活動データ
タイム
03:38
距離
9.4km
のぼり
697m
くだり
692m
活動詳細
すべて見る舞い込んできた仕事の一環で、とある庭園の写真を撮らなければならない、ということになった。意図する通りにカメラの操作を行なうという作業は随分ひさしぶりなので、練習がてらにどこかの山に登ってこよう、ということにした。 嵩張るカメラを抱えてなので、厳しい山道を攀じ登るというのは気が進まない。それに、撮影の練習ということになると、人工物の散在する処に行かないと、何を撮っていいのか判らず立ち往生してしまいそうである。 寺社仏閣の山域で勘案すると、武蔵御嶽神社、高尾山薬王院、大山阿夫利神社の何れかということになり、ここはお手軽にと、至近の高尾山に行くことにした。昨年末に参詣登山して以来なので、高尾山の初詣ということになる。 久しく使用していない機材の選定と準備をする。お手軽スマートフォンで、広角レンズの撮影が当たり前になってしまった現状を顧みる、という意味を込めて、標準、あるいは中望遠の単焦点レンズ一本だけの装備で出掛けることにした。 しかし、所有するキャノンの一眼レフは重くて、どうしても持っていく気にならない。まったく趣味的になるが、リコーGXRにA12マウントを装着し、ライカMとニコンレンズ互換のマウントアダプターを介して、マイクロニッコール60mmを装着するということにした。レンズが大きくて、余り軽量化になっていないような気もするが、ライカMレンズを持っていないので仕方が無い。 マクロレンズにしたのは、高尾山なので、野草や花を撮ることもありそう、という理由である。(結果的には、慣れないマクロ撮影の出来は散々で、この場ではすべて没ということになった…) 登山の行程全般に就いては、特筆に値することも無く、高尾山口駅を出発し、ファインダーを覗きながらのそぞろ歩きとなったので、高尾山頂まで二時間もかかってしまった。 前日土曜の夕方に、都心でも降雪があり、高尾山も随分降ったようである。陽差しが強まり気温が上がると、木々に溜まった雪が溶けて、雨のように降りそそいできた。デジタルカメラを斜め掛けにしているので、それを庇うようにして登山道を歩くのは、とても窮屈な気分だった。 琵琶滝水行道場から霞台園地に登り、浄心門手前で北面の四号路に入る。薄っすらと雪化粧している北高尾山稜を眺めつつ、みやま橋を渡り北東方面の尾根に乗り、いろはの森コースでは、ふたたび雪の雫が降りそそいでくるので、カメラを抱えての山歩きが鬱陶しい。 新型コロナウイルス禍で外出自粛のムードが漂う中、それでも多くの人が居る高尾山頂に到着した。得体の知れない閉塞感に呼応するかのように、山頂の空は曇っていて、展望台からの景色も、雲煙が遠くの山々を覆っている。それでも、ひんやりした空気が心地好く、やっぱり山はいいな、と思う。 最短コースの富士道(裏道)で薬王院まで歩く。大師堂の周囲に並ぶ八十八体の弘法大師像を、目礼しつつの巡礼。ひっそりと佇む大日如来像が美しく、今日撮った写真では、最も気に入ったのでカバー写真にしてみた。 山頂の曇天がいつしか瀰漫して、薬王院界隈も冷え込んできた。一号路を直進して下山に掛かる。金比羅台にも立ち寄らず、高尾山口駅に到着すると、間も無く発車時刻の準特急新宿行きに飛び乗った。
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