遠州修験道踏査(岩室寺跡・本宮山)敷地駅から一の瀬バス停まで

2020.02.02(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 23
休憩時間
8
距離
22.5 km
のぼり / くだり
1368 / 1244 m
1 10
1 30
22
2 51
1

活動詳細

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遠州は遠江国一宮 小國神社の神体山として崇められる本宮山を起点にして、東方には白山・春埜山・大日山・大尾山・粟ヶ岳へと山並が連なり、太平洋に突き出た駒形神社の御神体である御前崎(御前岩)を経由し、笠原荘の熊野山々を巡りながら再び峯中路を踏み分け、小笠山から法多山へ到達する春の入峯修行が存在しました。西方には光明山を経由し、秋葉山を遥拝して湖北の三岳山・竜ヶ岩山・富幕山から湖西連峰を縦走して山麓の普門寺へと繋がる秋の入峯修行が存在しました。(「遠州の霊山と山岳信仰ーその源流と系譜ー」より)。その歴史ある道を、かつての修験者達のことを想像しながら踏破してみたい!という歴史ロマン溢れる山行を2017年から細々と続けています。 もう2020年、踏査の山行はそこそこの回数行ってると思うんですが、調べてみたら未だに全ルートの10%程度しか歩けていないことが判明。これでは先に自分の寿命が尽きてしまいます。車を使うと周回コースしか取れないので、1回の踏査でたくさんの距離を歩けないのが原因かもしれない…。というわけで、今後は公共交通機関を使った縦走タイプの踏査を増やして、距離を稼ぐことにしました。 今回はその第一弾として、春峯と秋峯共通のスタートである「岩室寺~本宮山~林道百古里線起点」区間を、敷地駅から一の瀬バス停まで縦走して踏査してきました。今回の踏査ポイントは「獅子ヶ鼻公園トレッキングコース~本宮山」と「四等 西山南~林道百古里線起点」の2点。特に後者はネット上に全く情報が見つからなかったので、文字通り「探検」になってしまいました。 詳細は写真のコメントを読んでいただくとして、結果をまとめると「敷地駅~岩室寺~本宮山~林道百古里線起点~一の瀬バス停」の安全に歩けるルートは、今回の踏査では確定できませんでした。「四等 西山南~四等 西山北~林道百古里線起点」の区間で「急な傾斜の下降」や「危険な沢沿いの下降」で強行突破してしまった感じで、とても人に案内できるルートではありません。 しかし、国土地理院地図に載っていない作業道(古い林道?)を発見できたことと、普通の歩行ペースで(走ったりしないで)駅からバス停までの移動を余裕をもってできることが確信できたことは貴重な成果でした。今回の経験と反省を活かして再び踏査すれば、強行突破しないでも通過できるルートを見つけられるような気がします。

本宮山・高塚山 今回の踏査エリア(「遠州の霊山と山岳信仰ーその源流と系譜ー」より)
今回の踏査エリア(「遠州の霊山と山岳信仰ーその源流と系譜ー」より)
本宮山・高塚山 7:35、天竜浜名湖鉄道の敷地駅から出発。森町ロードレース大会の日だったので車内はランナーでいっぱいでしたが、敷地駅で降りたのは自分1人。
7:35、天竜浜名湖鉄道の敷地駅から出発。森町ロードレース大会の日だったので車内はランナーでいっぱいでしたが、敷地駅で降りたのは自分1人。
本宮山・高塚山 舗装路を歩くこと30分弱で獅子ヶ鼻公園の入口に到着したんですが、なんと落石で立入禁止。ここから徒歩で上の駐車場へ移動するとかなりのロスになってしまうので、迷った末に自己責任だからと通過してしまいました。本当にすいません…。完全に間違った判断だったと深く反省しております。
舗装路を歩くこと30分弱で獅子ヶ鼻公園の入口に到着したんですが、なんと落石で立入禁止。ここから徒歩で上の駐車場へ移動するとかなりのロスになってしまうので、迷った末に自己責任だからと通過してしまいました。本当にすいません…。完全に間違った判断だったと深く反省しております。
本宮山・高塚山 歴史の広場から見る巨岩、獅子ヶ鼻。古代の祭祀場、磐座だったそうです。
歴史の広場から見る巨岩、獅子ヶ鼻。古代の祭祀場、磐座だったそうです。
本宮山・高塚山 岩室廃寺跡(観音堂)。かつて行われていた修験回峰行の出発地です。
岩室廃寺跡(観音堂)。かつて行われていた修験回峰行の出発地です。
本宮山・高塚山 今回は予定ルート近辺の三角点も巡って行きます。まずは獅子ヶ鼻トレッキングコースにある。二等三角点「岩室村」。
今回は予定ルート近辺の三角点も巡って行きます。まずは獅子ヶ鼻トレッキングコースにある。二等三角点「岩室村」。
本宮山・高塚山 今回は蟻の戸渡りや鐘掛岩(かんかけいわ)へは寄らず、まっすぐ野草の小道コースへ。
今回は蟻の戸渡りや鐘掛岩(かんかけいわ)へは寄らず、まっすぐ野草の小道コースへ。
本宮山・高塚山 「八畳岩ビューポイント」なるものが出来ていたので寄り道。下の洞穴初めて見た。
「八畳岩ビューポイント」なるものが出来ていたので寄り道。下の洞穴初めて見た。
本宮山・高塚山 さっきビューポイントから見た八畳岩。
さっきビューポイントから見た八畳岩。
本宮山・高塚山 その下の洞穴。この入口までの数メートルがかなりスリリング(狭いし傾斜キツイし横は崖)で、これ以上進むのは止めときました。
その下の洞穴。この入口までの数メートルがかなりスリリング(狭いし傾斜キツイし横は崖)で、これ以上進むのは止めときました。
本宮山・高塚山 次は虫生(むしゅう)冷泉コースへ。
次は虫生(むしゅう)冷泉コースへ。
本宮山・高塚山 虫生冷泉コースを抜けたら「ここはトレッキングコースでは、ありません」という標識がある林道を進みます。
虫生冷泉コースを抜けたら「ここはトレッキングコースでは、ありません」という標識がある林道を進みます。
本宮山・高塚山 施業道タチバナ線から破線ルートの取り付きを探します。ここから登れそう…。
施業道タチバナ線から破線ルートの取り付きを探します。ここから登れそう…。
本宮山・高塚山 すぐに道が見つかりました。タチバナ線が出来る前は西側と繋がっていたんだと思います。このピンクテープからさらによじ登ると…
すぐに道が見つかりました。タチバナ線が出来る前は西側と繋がっていたんだと思います。このピンクテープからさらによじ登ると…
本宮山・高塚山 とても歩きやすい道が続いていました。
とても歩きやすい道が続いていました。
本宮山・高塚山 途中、四等三角点「上納山」に寄り道。以前、小國神社から沢沿いの道を必死に登ってたどり着いた場所ですが、今回の道からなら楽勝です。
途中、四等三角点「上納山」に寄り道。以前、小國神社から沢沿いの道を必死に登ってたどり着いた場所ですが、今回の道からなら楽勝です。
本宮山・高塚山 上り、下りをひたすら繰り返しながら、少しずつ標高をあげていきます。下りは急だしザレてて結構大変。
上り、下りをひたすら繰り返しながら、少しずつ標高をあげていきます。下りは急だしザレてて結構大変。
本宮山・高塚山 平成29年、森町の指定文化財に指定された「小國一宮大境神社三ツ石」。荘園境を示す平安時代末期の石で、古くはこの石の上で亀卜(きぼく)も行わていたとか。
平成29年、森町の指定文化財に指定された「小國一宮大境神社三ツ石」。荘園境を示す平安時代末期の石で、古くはこの石の上で亀卜(きぼく)も行わていたとか。
本宮山・高塚山 舗装路からちょっと寄り道して、四等三角点「本宮山南」を探してきました。小ピークから三角点までのトラバースには割としっかりとした踏み跡が。三角点ハンターって意外と多いのかな?
舗装路からちょっと寄り道して、四等三角点「本宮山南」を探してきました。小ピークから三角点までのトラバースには割としっかりとした踏み跡が。三角点ハンターって意外と多いのかな?
本宮山・高塚山 毎度おなじみ本宮山の取り付き。来るのは今回で5回目。
毎度おなじみ本宮山の取り付き。来るのは今回で5回目。
本宮山・高塚山 11:28、小國神社の神体山である本宮山山頂。奥の院はいつも屋根に枯葉が積もっていたのに、今回はきれいに掃除してありました。薄皮あんぱん2個食べてエネルギーチャージ。
11:28、小國神社の神体山である本宮山山頂。奥の院はいつも屋根に枯葉が積もっていたのに、今回はきれいに掃除してありました。薄皮あんぱん2個食べてエネルギーチャージ。
本宮山・高塚山 ここの分岐を「尾根経由で三倉・高塚山」方面へ。
ここの分岐を「尾根経由で三倉・高塚山」方面へ。
本宮山・高塚山 一度舗装路へ下り、再び尾根へ取り付き、黒山山頂。ここもかつては磐座だったらしい。三等三角点は「葛布村」。
一度舗装路へ下り、再び尾根へ取り付き、黒山山頂。ここもかつては磐座だったらしい。三等三角点は「葛布村」。
本宮山・高塚山 数回舗装路に出たり、尾根に登ったりを繰り返し、再びここから尾根へ。
数回舗装路に出たり、尾根に登ったりを繰り返し、再びここから尾根へ。
本宮山・高塚山 2018年に森町の高塚山まで行ったときにスルーしたポイント。ここから北西へ下るのが今回メインの踏査ルートです。浜松市と森町の境界尾根だし、途中に三角点が2つもあるので、たぶん歩けると思うんだけど…。
2018年に森町の高塚山まで行ったときにスルーしたポイント。ここから北西へ下るのが今回メインの踏査ルートです。浜松市と森町の境界尾根だし、途中に三角点が2つもあるので、たぶん歩けると思うんだけど…。
本宮山・高塚山 踏み跡は…ない。けど、鬱蒼としてないし、広い尾根なので歩きやすい!
踏み跡は…ない。けど、鬱蒼としてないし、広い尾根なので歩きやすい!
本宮山・高塚山 ちょっと下ったところに四等三角点「西山南」がありました。
ちょっと下ったところに四等三角点「西山南」がありました。
本宮山・高塚山 そのまま下ると右手に林業用と思われる作業道が。ちなみに左手には舗装林道が並走しています。
そのまま下ると右手に林業用と思われる作業道が。ちなみに左手には舗装林道が並走しています。
本宮山・高塚山 一度舗装林道に出てしまいました。でもこの道は西にそれていってしまうので、右手にあった作業道側を進み、再び尾根へ上ります。
一度舗装林道に出てしまいました。でもこの道は西にそれていってしまうので、右手にあった作業道側を進み、再び尾根へ上ります。
本宮山・高塚山 またしても舗装路へ下りてきてしまいました。すぐ先に作業道入口があったので、ここから入ります。
またしても舗装路へ下りてきてしまいました。すぐ先に作業道入口があったので、ここから入ります。
本宮山・高塚山 途中からピンクテープが木に巻かれていたので、これをたどって来ましたが、次第に尾根に沿って西へ進んでしまっていることが発覚。
途中からピンクテープが木に巻かれていたので、これをたどって来ましたが、次第に尾根に沿って西へ進んでしまっていることが発覚。
本宮山・高塚山 ちょっと強引ですが、境界線に沿うように斜面を下降していきます。結構傾斜キツイ。
ちょっと強引ですが、境界線に沿うように斜面を下降していきます。結構傾斜キツイ。
本宮山・高塚山 すると偶然ブルドーザー用の作業道に出ました。もしかしたら尾根に登らなければ、さっきの入口からここまでずっと繋がっていたのかも。急斜面を下るよりはるかに安全なので、この道をジグザグと下って行きました。
すると偶然ブルドーザー用の作業道に出ました。もしかしたら尾根に登らなければ、さっきの入口からここまでずっと繋がっていたのかも。急斜面を下るよりはるかに安全なので、この道をジグザグと下って行きました。
本宮山・高塚山 ススキが輝くきれいな林道に出ました。国土地理院地図にも載ってないんですが、作業道なんでしょうか?
ススキが輝くきれいな林道に出ました。国土地理院地図にも載ってないんですが、作業道なんでしょうか?
本宮山・高塚山 地図ではこのあたりから北へ水平移動できそうなのに…とあちこち探していたら、ススキに隠された広い道を発見!
地図ではこのあたりから北へ水平移動できそうなのに…とあちこち探していたら、ススキに隠された広い道を発見!
本宮山・高塚山 林道の脇に四等三角点「西山北」を見つけました。すぐそばに丘があるのに、なぜこんな変なところにあるんでしょう?
林道の脇に四等三角点「西山北」を見つけました。すぐそばに丘があるのに、なぜこんな変なところにあるんでしょう?
本宮山・高塚山 ススキの林道へ戻り先へ進みましたが、どんどん西へ向かってしまうようなので、やむなく計画ルートの北西方面へ下ることに。急ながらなんとか木を掴みながらロープなしで下れる傾斜。
ススキの林道へ戻り先へ進みましたが、どんどん西へ向かってしまうようなので、やむなく計画ルートの北西方面へ下ることに。急ながらなんとか木を掴みながらロープなしで下れる傾斜。
本宮山・高塚山 下っていくとそこには沢が!ここで自分の犯したミスに気が付きました。等高線で「尾根」だと思っていたルートは「谷」だったんです。地図読みの初歩的ミス…。
下っていくとそこには沢が!ここで自分の犯したミスに気が付きました。等高線で「尾根」だと思っていたルートは「谷」だったんです。地図読みの初歩的ミス…。
本宮山・高塚山 「沢に下りたら遭難するから登り返せ」が鉄則なんですが、あと300mほど沢沿いに進めば舗装路があるのが分かっているので、慎重に沢を下ることにしました。掴むと崩れるほど腐った倒木が進路を塞いでいて、想像以上に通過は大変…。でも奥には舗装路が!
「沢に下りたら遭難するから登り返せ」が鉄則なんですが、あと300mほど沢沿いに進めば舗装路があるのが分かっているので、慎重に沢を下ることにしました。掴むと崩れるほど腐った倒木が進路を塞いでいて、想像以上に通過は大変…。でも奥には舗装路が!
本宮山・高塚山 舗装路の手前には川がありますが、土砂がたまって渡渉できそうなところがありました。そこを目指してトラバース。
舗装路の手前には川がありますが、土砂がたまって渡渉できそうなところがありました。そこを目指してトラバース。
本宮山・高塚山 なんとか渡渉して、道路までの斜面をよじ登りました。本当に戻ってこれて良かった…。
なんとか渡渉して、道路までの斜面をよじ登りました。本当に戻ってこれて良かった…。
本宮山・高塚山 修験ルートはこの林道百古里(すがり)線で北へ向かいますが、こちらの踏査はまだ今度。こっちはネット上に歩いた人の記録がありますし。
修験ルートはこの林道百古里(すがり)線で北へ向かいますが、こちらの踏査はまだ今度。こっちはネット上に歩いた人の記録がありますし。
本宮山・高塚山 林道百古里線起点の反対側。このあたりから出たかった…。今度、こっち側から登って踏査してみよう。
林道百古里線起点の反対側。このあたりから出たかった…。今度、こっち側から登って踏査してみよう。
本宮山・高塚山 あとは6kmほどの舗装路歩き。道沿いには滝や徳川家康にまつわる史跡などがあり、意外と退屈しないで歩けました。
あとは6kmほどの舗装路歩き。道沿いには滝や徳川家康にまつわる史跡などがあり、意外と退屈しないで歩けました。
本宮山・高塚山 「右 一ノ瀬、左 大久保」の道標。一の瀬へのショートカットなのかな?行ってみます。
「右 一ノ瀬、左 大久保」の道標。一の瀬へのショートカットなのかな?行ってみます。
本宮山・高塚山 実はこれ、戦国夢街道ハイキングコース「半命コース」の一部。整備された階段で楽にショートカットできました。
実はこれ、戦国夢街道ハイキングコース「半命コース」の一部。整備された階段で楽にショートカットできました。
本宮山・高塚山 白鬚神社。御祭神は「猿田彦神」。
白鬚神社。御祭神は「猿田彦神」。
本宮山・高塚山 一の瀬につきました!いつもはここにバス停があるんですが、工事中で三倉トンネルの南に移動している…というのは秋葉バスサービスのホームページで調査済だったんですが、その場所へ行く道が工事中で全面通行止というのは想定外でした。かなり遠回りしないと…。
一の瀬につきました!いつもはここにバス停があるんですが、工事中で三倉トンネルの南に移動している…というのは秋葉バスサービスのホームページで調査済だったんですが、その場所へ行く道が工事中で全面通行止というのは想定外でした。かなり遠回りしないと…。
本宮山・高塚山 戦国夢街道ハイキングコースのスタート地点。無料駐車場もありました。車で来てここスタートもできますね。
戦国夢街道ハイキングコースのスタート地点。無料駐車場もありました。車で来てここスタートもできますね。
本宮山・高塚山 15:58、一の瀬臨時バス停に到着!16:42のバスで袋井駅へ移動し、JR東海道本線と遠鉄バスを乗り継いで、帰宅したのは18:40でした。色々反省の多い山行になってしまいましたが、この経験を活かしてさらなる踏査を進めたいです。
15:58、一の瀬臨時バス停に到着!16:42のバスで袋井駅へ移動し、JR東海道本線と遠鉄バスを乗り継いで、帰宅したのは18:40でした。色々反省の多い山行になってしまいましたが、この経験を活かしてさらなる踏査を進めたいです。

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