君の名は?仏ヶ尾山-2020-01-25

2020.01.25(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 4
休憩時間
1 時間 7
距離
4.9 km
のぼり / くだり
693 / 708 m
3 6
1 28
1

活動詳細

すべて見る

本来は下呂市と郡上市に股がる簗谷山(やなだにやま)を目指していました。しかし、登山口を目指す途中の県道86号線が土砂崩れで通れず、迂回を試みるも明宝からの別ルートは冬季閉鎖で通行不能。最後は国道257号線を郡上市から大回りするルートになりますが、行けばお昼を回ると予想されるので簗谷山は断念。この時点で既に時計は9時を回っていたので、近くに手軽に登れる山を物色。真っ先に目についたのが馬瀬の谷合を隔てて反対にある「仏ヶ尾山(ほとけがおやま)」でした。以前から気になっていた山ですが、余り人気がなく、距離も短いので敬遠していましたが、それが今回の条件にバッチリ当てはまり向かうことに。「仏ヶ尾山」などと変わった名前の山だと不思議に思いましたが、登山口に岐阜県の設置した標識がありその由来がわかりました。 <「仏ヶ尾山」の由来>  山麓の野上の猟師庄兵衛が、ある時、獲物を追って黒谷から山の尾に出た。ふと前方を見ると、明るい山の頂きの岩上に山鳥が止まっている。狙い定めて放つた弾は、確かに手ごたえががあった。近寄ってみると、山鳥だと思った獲物は阿弥陀仏如来像であった。驚いた庄兵衛は、この如来像を背負い悄然とわが家へ帰った。以来、ぷっつりと猟を止めたという。その後、誰いうとなく仏山の名が伝わっている。 何となく理由が単純過ぎて、内容にドラマ性を感じられない由来に驚きです。村を救ったとか、大金持ちになったとか、悪人を懲らしめたとかいう話を期待したいところですが、ある意味この飾りのない理由こそが真実なのだと思い、自分なりにその由来の背景を考えてみました。 この地域には、江戸の初期に円空上人(1632~1659)という何処の寺院にも属さない僧侶が居ました。円空は旅の中で、その土地土地の人々と触れ合いながら、独自の作風で木彫りの神仏を掘り続け修行を重ねた。この近くでも高賀山や瓢ヶ岳の麓には円空が修業したとされる洞窟や滝が紹介されるなど、馴染み深い存在です。下呂でも多くの円空仏が残っていて下呂市の合掌村や温泉寺などで紹介されています。その円空がこの地域を訪れ、この山の頂に登り、阿弥陀仏如来像を修めても何ら不思議はない。庄兵衛は円空の残した阿弥陀仏如来像を、山鳥と間違えて撃ったか、阿弥陀如来像が山鳥の身代わりとなったか…。 さて、かたや庄兵衛ですが、江戸期という武士の時代に、そもそも鉄砲などの高価で物騒なものが、一般の農民でも所持できたのでしょうか?調べてみると、鉄砲は戦の恐れが無くなる江戸期には、装飾を施し美術品として価値を高めることにより、大名や武士が所有するステータスシンボルとなる一方、実用面では農民に害獣駆除のための道具として普及したそうです。もちろん幕府や領主への届けが必要ですが、領地の農産物や或いはオオカミや熊から人命を守るために鉄砲は普及し使われていたようです。 私なりに解釈した仏ヶ尾山のストーリーは、「円空は修業のため訪れたこの山で、阿弥陀仏如来像を山頂に修めた。時は変わり猟師の庄兵衛は山鳥を追って山に入る。山頂近くで山鳥を見つけ、狙いを定めて撃ったら円空の阿弥陀仏如来に当る。庄兵衛は山鳥の身代わりとなった阿弥陀仏如来像の姿に殺生の愚かさを悟り、自宅に持ち帰って供養をし猟師を辞める。」 これこそが円空の教えではなかったか…。 今回は、こんなことを思い巡らせながら、仏ヶ尾山に登ってみました。

仏ヶ尾山 簗谷山を目指すも県道86号が土砂崩れで通行止め。かなり大規模に崩落しています。土砂崩れの脇の茂みに山鳥のツガイが居て、反対側の山の方角へ飛んで行きました。そして我々は「仏ヶ尾山」へ…不思議な偶然を感じます。
簗谷山を目指すも県道86号が土砂崩れで通行止め。かなり大規模に崩落しています。土砂崩れの脇の茂みに山鳥のツガイが居て、反対側の山の方角へ飛んで行きました。そして我々は「仏ヶ尾山」へ…不思議な偶然を感じます。
仏ヶ尾山 岐阜県が設置した登山口の案内標識です。JR高山線の上呂駅からも来られます。
岐阜県が設置した登山口の案内標識です。JR高山線の上呂駅からも来られます。
仏ヶ尾山 害獣用のゲートを開けて登山道を行きます。人の住む地域と動物たちの棲む山の距離が近い。登山道でも熊、キツネ、鹿の糞をみました。庄兵衛も現代なら阿弥陀仏如来を撃たずに済んだかな…。
害獣用のゲートを開けて登山道を行きます。人の住む地域と動物たちの棲む山の距離が近い。登山道でも熊、キツネ、鹿の糞をみました。庄兵衛も現代なら阿弥陀仏如来を撃たずに済んだかな…。
仏ヶ尾山 ここからが急登コースの始まりで~す(@_@)
ここからが急登コースの始まりで~す(@_@)
仏ヶ尾山 直登で急登を行きます。
直登で急登を行きます。
仏ヶ尾山 なかなかの傾斜です。
なかなかの傾斜です。
仏ヶ尾山 更に傾斜はキツくなります。
更に傾斜はキツくなります。
仏ヶ尾山 まだまだ先は長い(+_+)
まだまだ先は長い(+_+)
仏ヶ尾山 恵那山でしょうか?
恵那山でしょうか?
仏ヶ尾山 帰りに降りる方角を間違えると、全く違う地区に行くので要注意です。
帰りに降りる方角を間違えると、全く違う地区に行くので要注意です。
仏ヶ尾山 それにしても看板の下にある「野上塾」とは何ぞや?野上は地名ですが、学習塾では無いようです。自然塾とかか…?調べましたが分かりませんでした。
それにしても看板の下にある「野上塾」とは何ぞや?野上は地名ですが、学習塾では無いようです。自然塾とかか…?調べましたが分かりませんでした。
仏ヶ尾山 急登~
急登~
仏ヶ尾山 きゅうとう~
きゅうとう~
仏ヶ尾山 キュウトウ~(^_^;)
キュウトウ~(^_^;)
仏ヶ尾山 少し風景が変わってきました。
少し風景が変わってきました。
仏ヶ尾山 ゴツゴツした岩が多くなってきました。
ゴツゴツした岩が多くなってきました。
仏ヶ尾山 登山口の案内板に有った穴岩に来ました。
登山口の案内板に有った穴岩に来ました。
仏ヶ尾山 穴岩からの景色です。恵那山方面!
穴岩からの景色です。恵那山方面!
仏ヶ尾山 そして正面は御嶽でした(^○^) …絶対ここに来てるよね!円空さん。
そして正面は御嶽でした(^○^) …絶対ここに来てるよね!円空さん。
仏ヶ尾山 萩原の町、御前山そして御嶽山。
萩原の町、御前山そして御嶽山。
仏ヶ尾山 岩を移動すれば乗鞍も!
岩を移動すれば乗鞍も!
仏ヶ尾山 木が邪魔していますが、穂高連峰、笠ヶ岳もハッキリ見えました!
木が邪魔していますが、穂高連峰、笠ヶ岳もハッキリ見えました!
仏ヶ尾山 立札が有りますが読めません。でも円空の好みそうな場所です。お昼になったのでココでランチタイム(^○^)
立札が有りますが読めません。でも円空の好みそうな場所です。お昼になったのでココでランチタイム(^○^)
仏ヶ尾山 腹ごしらえを済ませ、再び山頂へ(・へ・)
腹ごしらえを済ませ、再び山頂へ(・へ・)
仏ヶ尾山 綺麗に間伐されたヒノキ林です。
綺麗に間伐されたヒノキ林です。
仏ヶ尾山 ピークに石塔…「御嶽大神」と「白山大神」と記してありました。白山も御嶽も両方崇拝できるご利益ある場所です。
ピークに石塔…「御嶽大神」と「白山大神」と記してありました。白山も御嶽も両方崇拝できるご利益ある場所です。
仏ヶ尾山 暖冬とは言え、標高も1,000メートルを超えると流石に寒い(ー_ー)!!
暖冬とは言え、標高も1,000メートルを超えると流石に寒い(ー_ー)!!
仏ヶ尾山 山頂に到着しました~(^○^)
山頂に到着しました~(^○^)
仏ヶ尾山 御嶽も良く見えます。木の標柱に「野上塾」の文字が…何だろうね。
御嶽も良く見えます。木の標柱に「野上塾」の文字が…何だろうね。
仏ヶ尾山 記念撮影を終了し、早々に退散!
記念撮影を終了し、早々に退散!
仏ヶ尾山 馬の背の稜線。右に降りると馬瀬、左は萩原。間違えると大騒動です。
馬の背の稜線。右に降りると馬瀬、左は萩原。間違えると大騒動です。
仏ヶ尾山 穴岩まで戻りました。少し探索します。
穴岩まで戻りました。少し探索します。
仏ヶ尾山 岩が屋根のように突き出ています。
岩が屋根のように突き出ています。
仏ヶ尾山 よく見ると屋根の下に仏様が…。御嶽の方角を向いています。円空もここで座禅を組んで修業に励んだのでしょうか。
よく見ると屋根の下に仏様が…。御嶽の方角を向いています。円空もここで座禅を組んで修業に励んだのでしょうか。
仏ヶ尾山 帰りは急降下!
帰りは急降下!
仏ヶ尾山 ストックが有った方が良いでしょう。
ストックが有った方が良いでしょう。
仏ヶ尾山 コケたら痛いだけでは済みません。
コケたら痛いだけでは済みません。
仏ヶ尾山 注意深く、入念に下山します。
注意深く、入念に下山します。
仏ヶ尾山 無事に降りられました。
無事に降りられました。
仏ヶ尾山 左に砂防ダムが有ります。登山口の傍らによく有る風景です。それだけ険しい場所を登るということです。
左に砂防ダムが有ります。登山口の傍らによく有る風景です。それだけ険しい場所を登るということです。
仏ヶ尾山 仏ヶ尾山の由来の書いた案内図。新しい案内は私の新説に基づいた円空上人の話にしてください。
仏ヶ尾山の由来の書いた案内図。新しい案内は私の新説に基づいた円空上人の話にしてください。
仏ヶ尾山 このログハウス…ローマ字で「NOGAMI JYUKU」(野上塾)とありました。野田塾なら知ってるけど、野上塾って…謎だ(ー_ー)!!
このログハウス…ローマ字で「NOGAMI JYUKU」(野上塾)とありました。野田塾なら知ってるけど、野上塾って…謎だ(ー_ー)!!
仏ヶ尾山 登山口のすぐ脇の広場に停めさせて頂きました。本日もなかなか楽しい行程でした。
登山口のすぐ脇の広場に停めさせて頂きました。本日もなかなか楽しい行程でした。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。