬の大ボスを攻略だ、何年かかるかと思った群馬百名山、苦労したなぁとしみじみ。 サクサクと三岩山に戻る。 あぁ、またアレを戻るのか。 テンションフラットに戻る。 なおも吹き付ける強風と粉雪。 水を吸おうとしたリュックの水袋のパイプが凍結して水が出てこない。 たった30分ほどで凍るとは。 グイグイ尾根道を登りと同じペースで戻る。 難所を下りようやく雑木林に戻ったとこでガラガラと熊鈴の音がする。 ハッ、誰かいる。 遠く人影が二人。 何故か下っている。 なんで下ってるのだろう? 三岩山?いや、三岩山だったら阿能川岳まで20分だから三岩山目的なんて事はありえない。 何しに来たのだろう。 ペースはこちらが早い、追い付いてちょっとお話を伺いたい。 迫る距離。 おっと、その前にヤマップ地図に鍋クウシ山という山頂印がある。 登りでは気付かずスルーしたが、こんなただの尾根道の山頂はどこだろう。 印の辺りをキョロキョロ、見上げると上の方に小さな標識を見つけた。 よしよし。 さて、と思ったらもう二人組の姿も熊鈴の音も聞こえない。 急いで下るもののまるで追い付かない。 尾根の上から見通すが姿は無い。 おかしいな、消えたぞ。 一体何だったのだろう。 諦めた。 て言うか出発して6時間経過。 お昼だ。 岩場に腰掛け昨日のスーパーのパンをかじる。 すーぱーこいけ、だったかな。 パン美味しいぞ。 あとはもう惰性で下山。 次第に残雪は減り、印象的な鉄塔を通過、巡視路をダラダラと下り駐車場に到着した。 軽トラが1台停まっている。 謎の二人組のだろうか。 ちょうど7時間以内で下山。 8~9時間を想定していたのだが。 昨日の赤城山が効いたのか予想外に早かった。 いや、だったらパンとか我慢して昨日の鈴森の湯で焼肉定食をお昼にすればよかったなと。 雪で靴下まで染みた靴を脱いで一休み。 さて水上インターは近い、帰ろう。 おいっ、何か記念を残そうよ。 すぐ近くに成田山水上寺がある。 阿能川岳でガタガタになった膝に響く石段。 参拝して御朱印を拝領。 さて水上インターは近い、帰ろう。 おいっ、新酒の季節だぞ。 沼田周辺には酒造が4つある。 谷川岳の湧水と綺麗な空気。 間違いなく美味しいに決まっている。 群馬の名酒と言えば? はい、そうです、水芭蕉や谷川岳でおなじみの永井酒造ですね。 ここは11月に行った所。 早い新酒は絶品だった。 近くの永井本家も9月に寄って購入した所、ここもまた絶品。 今回は少し先の土田酒造に行く。 2時頃到着したのだが、車を停めて一息ついたところでオチる。 自分のイビキで目が覚める。 30分ほどだが、体は正直なものだ。 誉国光の土田酒造、山廃純米の白と黒の2種類はたまに見かけるが売店ではそれ以外のレア酒が多数。 精米9割?米を研いだだけか? 一本購入、すると大吟醸ソフトの割引券をくれたので食ってみる。 ほんのり酒臭、ソフトなんて年に一度くらいしか食わないな。 外には仕込み水が流れてるので水筒や空ペットに大量に汲んでいく。 さてもう1つ。 沼田に大利根酒造がある。 ここもまた美味しいのだ。 季節限定の一升餅を購入。 満足して帰路につく。 難関の阿能川岳。 天気や体調など全てのコンディションが合致した結果うまくいった。 さながらちょっとしたエベレスト登頂のような感覚を味わえる結果となりました。 クッソ長くなってしまいましたが下山後のアフターを含め今後、この難峰を目指す方の参考になればと思います。

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