活動データ
タイム
01:04
距離
1.2km
のぼり
92m
くだり
92m
チェックポイント
活動詳細
すべて見るオレの中のカメラアプリが起動され、セルフタイマーモードに設定された。 気がつくと知らない山の、知らない川にいた。 オレの液晶画面に小さな白い花が映ったが、オレを持つ手が不安定だ。オレがグラグラしている。 どうやら持ち主の足場が悪く、その上 背伸びをして、腕も精一杯伸ばしているらしい。 持ち主はその姿勢のままシャッターボタンを押すことを断念し、オレは事前に持ち主の顔の高さでシャッターボタンを押され、10秒のタイマーが作動したのを確認されたのち、再びその小さな白い花のそばへと掲げられた。 そのときだった。 オレは持ち主の手からするりと離れ、製造されて初めて、冷たくて綺麗な水の中へと飛び込んだ。 あっという間に川の底へと沈んだが、タイマー撮影のことは忘れちゃいない。設定されたとおり10秒後に、それは水中だったが、構わずにシャッターを切った。 それからすぐにオレは水中から引き上げられ、シャットダウンされて意識を失った。 どれくらい経ったのだろう。 目を覚ますと、持ち主とオジサンが、オレを心配そうに覗き込んでいた。 オレの中がいつの間にか洗浄され、すっかり乾かされていた。 「一番濡れていたのは上の方だったので、今後インカメラや通話の不具合が出るかもしれませんが、今のところ普通に使えてはいるので、とりあえずこれで様子をみましょう。バッテリーの交換や、液晶画面の修理も、今後もしかしたら必要になるかもしれません。」 「わかりました。ありがとうございました。」持ち主が応えて、オレはまたいつものカバンの、いつものポケットに身を収めた。 あれから3日経った。 オレは今日も絶好調だ✨
メンバー
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