野間岳と亀ヶ丘と東シナ海の夕陽。 2020/2/3

2020.02.03(月) 日帰り
七目
七目

活動データ

タイム

00:59

距離

1.7km

上り

245m

下り

249m

チェックポイント

活動詳細

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如何なる前世の因縁か、久しぶりに姻戚関連の所用がやってきた。行先は南九州、鹿児島県である。 鹿児島に赴く時は、日程を工面して、これまでも霧島連山や開聞岳を数回訪れてはいた。前回は一昨年のことで、帰途の溝辺鹿児島空港でそのまま帰りそうなところを、レンタカーを借りて高千穂河原に向かい、高千穂峰に登頂、その晩は車中泊をして、翌朝は栗野岳に登った。 遠征の目的は所用であり、役務というか義務というか、煩雑な役割である。だからこそ、せっかくなので、ついでに山に登ってから帰りたい、そんなささやかな願望である。今まではあまり深く考えず、鹿児島といえば霧島と開聞かなと、漠然とした考えで行程の計画を立てていた。 しかし、今回は少し欲が出て南薩の山に登ってみたいと考えた。Yamapの山行記録を検索すると、南さつま市の山々が個性的で面白く、登ってみたい山はいくつも出てくる。しかし、本来の所用を勘案すると、山に係わることのできる時間は限られる。日曜に所用を済ませて、翌日に鹿児島市内を午前中になんとか脱出して、その日のうちにどこかに登りたいが、南薩は遠い。 午後一時に指宿を出発してレンタカーを駆り、枕崎の先にある南さつま市に到着するのは、おそらく午後三時を過ぎてしまうだろう。日の入りが遅い鹿児島とはいえ、二月である。初めての山にそんな時刻から登り始めるのは、無謀のそしりを免れかねない。熟慮の結果、野間半島に立つ海坊主のような円錐状の山、野間岳に登ってみることにした。 野間岳の山腹には野間神社があり、そこまで車道が続いている。神社からの登山道を利用すると、約40分の行程で登頂できる。車の移動時間に齟齬が生じたところで、夕方五時には戻ってこれる計算である。遠征すればするほど、相対的に登山する時間が短くなってしまうのは、止むを得ない摂理とでも言うべき現象である。 そんな訳で、指宿からレンタカーを走らせること約二時間で、南さつま市に入った。野間半島の景勝核心部、笠沙路の海岸線を目前にしたところでカーナビから左折の指示が入る。奇岩の光景を眺めることができないのは残念だが、日産マーチは一路登山口を目指す。徐々に幅が狭くなる林道を登り、想定通りの時刻に野間神社に到着できた。 駐車場で身支度を整えている時、唯一停めてあった車にひとりの男性が戻ってきた。挨拶を交わして会話する。彼は「南さつま海道、鑑真の道歩き」というウォーキング大会に向けて歩き回っているとのことで、山登りの徒では無く、私が今から登ると聞き、率直に驚いていた。野間岳からの眺望を楽しみにしていると私が言うと、眺めでいえば車で行けてしまう処ですが、と申し訳無さそうな口調で、亀ヶ丘が素晴らしいと勧めてくれた。 ウォーキング愛好家氏の車が去ると、程なく別の車が到着した。見るからにハイカーの熟年夫妻で、これから野間岳に登るのが私だけではないことが判明し、ちょっと驚き、やや安堵した。夫氏と少々会話をする。私は慣れない車移動の所為か、身支度がなかなか整わない。夫妻は万全の恰好で到着しており、先に出発していった。 野間神社に参詣後、傍らにある入口から登り始める。およそ15分くらい歩いたところで第一展望所に到着。先ほどの熟年夫妻はここでのんびり曇天の景色を眺めていた。お声かけして追い越し、間も無く記念植樹の木々が立ち並ぶ平坦地に到着した。樹林の合間から、目指す野間岳の姿が確認できる。目視しても、GPSの地形図を確認しても、野間岳登頂は目と鼻の先だと判る。 野間神社は登山道の表記で八合目と記されてあった。こんなんで登ったと言っていいのやら…と複雑な思いを抱きつつ歩き続ける。徐々に勾配が上がると、木段の道が続いていく。山頂が近くなると、巨岩の折り重なる山腹を攀じ登っていくようになり、その途上に第二展望所があった。野間神社からここまでの所要時間は30分弱。 展望所からは、坊津方面のリアス式海岸を眺めることができるものの、視界はそれほど広くはなく、天候的にも彼方が霞んでいるので、総じて明瞭ではない展望状態であった。 木段の急登で、間も無く神々を祀る祠が立つ平坦地に到達した。東側の尾根に続く登山道が別れる処で、それを横目に少し歩くと、空の明るさが増してくる。山頂は唐突に現われた。鎌のような形状の半島を見下ろす。その突端が野間岬である。 標高591mの山頂は風が強く、見渡す東シナ海の眺望も水平線が曖昧に見える曇天で、なんだか冴えない。紫煙を燻らせてから、早々に下山に掛かることにする。東の尾根を下り、野間神社に帰着する行程も事前には考えていたが、車で通った林道の長さを思い出し、あまりぞっとしない。来た道を引き返すことにした。 山頂直下の木段の途上で、くだんの夫妻と擦れ違う。早いねえと夫氏が私に言い、細君氏はやや疲れたような表情で、今日ここが三座目なのよ、と言った。聞くと、金峰山、磯間嶽と登ってから、野間岳にやってきたとのこと。長崎から遠征してきたという夫妻は、精力的に鹿児島の秀峰を巡っているようであった。 あっという間に野間神社に下山。登山開始からちょうど一時間が経過したところだった。止むを得ないとはいえ、やはり呆気無い行程で、なんとも曖昧な気分であった。再訪する機会があれば、麓からの宮ノ山登山口から登ってみたいと思った。 時刻は午後四時を過ぎたばかりなので、これから亀ヶ丘に向かえば、お誂え向きで東シナ海の夕陽に間に合う。約30分くらいの移動で、亀ヶ丘の駐車場に到着。車を置いて木段を上がり、絶景の東シナ海展望台に立った。 日の入りが遅い鹿児島県の、さらに西端近い処に居るので、まだまだ明るい。開放的な草原の丘で眺める、眼前の東シナ海も美しいが、西北方面に視線を転じると、遠くに野間岳の姿。つい先ほどまで、あの頂上に居たのだと思うと感慨深い。 草原の丘から、亀岩という、亀ヶ丘という名称の所以に拠る展望台が直ぐそこに見える。そう思って眺めると、本当に巨大な亀に見えるので可笑しくなる。亀の甲羅の上で、若い男女四名のグループが、嬌声を上げていた。彼らが帰っていくのを見計らってから、その展望台の上に立った。色温度が低下していくのが判じられるかのように、夕陽は、徐々に東シナ海を紅く染めていった。

開聞岳 指宿からレンタカーを走らせること約二時間。野間半島の景勝核心部、笠沙路を目前にしたところで山中に入るのはやや残念。徐々に幅が狭くなる林道を登り詰めた処が野間神社。

駐車スペースは広く、新しそうな公衆トイレもあり、想像していたのがなんとなくうらぶれた神社というものだったので意外だった。
指宿からレンタカーを走らせること約二時間。野間半島の景勝核心部、笠沙路を目前にしたところで山中に入るのはやや残念。徐々に幅が狭くなる林道を登り詰めた処が野間神社。 駐車スペースは広く、新しそうな公衆トイレもあり、想像していたのがなんとなくうらぶれた神社というものだったので意外だった。
開聞岳 野間神社に参詣して、登山口の傍らに掲示してある九州自然歩道南薩コースの概念図看板で立ち止まる。見ると、名前のある山がたくさんあり、これも意外だった。

駐車場で会話した「鑑真の道歩き」愛好家氏に勧められた亀ヶ丘の位置を確認。この時点で寄ってみようという気になっていた。
野間神社に参詣して、登山口の傍らに掲示してある九州自然歩道南薩コースの概念図看板で立ち止まる。見ると、名前のある山がたくさんあり、これも意外だった。 駐車場で会話した「鑑真の道歩き」愛好家氏に勧められた亀ヶ丘の位置を確認。この時点で寄ってみようという気になっていた。
開聞岳 登山開始後およそ15分で第一展望所(駐車場で挨拶を交わした熟年夫妻はここでのんびり。お声かけして追い越す)、そして記念植樹の木々が立ち並ぶ平坦地に到着した。目指す野間岳の姿が確認できる。

野間神社は登山道の表記で八合目。こんなんで登ったと言っていいのやら…と複雑な思いを抱きつつ歩き続ける。
登山開始後およそ15分で第一展望所(駐車場で挨拶を交わした熟年夫妻はここでのんびり。お声かけして追い越す)、そして記念植樹の木々が立ち並ぶ平坦地に到着した。目指す野間岳の姿が確認できる。 野間神社は登山道の表記で八合目。こんなんで登ったと言っていいのやら…と複雑な思いを抱きつつ歩き続ける。
開聞岳 徐々に勾配が上がり、木段の道が続く。
徐々に勾配が上がり、木段の道が続く。
開聞岳 山頂が近くなり、巨岩の折り重なる山腹を攀じ登っていく。鎖の手摺りが設置されているが、それほどの必要は無い。
山頂が近くなり、巨岩の折り重なる山腹を攀じ登っていく。鎖の手摺りが設置されているが、それほどの必要は無い。
開聞岳 第二展望所に到着。野間神社からの所要時間は30分弱。坊津方面のリアス式海岸を眺めるが、視界はそれほど広くはなく、天候的にも彼方が霞んでいるので、総じて明瞭ではない展望状態。
第二展望所に到着。野間神社からの所要時間は30分弱。坊津方面のリアス式海岸を眺めるが、視界はそれほど広くはなく、天候的にも彼方が霞んでいるので、総じて明瞭ではない展望状態。
開聞岳 ほどなく神々を祀る祠が立つ平坦地に到達。少し先に明るさがあり、歩を進めると山頂だった。鎌のような形状の突端が野間岬。
ほどなく神々を祀る祠が立つ平坦地に到達。少し先に明るさがあり、歩を進めると山頂だった。鎌のような形状の突端が野間岬。
開聞岳 ニニギノミコト、木花咲耶姫等を祀る野間神社が在ったという山頂。

野間岳の名前の由来に就いては、具体的な変遷状況があるようで、最初は笠沙岳と呼ばれ、以下→娘媽(ろうま)岳→野馬岳→野間岳になったとのこと。

娘媽神女は航海の守護神。野間半島でシンボリックに屹立する、野間岳の所以としては納得できる山名だと思う。(航海の守護神云々は、八合目の神社による説明版に記載されていた)
ニニギノミコト、木花咲耶姫等を祀る野間神社が在ったという山頂。 野間岳の名前の由来に就いては、具体的な変遷状況があるようで、最初は笠沙岳と呼ばれ、以下→娘媽(ろうま)岳→野馬岳→野間岳になったとのこと。 娘媽神女は航海の守護神。野間半島でシンボリックに屹立する、野間岳の所以としては納得できる山名だと思う。(航海の守護神云々は、八合目の神社による説明版に記載されていた)
開聞岳 風の強い山頂から早々に下山。野間神社に戻り、所要時間はちょうど一時間だった。

次なる目的地の亀ヶ丘に向かう途中で、端整な野間岳を見る。再訪する時はぜひ宮ノ山登山口から登ってみたいと思った。
風の強い山頂から早々に下山。野間神社に戻り、所要時間はちょうど一時間だった。 次なる目的地の亀ヶ丘に向かう途中で、端整な野間岳を見る。再訪する時はぜひ宮ノ山登山口から登ってみたいと思った。
開聞岳 午後五時を回った頃に亀ヶ丘のパラグライダー発進所に到着。日の入りが遅い鹿児島県の、さらに西端近い処に居るので、まだまだ明るい。
午後五時を回った頃に亀ヶ丘のパラグライダー発進所に到着。日の入りが遅い鹿児島県の、さらに西端近い処に居るので、まだまだ明るい。
開聞岳 東シナ海展望台への木段を登ると…。
東シナ海展望台への木段を登ると…。
開聞岳 開放的な草原の丘。眼前の東シナ海も美しいが、西北に野間岳の姿を確認して嬉しくなる。
開放的な草原の丘。眼前の東シナ海も美しいが、西北に野間岳の姿を確認して嬉しくなる。
開聞岳 亀ヶ丘の名前の所以。本当に亀のように見えるから可笑しくなる。
亀ヶ丘の名前の所以。本当に亀のように見えるから可笑しくなる。
開聞岳 東シナ海の落日。この後、車で移動できるもうひとつのピーク、星降る丘展望台にも行ってみたが、草原の丘が最も心地好く、眺めもよいと思った。(開聞岳と吹上浜砂丘は、霞に隠れて見えなかった)

かなり有名な観光地のようで、山ばかり気にしていた身としては、まったくのノーマークだった。野間神社で強く勧めてくれた愛好家氏に感謝、のエンディングだった。
東シナ海の落日。この後、車で移動できるもうひとつのピーク、星降る丘展望台にも行ってみたが、草原の丘が最も心地好く、眺めもよいと思った。(開聞岳と吹上浜砂丘は、霞に隠れて見えなかった) かなり有名な観光地のようで、山ばかり気にしていた身としては、まったくのノーマークだった。野間神社で強く勧めてくれた愛好家氏に感謝、のエンディングだった。

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